画像生成AIを使えば、リアルな人物の画像を簡単に作ることができます。しかし、その画像が実在の人物に似ていた場合、思わぬトラブルにつながることがあります。
この記事では、AI画像と肖像権の関係について、知っておきたいポイントをやさしく整理します。
肖像権とは「自分の顔を守る権利」
肖像権とは、自分の顔や姿を無断で撮影されたり、公開されたりしない権利のことです。日本の法律には「肖像権」という名前の条文はありませんが、判例によって認められている権利です。
簡単に言うと、他人の顔を勝手に使ってはいけないということです。これは写真だけでなく、AIが生成した画像にも当てはまります。
有名人の場合は「パブリシティ権」も関係する
芸能人やスポーツ選手など有名人の場合、肖像権に加えて「パブリシティ権」という権利も関係します。
パブリシティ権とは、有名人の名前や顔が持つ「集客力」や「経済的な価値」を守る権利です。有名人の顔に似た画像をAIで作り、商品の宣伝に使ったりすれば、パブリシティ権の侵害にあたる可能性があります。
AI画像で起こりうるトラブル
実在の人物にそっくりな画像を作ってしまう
画像生成AIは大量の画像データから学習しています。そのため、意図しなくても実在の人物にそっくりな画像が生成されることがあります。その画像を公開すれば、肖像権侵害になりうるのです。
有名人の名前を指定して画像を作る
「○○(有名人の名前)の画像を作って」と指示すれば、多くの画像生成AIはそれに近い画像を作ります。しかし、これはその人物の肖像権やパブリシティ権を侵害する行為になりえます。
不適切な合成画像を作る
実在の人物の顔を使って、その人が実際にはしていない行動をしている画像を作ることは、名誉毀損やプライバシー侵害にあたる場合があります。これはディープフェイクの問題にもつながります。
AI画像を安全に使うための4つのルール
- 実在の人物を指定して画像を生成しない — 有名人の名前やその人を連想させる指示は避ける
- 生成された画像が誰かに似ていないか確認する — 特にリアルな人物画像を使う場合は注意が必要
- AI生成であることを明示する — 人物画像を公開する場合、AIで生成したことがわかるようにしておくと安全
- 商用利用する場合は特に慎重に — ビジネスで使う場合は、法的な確認を行うことをおすすめします
架空の人物画像なら問題ないのか
「完全に架空の人物の画像なら大丈夫では?」と思うかもしれません。確かに、誰にも似ていない架空の人物画像であれば、肖像権の問題は起きにくいです。
ただし、AIが生成する「架空の人物」は、学習データに含まれる実在の人物の特徴を組み合わせて作られています。「完全に誰にも似ていない」と言い切ることは難しいのが現実です。
リスクを減らすためには、イラスト風やアニメ風のスタイルにする、特定の人物を連想させない抽象的な指示にするなどの工夫が有効です。
画像生成AIを使うときの心がまえ
画像生成AIは、クリエイティブな作業を大きく助けてくれる便利なツールです。でも、他人の顔や姿を扱うときには、AIだからこそ余計に慎重になる必要があります。
「もしこの画像に映っている人が実在したら、その人は嫌がらないか?」と考える習慣を持つだけでも、トラブルを避けやすくなります。


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