こんにちは、マナです。
乙4(危険物取扱者乙種第4類)を調べはじめると、たいてい最初にこの数字にぶつかります。「合格率およそ30%」。これを見て、「3割しか受からないの?けっこう難しい資格なんだ……」と不安になる人、とても多いです。
でも、安心してください。結論から言うと、乙4はその数字ほど難しくありません。わたし自身、独学で一発合格できました(満点には届かず、8割弱でしたが)。この記事では、合格率の数字が「なぜ低く見えるのか」、そして「難しさの正体はどこにあるのか」を、合格者の目線で正直にお話しします。読み終わるころには、必要以上に身構えなくて大丈夫だと分かるはずです。
乙4の合格率は約3割(公式データ)
まずは事実から。試験を実施している消防試験研究センターが公表している、乙4の合格率です。
| 年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 令和7年度(R7.4〜R8.3) | 222,545人 | 71,059人 | 31.9% |
| 令和6年度(R6.4〜R7.3) | 223,846人 | 71,023人 | 31.7% |
ここ数年は、だいたい30〜32%で安定しています。たしかに、数字だけ見れば「3人に1人」。低く感じますよね。
でも、この数字にはカラクリがあります。次でそれを解きほぐします。
なぜ合格率が低く「見える」のか
ポイントは、受験者数が桁違いに多いことです。乙4の受験者は年間22万人超。これは、ほかの危険物試験とくらべて圧倒的な人数です(ほかの乙種は各1万人前後)。
なぜそんなに多いのか。乙4は受験資格がなく、誰でも受けられるうえに、就職・転職で役立つ場面が広いので、毎年ものすごい数の人が受けます。すると、そのなかには——
- とりあえず申し込んだけれど、ほとんど勉強せずに受けた人
- 会社にすすめられて「記念受験」した人
- 範囲を甘く見て、対策が間に合わなかった人
——も、かなりの割合で含まれます。準備不足の人まで全部ふくめた平均が約3割、ということなんです。
裏を返せば、きちんと対策して臨んだ人だけで見れば、合格率はもっとずっと高い。試験会場の空気でもそれは感じました。早く解いて途中退出する人もいれば、ヤマ勘で当てようとする人もいる。みんなが本気で仕上げてきているわけではないんです。だから、やることをやれば、十分に合格圏に入れます。
「他の乙種は6割なのに、なぜ4類だけ3割?」
ここで一つ、面白い比較を。同じ危険物の乙種でも、第4類“以外”の合格率はぐっと高いんです。
| 種類 | 合格率(令和7年度) |
|---|---|
| 乙種1類 | 65.7% |
| 乙種2類 | 66.0% |
| 乙種3類 | 65.1% |
| 乙種4類 | 31.9% |
| 乙種5類 | 62.1% |
| 乙種6類 | 67.6% |
4類だけ、まるで別の試験のように低い。これも理由は同じで、他の類は受験者が少なく(各1万人前後)、その多くがすでに乙4などに合格した“慣れた受験者”だからです。一方、4類は初めて危険物に挑む人が大量に受ける入口。試験そのものの難易度が4類だけ突出して高いわけではない、ということです。
つまり、「合格率31.9%」は難しさの指標というより、受験者層の指標。ここを誤解しないでください。
難しさの「正体」は科目ごとに違う
とはいえ、「じゃあ楽勝なの?」と言われると、それも違います。乙4には乙4の難所があります。そして、その難所は人によって違う——ここが大事なところです。
乙4の試験は3科目。わたしの実感を正直に書きます。
法令(15問)── わたしにとっての最大の難所。
法令は、それまで一度も触れたことのない、まったく未知の世界でした。指定数量、保安距離、免状制度……言葉も理屈も初めてで、ここに一番てこずりました。正直に言うと、理屈で理解できない部分は、ある程度は丸暗記で割り切るしかありません。
物理・化学(10問)── 実はコスパがいい。
