乙4物理化学の練習問題9問。燃焼や引火点を解説つきで確認

物理・化学

物理・化学は、乙4の3分野のなかで苦手意識を持つ人が多い分野です。ただ、乙4で問われるのは難しい理論ではなく、「なぜ燃えるのか」「なぜ消えるのか」「なぜ危ないのか」を判断するための基礎です。私自身、ここは勉強した分がそのまま点になり、一番の得点源になりました。

この練習問題では、燃焼・消火・引火点・蒸気比重・静電気といった頻出テーマを9問で確認します。正解だけでなく、誤りの選択肢がなぜ違うのかまで整理して、判断基準につなげていきます。

問題に入る前に、物理・化学の判断基準を確認する

  • 燃える条件:可燃物・酸素供給源・点火源(燃焼の三要素)。
  • 火のつきやすさ:引火点・発火点・燃焼範囲で見る。
  • 蒸気のふるまい:第4類の蒸気は空気より重く、低所にたまる。
  • 消す方法:除去・窒息・冷却・抑制(負触媒)の4つ。

乙4の物理・化学を問題で確認する

問題1:燃焼の三要素として正しい組み合わせはどれか

次のうち、燃焼が起こるために必要な三要素の組み合わせとして正しいものはどれですか。

  1. 可燃物・酸素供給源・点火源
  2. 可燃物・水・熱
  3. 酸素・二酸化炭素・点火源
  4. 可燃物・窒素・圧力
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正解:1

燃焼の三要素は、可燃物・酸素供給源・点火源です。どれか一つを取り除くと燃焼は続きません。消火はこの三要素を断つ考え方につながります。

2は誤り。水は消火に使われる側で、燃焼の要素ではありません。

3も誤り。二酸化炭素はむしろ窒息消火に使われます。

4も誤り。窒素は不活性ガスで燃焼を助けません。圧力も三要素ではありません。

問題2:引火点と発火点の違いについて正しいものはどれか

次のうち、引火点と発火点の説明として正しいものはどれですか。

  1. 引火点は、点火源なしに自ら燃え出す最低温度である。
  2. 発火点は、点火源を近づけたときに引火する最低温度である。
  3. 引火点は、点火源があれば引火するのに必要な可燃性蒸気が発生する最低温度である。
  4. 引火点と発火点は同じ意味で、呼び方が違うだけである。
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正解:3

引火点は、点火源があれば引火するのに必要な可燃性蒸気が発生する最低温度です。ガソリンのように引火点が低いものは常温でも引火しやすく危険です。

1は誤り。点火源なしで自ら燃え出す最低温度は発火点です。

2も誤り。点火源を近づけて引火する温度は引火点で、説明が逆です。

4も誤り。引火点(点火源あり)と発火点(点火源なし)は別概念です。

問題3:燃焼範囲について正しいものはどれか

次のうち、燃焼範囲(爆発範囲)の説明として正しいものはどれですか。

  1. 可燃性蒸気が濃ければ濃いほど、必ずよく燃える。
  2. 燃焼範囲とは、空気中で燃焼できる可燃性蒸気の濃度の範囲である。
  3. 燃焼範囲の下限値が高いものほど危険である。
  4. 燃焼範囲は温度や条件に関係なく、常に一定である。
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正解:2

燃焼範囲は、空気中で燃焼できる可燃性蒸気の濃度の範囲で、下限値と上限値があります。この範囲内でだけ燃焼・爆発が起こります。

1は誤り。濃すぎる(上限超)と酸素が足りず燃えません。

3も誤り。下限値が低いものほど、少ない蒸気で燃えるため危険です。

4も誤り。燃焼範囲は温度などの条件で変わります。

問題4:第4類危険物の蒸気について正しいものはどれか

次のうち、第4類危険物の蒸気の性質として正しいものはどれですか。

  1. 蒸気は空気より軽く、天井付近にたまりやすい。
  2. 蒸気は空気より重く、低い場所にたまりやすい。
  3. 蒸気は発生しても燃焼には関係しない。
  4. 蒸気は水に溶けるので、危険はない。
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正解:2

第4類危険物の蒸気は、一般に空気より重く、低い場所に滞留しやすいです(蒸気比重が1より大きい)。床付近やくぼみにたまるため換気が重要です。

1は誤り。空気より軽く天井にたまるは逆です。

3も誤り。第4類では発生した蒸気こそが燃焼・引火の主役です。

4も誤り。水に溶けやすいものもありますが、蒸気に危険がないわけではありません。

問題5:第4類危険物の液体の比重について正しいものはどれか

次のうち、第4類危険物の液体(多くのもの)の性質として正しいものはどれですか。

  1. 多くは水より重く、水に沈む。
  2. 多くは水より軽く、水に浮く。
  3. すべて水によく溶ける。
  4. 比重は燃焼と無関係なので考えなくてよい。
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正解:2

