こんにちは、マナです!今日は「生酛(きもと)仕込み」と「山廃(やまはい)仕込み」、そして「速醸系酒母(そくじょうけいしゅぼ)」の違いについて勉強したことをシェアしたいと思います。これらの伝統的な酒母の違いを知ることで、どうして日本酒に独特の風味が生まれるのか、その秘密が分かりますよ!
1. 生酛系酒母とは?
まず「生酛仕込み」についてお話します。この製法は、伝統的な日本酒造りの一つで、自然界の乳酸菌を利用して酒母(しゅぼ)を造ります。明治時代以前は、すべての日本酒がこの方法で作られていました。「生酛」は、酒母を造る際に、米をすり潰して粥状にする「山卸し(やまおろし)」という手間のかかる工程が特徴です。これによって、乳酸菌が増え、雑菌を排除する環境が整えられます。
生酛仕込みで作られるお酒は、しっかりとした酸味と濃醇(のうじゅん)な味わいが特徴で、特にコクが深く、熟成するとさらに味が豊かになります。現在でも生酛仕込みの日本酒は少数ですが、伝統を守りながら作られているお酒は、独特の風味でファンが多いです。
2. 山廃仕込みとは?
次は「山廃仕込み」です。実は「山廃」とは「山卸し廃止(やまおろしはいし)」の略称で、生酛仕込みから「山卸し」の工程を省いた方法です。明治時代に国立醸造試験場で開発され、米をすり潰さなくても、酵素の力で十分に米が糖化することが確認されました。
山廃仕込みは、生酛仕込みと同様に自然の乳酸菌を利用するため、しっかりとした酸味が生まれますが、生酛ほど手間がかからず、効率的に造ることができます。山廃仕込みで作られるお酒は、濃醇で力強い味わいが特徴で、生酛に比べると少しスッキリとした印象を受けることが多いです。
3. 速醸系酒母とは?
そして最後に「速醸系酒母」についてです。これは、現代の酒造りで最も一般的な方法で、人工的に乳酸を加えることで、速やかに酒母を作り出す手法です。生酛や山廃のように自然の乳酸菌を待つ必要がなく、時間とコストを大幅に削減できるため、多くの酒蔵で採用されています。
速醸系酒母で作られた日本酒は、淡麗(たんれい)でスッキリとした味わいが多く、フルーティーな香りが特徴的なものが多いです。現代の嗜好に合った軽やかな日本酒が多く、特に食中酒として人気があります。
4. 生酛と山廃、速醸の味わいの違い
生酛仕込み、山廃仕込み、速醸系酒母の3つの製法では、味わいに明確な違いがあります。生酛仕込みは、深いコクと酸味が特徴で、特に熟成するとその複雑さが際立ちます。山廃仕込みは、同じくしっかりとした酸味がありながらも、スッキリとした飲み口が楽しめます。そして速醸系酒母は、フルーティーで軽やかな味わいが多く、特に若い層や日本酒ビギナーに人気です。
5. 現代の日本酒造りへの復活
面白いのは、近年、伝統的な生酛や山廃仕込みの人気が再燃していることです。酒蔵が再びこの手間のかかる製法に挑戦し、独特の風味を持つ日本酒を造るようになってきています。例えば、昔ながらの木桶を使ったり、自然発酵を重んじる酒造りを行う酒蔵も増えています。こうした復活の背景には、個性的な味わいを求める消費者の声が大きく影響しています。
これらの伝統的な製法で造られた日本酒は、熟成が進むとさらに味わいが深まります。長い歴史の中で培われてきた日本酒造りの技術は、現代でも進化を続けており、その味わいはどんどん豊かになっているんです。
まとめ
「生酛仕込み」「山廃仕込み」「速醸系酒母」の違い、わかっていただけましたか?どの製法にもそれぞれの魅力があり、飲むたびにその奥深さを感じられるのが日本酒の素晴らしいところです。ぜひ、次に日本酒を選ぶときには、この違いを思い出しながら、お気に入りの一杯を見つけてくださいね!
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