密度・比重の練習問題

物理・化学

乙4の物理・化学では、密度・比重・蒸気比重の違いがよく問われます。

どれも「重さ」に関係する言葉なので似ていますが、見ている対象が違います。密度は物質そのものの質量と体積の関係、比重は水や空気と比べた重さ、蒸気比重は空気と比べた蒸気の重さを表します。

特に第4類危険物では、液体が水に浮くのか沈むのか、発生した蒸気が低い場所にたまりやすいのかが、火災予防や換気の考え方につながります。

ここでは、密度・比重・蒸気比重を5問の練習問題で確認していきます。数字の意味だけでなく、危険物取扱の場面でどう判断するかまで整理していきましょう。

問題に入る前に、密度・比重の判断基準を確認する

密度は、一定の体積あたりの質量を表す値です。基本的には、同じ体積で比べたときに、どちらが重いかを見るための考え方です。

比重は、ある物質の密度を基準となる物質の密度と比べた値です。液体や固体では、一般に水を基準にして考えます。比重が1より小さい液体は水より軽く、水に浮きやすいです。比重が1より大きい液体は水より重く、水に沈みやすいです。

蒸気比重は、気体や蒸気を空気と比べた重さです。蒸気比重が1より大きい蒸気は空気より重く、低い場所にたまりやすくなります。

マナの感覚では、密度・比重の問題は、まず「水と比べているのか」「空気と比べているのか」を見ると判断しやすいです。液体なら水、蒸気なら空気を基準にすると整理しやすくなります。

密度・比重を問題で確認する

問題1:密度について正しいものはどれか

次のうち、密度について正しいものはどれですか。

  1. 物質1molあたりの質量を表す値である。
  2. 一定の体積あたりの質量を表す値である。
  3. 液体が燃え始める最低温度を表す値である。
  4. 空気と比べた蒸気の重さを表す値である。

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正解:2

密度は、一定の体積あたりの質量を表す値です。たとえば、同じ1cm3でも、物質によって質量が異なります。この「同じ体積で比べたときの重さ」を見る考え方が密度です。

1は、物質量と質量に関する説明に近く、密度の説明ではありません。

3は引火点の説明に近い内容です。密度は、燃え始める温度を表す値ではありません。

4は蒸気比重の説明です。蒸気比重は、空気と比べた蒸気の重さを表します。

この問題では、密度=体積あたりの質量という判断基準を使います。比重や蒸気比重と混同しないように、密度はまず「物質そのものの重さの割合」と考えると分かりやすいです。

問題2:密度と比重の違いとして正しいものはどれか

次のうち、密度と比重の違いとして正しいものはどれですか。

  1. 密度は水と比べた値で、比重は体積あたりの質量である。
  2. 密度は一定の体積あたりの質量で、比重は基準物質と比べた重さの割合である。
  3. 密度も比重も、必ず空気を基準にして表す。
  4. 密度も比重も、液体が発火する温度を表す。

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正解:2

密度は、一定の体積あたりの質量です。一方、比重は、ある物質の密度を基準となる物質の密度と比べた値です。

1は、密度と比重の説明が逆になっています。試験では、このように用語の説明を入れ替えた選択肢が出ると迷いやすいです。

3は誤りです。液体や固体の比重では、一般に水を基準にして考えます。蒸気比重では空気を基準にします。

4も誤りです。発火する温度を表すのは発火点です。密度や比重は、温度ではなく重さや比べ方に関係する値です。

この問題では、密度=体積あたりの質量、比重=基準と比べた値という違いを使います。言葉だけで覚えると似て見えるので、「密度はそのもの、比重は比較」と分けると整理しやすいです。

問題3:液体の比重について正しいものはどれか

次のうち、液体の比重について正しいものはどれですか。

  1. 比重が1より小さい液体は、水より重く、水に沈みやすい。
  2. 比重が1より大きい液体は、水より軽く、水に浮きやすい。
  3. 比重が1より小さい液体は、水より軽く、水に浮きやすい。
  4. 比重は液体の色の濃さを表す値である。

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正解:3

液体の比重では、一般に水を基準にします。比重が1より小さい液体は水より軽いため、水に浮きやすくなります。

1は逆です。比重が1より小さい場合は、水より軽いと考えます。

2も逆です。比重が1より大きい液体は、水より重いため、水に沈みやすくなります。

4は誤りです。比重は色の濃さではなく、基準物質と比べた重さの割合です。

この問題では、液体の比重は水を1として考えるのがポイントです。第4類危険物では、ガソリンのように水より軽く、水に浮くものがあります。水で流そうとすると、かえって表面に広がるイメージにつながるため、火災予防や消火の考え方にも関係します。

