この記事では、危険物取扱者試験(乙種第4類)の試験問題のうち、完成検査と立入検査に関する内容について解説します。
完成検査とは
完成検査は、危険物施設の新設や変更工事が完了した後、施設が法令に適合しているかを確認するために行われる検査です。所轄の市町村長等が行います。
完成検査の目的
完成検査の目的は、施設が設計図通りに建設され、技術基準に適合しているかを確認することです。これは公共の安全を確保し、災害の発生を防止するための重要な手続きです。合格すると、完成検査済証が交付され、施設が使用可能になります。
完成検査の内容
- 検査の申請:危険物施設を設置(変更)する場合は、申請書および関係図面を添付して市町村長等に提出し、許可を受けた後、工事に着工します。
- 工事の実施
- 完成検査前検査:液体の危険物を貯蔵し取り扱うタンクを設置(変更)する場合、完成検査を受ける前に市町村長等が行います。
- 完成検査
- 検査結果の通知:検査に合格すると、完成検査済証が交付され、施設の使用が認められます。
立入検査とは
立入検査は、市町村長等が危険物の貯蔵または取り扱いにともなう火災防止のために必要と認める場合、貯蔵所等の所有者、管理者、もしくは占有者に対して立入検査を実施することができます。
立入検査の目的
立入検査の目的は、施設が法令を遵守し、安全に運用されているかを確認することです。これにより、火災や事故の発生を未然に防ぐことができます。
立入検査の内容
- 資料の提出または報告の要求: 市町村長等は、貯蔵所等の所有者、管理者、または占有者に対して、危険物の貯蔵や取扱いに関する資料の提出を命じたり、報告を求めることができます。
- 現地検査の実施: 市町村長等は、消防事務に従事する職員に対して、貯蔵所等に立ち入り、位置、構造、設備および危険物の貯蔵や取扱いについて検査させることができます。
- 関係者への質問: 市町村長等は、必要に応じて、関係者に対して質問を行い、危険物の貯蔵や取扱いに関する詳細を確認します。
- 危険物の収去: 市町村長等は、必要と認める場合、危険物または危険物である疑いのある物品を収去することができます。これにより、火災リスクを軽減し、公共の安全を確保します。
試験問題例
解説
それぞれの選択肢に入る語句はつぎのとおりです。
- A:市町村長
消防本部及び消防署を設置している市町村の区域では、危険物施設を設置するためには市町村長の許可が必要です。 - B:都道府県知事
消防本部及び消防署を設置していない区域では、その区域を管轄する都道府県知事の許可が必要です。 - C:完成検査
工事完了後には、施設が許可内容どおりに設置されているかどうかを確認するために完成検査を受けなければなりません。
答え(2)
解説
(1) 正解。立入検査を行うのは、消防事務に従事する職員です。
(2) 正解。立入検査は火災予防のために必要と認められる場合に行われます。
(3) 正解。資料の提出命令は、製造所等の所有者、管理者、または占有者に対して行われます。
(4) 誤り。市町村長等は必要に応じて、危険物または危険物である疑いのある物品を収去することができます。したがって、立ち入っての検査、質問に加えて、危険物の収去も可能です。
(5) 正解。立入検査の対象は、指定数量以上の危険物を貯蔵または取り扱っている施設全てです。
答え(4)
まとめ
この記事では、完成検査と立入検査について詳しく解説しました。これらの手続きは危険物施設の安全管理に欠かせない重要なプロセスです。試験対策として、目的や流れをしっかりと理解し、合格を目指しましょう。
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