苦手意識を持つ人が多い分野ですが、出るポイントが決まっていて、範囲も広くありません。わたしは理科や化学がもともと好きだったこともあり、ここは点を稼げました。ただし——理科から長く離れている人にとっては、逆にここが最大の難所になります。引火点と発火点の違い、燃焼の3要素あたりでつまずきやすいので、苦手な人は早めに手をつけるのがおすすめです。
性質・消火(10問)── 物理化学の応用。イメージで攻略。
第4類の具体的な物質(ガソリン・灯油・アルコールなど)の性質と消火を学びます。物理・化学が分かっていれば、その応用としてイメージがつかめます。コツは、ガソリンスタンドの光景を思い浮かべること。わたしはこれで一気に覚えやすくなりました。
要するに、「化学が得意な人は物理化学で稼いで法令を耐える」「化学が苦手な人は物理化学が山場」。自分がどっちタイプかで、力の入れどころが変わります。
本当の難しさは「各科目60%」というルール
乙4の難易度を語るうえで、見落とせないルールがあります。合格には、3科目それぞれで60%以上が必要だということ。
つまり、法令9/15・物理化学6/10・性質消火6/10を、すべて同時にクリアしないといけません。「得意な物理化学で満点を取って、苦手な法令を補う」という作戦は使えないんです。1科目でも6割を割れば、ほかが満点でも不合格。
ここが、乙4の本当の難しさです。極端な苦手科目を作らないこと。逆に言えば、どの科目もまんべんなく6割を超えればいいだけなので、満点を目指す必要はありません。満点より、全科目で確実に合格点。これが合格者としての正直なアドバイスです。
どれくらい勉強すれば受かる?
気になる勉強量。これも正直に。
わたしは独学で合格しましたが、ブログを書きながらだらだら進めたので、トータルでは1年以上かかってしまいました。でも振り返ると、集中して取り組めば、1日1時間×1か月、あるいは1〜2週間の短期集中でも十分に伸びる試験です。実際、だらだらやった反省として「もっと集中して、薄い参考書を1冊くり返せばよかった」と感じています。
目安として、初学者で40〜60時間ほどを見ておけば、現実的な合格ラインに届きます(得意・不得意で前後します)。だらだら長く続けるより、短期間にぎゅっとやったほうが、知識が「使える形」で定着します。
→ 勉強の順番や時間配分はこちらでくわしく:乙4はどこから勉強するか / 勉強時間はどれくらいか
受験チャンスが多いのも、難易度を下げてくれる
もう一つ、見落とされがちな「やさしさ」があります。乙4は受験できる回数がとても多いんです。
東京(中央試験センター)ではほぼ毎週、大都市圏でも月1回前後、試験が行われています。地方でも年に数回はあります。だから、もし一度ダメでも、すぐに次に挑戦できる。一発勝負で何か月も待つ試験とちがって、心理的なプレッシャーが小さいのは、地味だけど大きな利点です。
→ 試験日程と申し込み方法はこちら:乙4の試験日程と申し込み方法
まとめ:合格率31.9%は、恐れる数字ではない
最後に、要点を整理します。
- 乙4の合格率は約30〜32%(令和7年度は31.9%)。ただし、準備不足の受験者まで含めた平均なので、対策すれば十分に合格できる。
- 他の乙種が60%台なのは、受験者層の違い。4類だけ試験が特別難しいわけではない。
- 難所は人によって違う。化学が得意なら物理化学で稼ぎ、苦手なら物理化学が山場。法令は未知ゆえに暗記込みで対処。
- 本当の壁は各科目60%ルール。満点より、全科目で確実に合格点。
- 短期集中が効く。受験チャンスも多く、再挑戦しやすい。
数字に身構えるより、やるべきことを淡々と。乙4は、正しく対策すれば、ちゃんと手が届く資格です。次は、勉強の進め方を見ていきましょう。
→ 乙4養成所トップに戻る / まず全体像から:乙4とはどんな試験か
それでは、合格に向けて一歩ずつ。


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