法令は、乙4の3分野のなかでも配点が最大(15問)で、合否を左右する分野です。ただ、日常でなじみのない用語や数字が多く、覚えたつもりでも本番で迷いやすいところでもあります。私自身、法令は一番苦手で、本番でもぎりぎりでした。
この練習問題では、乙4の法令でよく問われるテーマを9問で確認します。正解だけでなく、誤りの選択肢がなぜ違うのかまで整理し、試験で使える判断基準につなげていきます。数字や制度は改正されることがあるため、最終的な確認は受験案内や最新の法令で行ってください。
問題に入る前に、法令の判断基準を確認する
- 危険物とは:消防法別表第一に掲げられた物品(第1類〜第6類)。乙4が扱うのは第4類(引火性液体)。
- 指定数量:規制が変わる「境目」の量。倍数で規制の重さが決まる。
- 施設の区分:製造所・貯蔵所・取扱所の3区分。
- 人の制度:危険物取扱者(甲・乙・丙)、免状、保安講習、保安監督者。
乙4の法令を問題で確認する
問題1:消防法上の危険物について正しいものはどれか
次のうち、消防法上の危険物の説明として正しいものはどれですか。
- 危険物とは、消防法別表第一に掲げる物品をいう。
- 危険物には、常温で気体のものも多く含まれる。
- 危険物は第1類から第4類までの4種類に区分される。
- 危険物かどうかは、取り扱う人が自由に判断してよい。
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正解:1
消防法上の危険物は、消防法別表第一に品名が掲げられた物品を指します。勝手な判断ではなく、法律で定められている点がポイントです。
2は誤りです。消防法の危険物は固体または液体で、常温で気体のもの(プロパンなど)は含まれません。
3も誤りです。危険物は第1類から第6類まで区分されます。乙4が扱うのは第4類です。
4も誤りです。危険物に当たるかは法令で定められており、取扱者が自由に決めるものではありません。
問題2:指定数量の意味として正しいものはどれか
次のうち、指定数量の説明として最も適切なものはどれですか。
- 指定数量とは、危険物を絶対に超えて貯蔵してはいけない上限量である。
- 指定数量とは、規制の適用が変わる基準となる量である。
- 指定数量は、すべての危険物で同じ量に決められている。
- 指定数量は、危険性が高い物品ほど大きい量に設定される。
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正解:2
指定数量は、消防法による規制の適用が変わる「境目」の量です。指定数量以上を扱う施設は消防法の対象になり、未満は市町村条例で規制されます。
1は誤りです。指定数量は「超えてはいけない上限」ではなく、規制の基準です。許可を受けた施設なら指定数量以上でも扱えます。
3も誤りです。指定数量は物品ごとに異なります。ガソリンは200L、灯油・軽油は1,000Lです。
4も誤りです。危険性が高いものほど、少ない量で規制がかかるように小さい指定数量が設定されます。
問題3:第4類危険物の指定数量の組み合わせで正しいものはどれか
次のうち、指定数量の組み合わせとして正しいものはどれですか。
- ガソリン(第1石油類・非水溶性)……200L
- 灯油・軽油(第2石油類・非水溶性)……200L
- ギヤー油(第4石油類)……1,000L
- 特殊引火物……200L
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正解:1
ガソリンは第1石油類の非水溶性液体で、指定数量は200Lです。乙4では最頻出の数字です。
2は誤り。灯油・軽油は第2石油類(非水溶性)で1,000Lです。
3も誤り。第4石油類(ギヤー油等)は6,000Lです。
4も誤り。特殊引火物は50Lで、第4類で最も小さい量です。
覚え方の軸:特殊引火物50 → 第1石油類200 → アルコール類400 → 第2石油類1,000 → 第3石油類2,000 → 第4石油類6,000 → 動植物油類10,000(いずれも非水溶性L)。水溶性は非水溶性の2倍が基本。
問題4:製造所等の区分について正しいものはどれか
次のうち、危険物施設(製造所等)の区分の説明として正しいものはどれですか。
- 製造所等は、製造所・貯蔵所・取扱所の3つに大きく区分される。
- ガソリンスタンドは貯蔵所に区分される。
- 屋内タンク貯蔵所は取扱所の一種である。
- 製造所等の区分は、扱う危険物の類によって決まる。
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正解:1
製造所等は、大きく製造所・貯蔵所・取扱所の3つに区分され、貯蔵所と取扱所はさらに細かく分かれます。
2は誤り。ガソリンスタンド(給油取扱所)は取扱所です。
3も誤り。屋内タンク貯蔵所は貯蔵所の一種です。
4も誤り。区分は類ではなく、貯蔵・取扱いの形態や場所で決まります。
問題5:危険物取扱者の免状について正しいものはどれか
次のうち、危険物取扱者免状の説明として正しいものはどれですか。
- 乙種第4類の免状があれば、すべての類の危険物を取り扱える。
- 免状は、交付を受けた都道府県内でのみ有効である。
- 免状の写真は、一定期間ごとに書換えが必要である。
- 丙種危険物取扱者は、乙種と同じ範囲の危険物を取り扱える。
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正解:3