第4類危険物の多くは水より軽く(液比重1未満)、水に浮きます。非水溶性のものが多く、火災時に水をかけると燃えている液が広がるおそれがあります。

1は誤り。水より重いものは一部(二硫化炭素など)に限られます。

3も誤り。アルコール類など水溶性もありますが、非水溶性が多いです。

4も誤り。水に浮くかは消火方法の選択に直結する重要な性質です。

問題6:静電気について正しいものはどれか

次のうち、静電気と危険物火災の関係として正しいものはどれですか。

  1. 第4類危険物は電気をよく通すので、静電気はたまらない。
  2. 静電気の火花は小さいので、点火源にはならない。
  3. 第4類危険物は電気を通しにくく、静電気がたまると火花が点火源になることがある。
  4. 静電気対策として、液体を勢いよく速く流すとよい。
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正解:3

第4類危険物の多くは電気の不導体で、静電気がたまりやすいです。火花は可燃性蒸気への点火源になることがあります。

1は誤り。電気を通しにくく、静電気がたまりやすい性質です。

2も誤り。小さな火花でも燃焼範囲内の蒸気があれば点火源になります。

4も誤り。速く流すと静電気が発生しやすくなります。対策は流速を抑える・接地する・湿度を保つなどです。

問題7:熱量と比熱について正しいものはどれか

次のうち、熱量と比熱の説明として正しいものはどれですか。

  1. 比熱とは、物質1gの温度を1℃上げるのに必要な熱量である。
  2. 比熱が大きい物質ほど、温まりやすく冷めやすい。
  3. 必要な熱量は、物質の質量に関係なく一定である。
  4. 水の比熱は、他の多くの物質に比べて小さい。
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正解:1

比熱は物質1gの温度を1℃上げるのに必要な熱量です。必要な熱量は「質量 × 比熱 × 温度変化」で求めます。

2は誤り。比熱が大きい物質ほど温まりにくく冷めにくいです。

3も誤り。熱量は質量に比例します。

4も誤り。水の比熱は他の多くの物質より大きいです。水が冷却消火に有効なのは、この比熱の大きさが理由の一つです。

問題8:蒸発と沸騰について正しいものはどれか

次のうち、蒸発と沸騰の説明として正しいものはどれですか。

  1. 蒸発は液体の表面から気体になる現象で、常温でも起こる。
  2. 蒸発は液体の内部からも激しく気体になる現象である。
  3. 沸騰は、液体の表面だけがゆっくり気体になる現象である。
  4. 蒸発も沸騰も、加熱しなければまったく起こらない。
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正解:1

蒸発は液体の表面から気体になる現象で、常温でも起こります。だから引火点の低い第4類は常温でも蒸気を出し危険になります。

2は誤り。内部からも激しく気体になるのは沸騰です。

3も誤り。表面だけがゆっくりは蒸発の説明で、入れ替わっています。

4も誤り。蒸発は常温でも起こります。

問題9:熱の移動について正しいものはどれか

次のうち、熱の移動の説明として正しいものはどれですか。

  1. 伝導は、離れた物体に光のように熱が伝わることである。
  2. 対流は、気体や液体が動いて熱が運ばれることである。
  3. 放射は、物体の中を熱が順に伝わることである。
  4. 熱の移動には、対流の1種類しかない。
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正解:2

対流は、気体や液体そのものが動いて熱を運ぶ現象です。熱の移動は伝導・対流・放射の3つです。

1は誤り。離れた物体に光のように伝わるのは放射です。

3も誤り。物体の中を順に伝わるのは伝導です。

4も誤り。熱の移動は3種類あります。

この分野で出やすい問題と考え方

物理・化学では、言葉が似ていて入れ替えやすいテーマが狙われます。特に「引火点と発火点」「蒸発と沸騰」「窒息と冷却」「蒸気は重いか軽いか」は、逆にした選択肢が定番です。意味をペアで押さえると迷いが減ります。

混同しやすい言葉見るポイント試験での注意
引火点/発火点点火源あり/点火源なし説明を逆にした選択肢に注意
蒸発/沸騰表面から/内部からも常温でも蒸発は起こる
蒸気比重空気より重い(1超)「上にたまる」は誤り
液比重水より軽い(浮く)ものが多い水で消すと広がることがある
燃焼範囲下限値が低いほど危険濃ければ燃えるは誤り
熱量/比熱Q=質量×比熱×温度変化水は比熱が大きい(温まりにくい)

私は、物理・化学を「理科の勉強」ではなく「火災が起こる理由を知る勉強」と考えたら入りやすくなりました。用語だけで覚えるより、火災の場面につなげると正誤を判断しやすくなります。

もう一度確認したい関連知識

問題2・3で迷った人は「乙4の物理・化学でまず押さえること」を、蒸発・沸騰で迷った人は「物質の状態変化」を、比重で迷った人は「比重と密度」を確認すると整理できます。

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