こんにちは、マナです。
冬になると、日本酒売り場で白く濁ったお酒を見かけることがあります。「にごり酒」と書かれていることが多いですが、普通の日本酒と何が違うのかまでは、意外とよく分からないかもしれません。
私もこれまでにごり酒はほとんど飲んだことがありませんでした。そんなとき、居酒屋で「今日は2月5日で“にごり酒の日”なんですよ」と勧められて、初めて飲んでみることにしました。
実際に飲んでみると、想像していた以上に濃厚な甘さがありつつ、軽い発泡感もあって、いい意味で印象が変わりました。見た目から受けるイメージとは少し違う面白さがあるお酒だと感じたのを覚えています。
この記事では、にごり酒とはどんな日本酒なのか、なぜ白く濁るのか、どんな味わいなのかを順番に整理していきます。
にごり酒とは?
にごり酒とは、もろみを搾るときに細かな成分をあえて残して仕上げた日本酒です。
白く濁った見た目が特徴ですが、特別な原料を使っているわけではなく、米・米こうじ・水から造られる点は通常の日本酒と変わりません。
違いが出るのは、仕上げの工程です。にごり酒は、最後の段階で少しだけ作り方を変えることで、見た目や味わいに個性が出ています。
なぜ白く濁るの?
日本酒は、発酵が終わったもろみを搾って、液体と酒粕に分けることでできあがります。この搾る工程は「上槽(じょうそう)」と呼ばれます。
通常の日本酒は、この段階でしっかりとこされるため、見た目は透明に近い仕上がりになります。
一方でにごり酒は、ここであえて粗くこすことで、米の粒子や酵母などの細かな成分を少し残します。その結果、白く濁った見た目になります。
さらに、その後のろ過も軽めにすることが多く、こうした工程の違いが、にごり酒らしい見た目やコクにつながっています。
特別な工程が追加されるというよりは、同じ流れの中で「どこまで取り除くか」を調整しているイメージに近いです。
普通の日本酒との違い
にごり酒と普通の日本酒の違いは、最後の仕上げ方にあります。
透明な日本酒は、搾ったあとにしっかりこして整えることで、すっきりした見た目と味わいになります。一方でにごり酒は、あえて成分を少し残すことで、見た目や口当たりにやわらかさが出やすくなります。
そのため、同じ酒蔵でも、にごり酒になると少し印象が変わることがあります。普段はすっきりしたタイプの酒でも、にごり酒になると米の存在感が少し前に出ることがあります。
にごり酒の味わいの特徴
にごり酒の味わいには、次のような傾向があります。
- やわらかい甘みを感じやすい
- 米のコクや旨みが出やすい
- 口当たりが少しまろやか
- しぼりたてのものは軽いガス感があることもある
ただ、にごり酒はすべてが甘いわけではありません。すっきりしたタイプや、発泡感で軽快に飲めるものもあります。
白く濁っている見た目だけで判断せず、甘み・コク・軽さのバランスで見ると、それぞれの違いが分かりやすくなります。
にごり酒にもいくつかのタイプがある
ひとことでにごり酒といっても、濁り方や発泡感には幅があります。
うっすら白いうすにごりは比較的さらっとしていて飲みやすく、しっかり濁ったタイプはコクが強く感じられます。
また、発酵由来のガスが残った活性にごりは、シュワっとした口当たりになることがあります。開栓時に吹き出すこともあるので、扱いには少し注意が必要です。
新酒や初しぼりとの関係
にごり酒は、新酒の時期によく見かけます。
粗くこして仕上げるため、しぼりたてのフレッシュな状態と相性がよく、冬の売り場では新酒のにごり酒が並ぶことも珍しくありません。
また、初しぼりとしてにごり酒が出ることもあります。ただし、にごり酒は仕上げ方、初しぼりはタイミングを表す言葉なので、同じ意味ではありません。
冬のしぼりたてをもう少し広く見ていくなら、新酒の記事や初しぼりの記事もあわせて読むと整理しやすいです。
なぜ冬に多いの?
にごり酒が冬に多いのは、日本酒の仕込み時期と関係があります。
寒い時期に仕込まれた新しいお酒が冬から出回り始め、その中でもフレッシュな状態が合うにごり酒が多く登場します。
白く濁った見た目も含めて、「冬らしい日本酒」として印象に残りやすい存在です。春になると立春朝搾り、秋になるとひやおろしのように、季節ごとに日本酒の表情が変わっていくのも面白いところです。
にごり酒の楽しみ方
にごり酒は、まずは冷やして飲むと特徴がつかみやすいです。
甘みやコクが出やすいので、冷やした方が全体のバランスが見えやすくなります。しぼりたてのタイプなら、軽いガス感も感じやすくなります。
にごり酒を入口にして冬の日本酒を広げていくなら、新酒や初しぼりも飲み比べてみると違いが分かりやすくなります。
まとめ
にごり酒は、もろみを粗くこして、細かな成分を少し残した日本酒です。特別な造りというより、仕上げ方の違いによって見た目や味わいに個性が出ています。
やわらかい甘みやコク、しぼりたてのフレッシュさなど、見た目以上に幅のあるお酒なので、気になったものから試してみると印象が変わるかもしれません。

