消防法では、危険物の取扱いや保管について厳しい規制が設けられています。第4類危険物は主に可燃性液体で、火災や爆発のリスクが高いため、その取り扱いには特に注意が必要です。乙種第4類危険物取扱者試験では、第4類危険物の指定数量に関する点が出題されるため、しっかりと理解しておく必要があります。
指定数量について
第4類危険物の取扱いや保管に関しては、法令で定められた指定数量があります。指定数量は、危険物の種類や性質に応じて異なり、これを超える量の危険物を取り扱う場合には、特別な設備や届出が必要となります。
重要ポイント
- 指定数量以上の危険物は、特定の場合を除き製造所等以外の場所での貯蔵・取扱いが禁止されています。これは一般の場所での大量保管が火災や爆発のリスクを高めるためです。
- ガソリン、アルコール類、灯油の指定数量は特に重要で、覚えておくべきです。これらの物質は乙種第4類危険物取扱者試験に頻繁に出題されます。
- 同じ品名でも水溶性液体は非水溶性液体の2倍の指定数量となっています。例えば、第1石油類のガソリン(非水溶性液体)は200リットルですが、アセトン(水溶性液体)は400リットルです。この違いを理解し、適切に管理することが求められます。
第4類危険物の指定数量
第4類危険物の取扱いや保管に関しては、法令で定められた指定数量があります。指定数量は、危険物の種類や性質に応じて異なります。
以下の表には、品名、性質、具体例、指定数量をまとめています。
品名 | 性質 | 具体例 | 指定数量 |
---|---|---|---|
特殊引火物 | - | 二硫化炭素 | 50L |
第1石油類 | 非水溶性液体 | ガソリン | 200L |
水溶性液体 | アセトン | 400L | |
アルコール類 | - | エタノール | 400L |
第2石油類 | 非水溶性液体 | 灯油 | 1,000L |
水溶性液体 | 1-ブタノール | 2,000L | |
第3石油類 | 非水溶性液体 | 重油 | 2,000L |
水溶性液体 | グリセリン | 4,000L | |
第4石油類 | - | ギヤー油 | 6,000L |
動植物油類 | - | 大豆油 | 10,000L |
指定数量未満の場合
- 消防法に基づく規制は緩和されますが、地方自治体の火災予防条例に基づいた基本的な安全管理や火災予防措置が適用されます。
- 容器入りの危険物を自動車で運搬する場合など、特定の状況下では消防法の規制が適用されることがあります。
これにより、適切な安全対策と法規制のバランスを保ちながら、火災や事故のリスクを最小限に抑えることができます。
試験問題例1
解説
(1) 正解。第1石油類、第2石油類、第3石油類は、水溶性か非水溶性で指定数量が異なります。
(2) 正解。第2石油類の水溶性物質の指定数量は2000L、第3石油類の非水溶性物質も2000L。
(3) 正解。水溶性の第1石油類の指定数量は400L、アルコール類の指定数量も400Lです。
(4) 正解。特殊引火物の指定数量は50L、第1石油類の指定数量は200L、アルコール類の指定数量は400Lで、いずれも異なる。
(5) 誤り。第4石油類は6000Lですが、動植物油類の指定数量は10,000Lであり、異なります。
答え(5)
試験問題例2
(1) 正解。特殊引火物である二硫化炭素の指定数量は50Lです。
(2) 正解。第1石油類の非水溶性液体であるベンゼンの指定数量は200Lです。
(3) 正解。アルコール類のエタノールの指定数量は400Lです。
(4) 誤り。第2石油類の非水溶性液体である灯油の指定数量は1000Lです。
(5) 正解。第3石油類の非水溶性液体である重油の指定数量は2000Lです。
答え(4)
まとめ
この記事では、第4類危険物の指定数量について詳しく解説しました。
- 第4類危険物は主に可燃性液体であり、火災や爆発のリスクが高いため、その取り扱いには特に注意が必要です。
- 乙種第4類危険物取扱者試験では、第4類危険物の指定数量に関する点が頻繁に出題されるため、しっかりと理解しておくことが重要です。
- ガソリン、アルコール類、灯油の指定数量は特に重要で、試験に頻繁に出題されます。
- 同じ品名でも、水溶性液体と非水溶性液体で指定数量が異なることを理解し、適切に管理することが求められます。
このように、適切な法規制と安全対策を理解し、火災や事故のリスクを最小限に抑えることが重要です。この記事を参考に、第4類危険物の知識を深め、試験対策に役立ててください。
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