問題4:蒸気比重について正しいものはどれか

次のうち、蒸気比重について正しいものはどれですか。

  1. 蒸気比重は、水と比べた液体の重さを表す値である。
  2. 蒸気比重が1より大きい蒸気は、空気より重く、低い場所にたまりやすい。
  3. 蒸気比重が1より大きい蒸気は、必ず上に上がる。
  4. 蒸気比重は、液体の沸点を表す値である。

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正解:2

蒸気比重は、空気と比べた蒸気の重さを表します。蒸気比重が1より大きい蒸気は空気より重く、低い場所にたまりやすくなります。

1は液体の比重の説明です。液体の比重では水を基準にしますが、蒸気比重では空気を基準にします。

3は誤りです。蒸気比重が1より大きい蒸気は空気より重いため、上に逃げるとは限らず、低い場所に滞留しやすくなります。

4も誤りです。沸点は液体が沸騰するときの温度です。蒸気比重は温度ではなく、空気と比べた蒸気の重さです。

この問題では、蒸気比重=空気と比べるという判断基準を使います。第4類危険物の蒸気は空気より重いものが多く、床付近やくぼみにたまりやすいと考えると、換気の意味も分かりやすくなります。

問題5:ガソリンの蒸気を危険物取扱の場面で考える

ガソリンを取り扱う場面について、次のうち正しいものはどれですか。

  1. ガソリンは液体なので、発生した蒸気の重さは火災予防と関係しない。
  2. ガソリンの蒸気は空気より重いものとして、低い場所への滞留に注意する。
  3. ガソリンは水より重いので、水をかければ必ず下に沈んで安全になる。
  4. 蒸気比重は水との比較なので、水に浮くか沈むかだけを判断すればよい。

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正解:2

ガソリンの蒸気は、空気より重いものとして考えます。そのため、床付近、くぼみ、排水溝のような低い場所にたまりやすく、そこに点火源があると引火の危険があります。

1は誤りです。第4類危険物では、液体そのものだけでなく、液体から発生した可燃性蒸気が火災予防と深く関係します。

3も誤りです。ガソリンは水より軽く、水に浮きやすい性質があります。水をかけると、水面上に広がるおそれがあるため、「水をかければ必ず安全」とは考えません。

4は誤りです。蒸気比重は空気との比較です。水との比較で見るのは、液体の比重です。

この問題では、液体は水と比べる、蒸気は空気と比べるという判断基準を使います。ここを分けて考えると、ガソリンが水に浮きやすいことと、ガソリン蒸気が低い場所にたまりやすいことを同時に整理できます。

この分野で出やすい問題と考え方

密度・比重の分野では、用語の定義を問う問題に加えて、「何と比べているか」を入れ替えた選択肢が出やすいです。

特に注意したいのは、液体の比重と蒸気比重の違いです。液体の比重では、一般に水を基準にします。一方、蒸気比重では空気を基準にします。この基準を取り違えると、選択肢の判断を間違えやすくなります。

また、乙4では「水に浮くか沈むか」だけでなく、「蒸気が低い場所にたまるか」も大切です。第4類危険物は液体ですが、火災では発生した可燃性蒸気が大きく関係します。そのため、蒸気比重は換気や火災予防の理解につながります。

混同しやすい言葉見るポイント試験での注意
密度一定の体積あたりの質量比重や蒸気比重と混同しない
液体の比重水と比べた重さ1より小さいと水より軽く、浮きやすい
蒸気比重空気と比べた蒸気の重さ1より大きいと低い場所にたまりやすい
水より軽い液体水面に浮きやすい水で流すと広がる場合がある
空気より重い蒸気床付近やくぼみに滞留しやすい換気や点火源管理と結びつけて考える

この分野で迷ったときは、問題文の中から「液体」「蒸気」「水」「空気」「1より大きい・小さい」という言葉を探すと判断しやすくなります。

密度・比重は、数字だけを見ると地味な分野に見えます。しかし、乙4では第4類危険物の火災予防とつながります。ガソリンのように水に浮きやすい液体は、水面上に広がるおそれがあります。また、可燃性蒸気が空気より重い場合は、低い場所にたまり、離れた点火源で引火する危険も考えられます。

最後に、この分野は「液体は水と比べる、蒸気は空気と比べる」で整理すると迷いにくいです。密度は物質そのものの重さの割合、比重は基準との比較、蒸気比重は空気との比較。この3つを分けておくと、試験問題でも危険物取扱の場面でも判断しやすくなります。

もう一度確認したい関連知識

今回の問題で、密度と比重の違いがあいまいだった場合は、「密度と比重の違い」に戻ると整理しやすくなります。水に浮くか沈むかの判断で迷った人は、液体の比重を重点的に確認するとよいです。

蒸気が低い場所にたまる理由で迷った場合は、「蒸気比重とは何か」を確認すると、換気や火災予防とのつながりが見えやすくなります。

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