免状の写真は10年ごとに書換えが必要です。氏名・本籍などの記載事項の変更時も書換えが必要です。
1は誤り。乙種第4類で扱えるのは第4類のみ。すべての類は甲種です。
2も誤り。免状は全国で有効です。
4も誤り。丙種はガソリン・灯油・軽油・重油など決められた物品に限られ、範囲が狭く、原則立会いもできません。
問題6:保安講習について正しいものはどれか
次のうち、危険物取扱者の保安講習の説明として正しいものはどれですか。
- 免状を持っている人は、危険物を扱っていなくても全員が受講しなければならない。
- 危険物の取扱作業に従事している危険物取扱者は、定期的に保安講習を受けなければならない。
- 保安講習は、一度受ければその後は受けなくてよい。
- 保安講習は、甲種の免状を持つ人だけが対象である。
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正解:2
受講義務があるのは危険物の取扱作業に現に従事している危険物取扱者です。従事者は定期的に受講します。
1は誤り。免状があっても取扱作業に従事していなければ義務はありません。
3も誤り。従事している間は繰り返し受講が必要です。
4も誤り。甲・乙・丙を問わず、従事している取扱者が対象です。
※受講の時期・間隔は改正され得るため、最新の受験案内で確認してください。
問題7:危険物保安監督者について正しいものはどれか
次のうち、危険物保安監督者の説明として正しいものはどれですか。
- 危険物保安監督者は、丙種危険物取扱者から選任できる。
- 乙種危険物取扱者が保安監督者になるには、一定期間の実務経験が必要である。
- 保安監督者は、すべての製造所等で選任しなくてよい。
- 保安監督者は、危険物取扱者でなくても選任できる。
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正解:2
乙種が保安監督者になるには、危険物取扱いの実務経験(6か月以上)が必要です。免状取得だけでは選任できません。
1は誤り。丙種は保安監督者になれません(甲種または乙種)。
3も誤り。一定の製造所等では選任が義務です。
4も誤り。保安監督者は危険物取扱者(甲・乙)から選任します。
問題8:予防規程と定期点検について正しいものはどれか
次のうち、予防規程または定期点検の説明として正しいものはどれですか。
- 予防規程は、作成すれば届出や認可は一切必要ない。
- 予防規程は、一定の製造所等で定め、市町村長等の認可を受ける必要がある。
- 定期点検は、実施すれば記録を残す必要はない。
- 定期点検は、すべての製造所等で毎日行わなければならない。
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正解:2
予防規程は一定の製造所等で定め、市町村長等の認可が必要です。従業員はこれを守る必要があります。
1は誤り。認可が必要で「作るだけ」ではありません。
3も誤り。定期点検は点検記録を作成・保存する必要があります。
4も誤り。定期点検は対象施設で原則1年に1回以上で、毎日ではありません。全施設が対象でもありません。
問題9:保安距離・保有空地について正しいものはどれか
次のうち、保安距離または保有空地の説明として正しいものはどれですか。
- 保安距離は、危険物施設と周囲の建築物などとの間に確保する距離である。
- 保有空地とは、危険物施設からいちばん近い住宅までの距離のことである。
- 保安距離と保有空地は、まったく同じ意味で使われる。
- 保有空地には、常に物品を置いておかなければならない。
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正解:1
保安距離は、危険物施設と学校・病院・住宅などの保安対象物との間に確保する距離です。
2は誤り。保有空地は距離ではなく、施設の周囲に確保する空地です。
3も誤り。保安距離(対象物までの距離)と保有空地(周囲の空地)は別概念です。
4も誤り。保有空地は消火活動等のために物を置かず空けておく空間です。
この分野で出やすい問題と考え方
法令では、まず「危険物とは」「指定数量とは」という土台が問われます。そのうえで、施設の区分、人の制度(免状・保安講習・保安監督者)、施設のルール(予防規程・定期点検・保安距離・保有空地)が出ます。似た用語を入れ替えた選択肢が多いので、意味の違いをセットで押さえるのが近道です。
| 混同しやすい言葉 | 見るポイント | 試験での注意 |
|---|---|---|
| 指定数量 | 規制が変わる境目の量 | 「上限量」と考えない |
| 甲種・乙種・丙種 | 扱える範囲の広さ | 乙4は第4類のみ/丙種はさらに限定 |
| 保安講習 | 従事している取扱者が対象 | 免状を持つだけでは義務なし |
| 保安監督者 | 乙種は実務6か月以上で選任可 | 丙種は選任できない |
| 予防規程 | 市町村長等の認可が必要 | 「作るだけ」ではない |
| 保安距離/保有空地 | 対象物までの距離/周囲の空地 | 2つを混同しない |
私が法令で苦戦したのは、数字と用語が似ていて混ざるからでした。逆に言えば、混同しやすいペアを整理しておけば得点は安定します。指定数量などの数字は、まとめて一気に覚えるのが効率的です。


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