こんにちは、まなです。私が日々使っている「プロンプトの基礎10パターン」を、目的→最小テンプレ→短例(コピペOK)の順でまとめました。まずは「役割+制約+段階思考」を基本に、提出前に「検証+評価」で仕上げるのがおすすめです。
この記事でわかること
- 役割付与 / 制約指定 / 段階思考 など10パターンの使いどころ
- そのまま試せる最小テンプレと短例(コピペOK)
- ありがちな失敗と修正のポイント
1. 役割付与(Role)
ねらい:視点を固定して出力のブレを減らす。
最小テンプレ:
あなたは【役割】です。対象は【読者】。【トーン】で、【出力形式】で答えてください。
プロンプト例
あなたは中高の情報科の先生です。
対象は「AI初心者の保護者」。
丁寧で安心感のあるトーンで、
「生成AIの利点と注意点」を箇条書き5点(各30〜50字)で説明してください。
最後に「家庭での一歩」を1つ。
2. 制約指定(Constraints)
ねらい:長文化・脱線・体裁のバラつきを防ぐ。
最小テンプレ:出力は【形式】。長さは【字数/語数】。【必須/禁止】を守る。
プロンプト例
テーマ:「学校だより向けの生成AI活用案」
出力はMarkdown。構成は「見出し→要点3→次の一手1」。
各要点は40字以内。比喩と専門用語は使わない。重複禁止。
語尾は「です・ます」で統一。
3. 段階思考(Step-by-step)
ねらい:考え方の手順を明確にして、結論の根拠を残す。
最小テンプレ:1) 前提 2) 選択肢 3) 比較基準 4) 結論 5) 想定反論と対応
プロンプト例
課題:学校のICT導入で、生成AIをどこから試すべきか。
次の手順で簡潔に整理してください。
1) 前提 2) 選択肢 3) 比較基準 4) 結論 5) 想定反論と対応
各項目は2〜3文以内。
4. Few-shot例示(Examples)
ねらい:望むフォーマットと粒度を例で共有する。
最小テンプレ:【入力例→望ましい出力例】を2〜3組示し、「次の入力に適用」。
プロンプト例
【入力例1】レビュー文:授業準備が楽になりましたが、出力のばらつきがあります。
【望ましい出力例1】長所:準備時間短縮|短所:品質のばらつき|一言:ガイドライン必須
【入力例2】レビュー文:要約精度は高いが、専門語が多めで読みにくい。
【望ましい出力例2】長所:要約精度高|短所:難語多い|一言:平易語変換を追加
次を同じ形式で処理:
レビュー文:学年だよりの下書きには便利。ただし事実確認の手間は減らない。
5. 検証質問(Self-Check)
ねらい:抜け・思い込みを出力前に洗い出す。
最小テンプレ:最初に「不明点・仮定・代替案」を各1〜3点→その後に最終回答。
プロンプト例
テーマ:PTA向け「生成AIの校内ガイドライン」ドラフト
まず「不明点・仮定・代替案」を各1〜3点列挙してください。
その後に最終案を300字以内で提示。
不明点や仮定は、最終案の前に短く箇条書きで。
6. 要約(Summarization)
ねらい:長い資料を共有・決裁向けに圧縮する。
最小テンプレ:用途(共有/決裁/学習)を明記し、見出し+要点3+一文結論+次の一手で。
プロンプト例
次の会議メモを「決裁向け要約」にしてください。
形式は「見出し→要点3→一文結論→次の一手」。
各要点は30〜45字。
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会議メモ:
来年度、生成AIの校内利用を段階導入。まず要約と原稿の第一稿づくりに限定。
情報モラル研修を年2回実施。保護者説明の場を学期に1回設ける。
7. 抽出(Extraction)
ねらい:長い文章から、必要な項目だけを同じ型で取り出す(表やJSON)。
最小テンプレ:項目=title, date, owner, risk_level。見つからない項目は「未記入」。
プロンプト例
次の文章から、表(Markdown)で 1 行にまとめてください。
項目:title, date, owner, risk_level(見つからない項目は「未記入」)
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文章:
お知らせ:生成AIワークショップ
日時:2026-04-15/担当:情報部 会田
想定リスク:中程度
8. 変換(Transform)
ねらい:読み手・場面に合わせて表現や形式を変える。
最小テンプレ:【敬体↔常体】【専門向け→一般向け】【Markdown→HTML】など条件を指定。
プロンプト例
次の文章を「中学生向け・100字・比喩なし・敬体」に言い換えてください。
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原文:
生成AIは下書き作成や要約に役立ちますが、事実確認は人が行う必要があります。
校内では個人情報を入力しないという基本を徹底します。
9. 評価用プロンプト(Evaluate)
ねらい:出力を点検し、足りない所を直す。
最小テンプレ:評価軸=正確性・網羅性・わかりやすさ(各1〜5)。不足3つ→改善指示→改稿版。
プロンプト例
次の要約を自己評価して、短く改稿してください。
手順:
1) 正確性・網羅性・わかりやすさを各1〜5で採点(理由は一言)
2) 不足点を3つ列挙
3) 改善指示を3つ(短文)
4) 改稿版の要約を提示(80〜120字)
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要約:
生成AIの導入は下書きと要約から始める。教員向け研修と保護者説明を実施する。
10. メタプロンプト(Meta)
ねらい:長すぎる指示を短く、ブレにくくする。
最小テンプレ:目的/入力/出力条件を渡し、「冗長を削った最小プロンプト(100字以内)+改善理由3点」。
プロンプト例
目的:PTA配布文の下書き作成を安定化
入力:会議メモ(300〜500字)
出力条件:見出し→要点3→次の一手1、各40字以内、平易、重複なし
上のプロンプト文を100字以内の最小版に短縮し、削った要素と影響を3点で説明。
ありがち失敗と直し方
ありがちな失敗は三つあります。まず目的がぼんやりして出力が散らばること。これは冒頭で「誰に/何のために/どの形式で」を一行で宣言すれば防げます。次に制約の盛りすぎ。形式・長さ・禁止の三点だけに絞り、足りなければ後から追加します。最後は例示のズレ。良い例と悪い例を対で示すと粒度が揃い、再現性が上がります。

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