照明方式(全般・局部・間接)|配光の分類と部屋ごとの組み合わせ

インテリアエレメント

照明方式は、どこを、どのように照らすかを決める考え方です。「全般・局部・タスクアンビエント」という分け方と、器具から出る光の向きで分ける「配光(直接・間接など)」を、別の軸として区別して覚えます。この記事では、2つの分け方と、部屋ごとの組み合わせ方を整理します(確認日:2026年11月1日)。

このテーマのまとめ:照明を整理する

2つの分け方を区別する

「間接照明」「全般照明」など似た言葉が出てくるので、先に、分け方の軸を比べます。

軸何で分けるか例
照明方式照らす範囲と、役割の分け方全般照明、局部照明、タスク・アンビエント照明
配光器具から、上向きと下向きに出る光の割合直接照明形、半直接照明形、全般拡散照明形、半間接照明形、間接照明形

建築と一体にして光源を隠す建築化照明(コーブ照明、コーニス照明など)は、照明を整理するで整理しています。

全般照明・局部照明・タスクアンビエント照明

方式内容特徴
全般照明部屋全体を、均一な明るさで照らす部屋の基本の明るさを担う。天井の照明で、全体をまとめて照らす例が多い
局部照明作業をする範囲や、特定の対象だけを照らす必要な場所に必要な明るさを得やすい。明るい所と暗い所の差が大きくなりやすい
タスク・アンビエント照明作業面(タスク)は必要な明るさを確保し、周辺(アンビエント)は安全・快適に必要な明るさにとどめる作業面と周辺で、役割を分ける設計。必要な場所だけ明るくするので、無駄が少ない

一室多灯(いっしつたとう)

住宅では、1つの照明で部屋全体を照らす「一室一灯」より、複数の照明を組み合わせる一室多灯が勧められています。調理、食事、団らん、くつろぎなど、場面ごとに、照明を切り替えられるようにするためです。全般照明と局部照明を、組み合わせて使う考え方です。

タスク・アンビエント照明は、作業面だけを明るくすると、周辺との明るさの差が大きくなり、目が疲れやすくなる点に注意が必要です。周辺にも、必要な明るさを確保します。

配光:直接・半直接・全般拡散・半間接・間接

配光とは、器具から出る光が、どの方向にどれだけ出ているかを表したものです。屋内用の器具では、上向きの光と下向きの光の割合で、次の5つに分けます。

照明器具から上向きと下向きに出る光の割合を、矢印の太さで示した5つの断面図。直接照明形は下向きの矢印が太く、半直接照明形は下向きが多め、全般拡散照明形は上下が同じくらい、半間接照明形は上向きが多め、間接照明形は上向きの矢印が太い。

※図は、割合を矢印の太さで示した模式図です。

分類上向光束下向光束光のようす
直接照明形0〜10%100〜90%光が下向きに出る。床や作業面を効率よく照らす
半直接照明形10〜40%90〜60%下向きが多く、上向きは少し。周辺にも拡散光が広がる
全般拡散照明形40〜60%60〜40%上下の光が、同じくらい。全方向に光が広がる
半間接照明形60〜90%40〜10%上向きが多く、天井や壁の反射で照らす
間接照明形90〜100%10〜0%ほぼ上向き。光源が直接見えず、柔らかい

上向きの光が多いほど「間接」寄り、下向きの光が多いほど「直接」寄りになります。数値は、国際分類の区分の目安(メーカーの技術資料に載っている値)です。器具の具体例は、教材(ICハンドブック)の記載に合わせて確認してください。

取り違えやすい用語

紛らわしい言葉区別のしかた
配光の「間接照明形」と、建築化照明前者は、器具から出る光の割合(上向き90〜100%)。後者は、器具を天井や壁に組み込んで、光源を隠す手法
全般照明と、全般拡散照明形前者は照明方式(部屋全体を照らす)。後者は配光(上下に同じくらい光が出る)
直接照明形と、局部照明前者は配光(下向きの光が多い)。後者は照明方式(範囲を絞って照らす)

部屋ごとの組み合わせ

住宅では、1つの部屋で、全般照明と局部照明、直接と間接を組み合わせます。次の表は、一般的な考え方の例です。部屋ごとの推奨照度は、住宅の照度基準の一覧で確認できます。

場所考え方組み合わせの例
リビング団らん、テレビ、くつろぎなど、場面が多い。明暗差をつけると変化が出るダウンライトなどの全般照明に、間接照明やスタンドを加える
ダイニング食べ物がおいしく見える明るさと、光の向きが大切テーブルの上にペンダント。明るさが足りないときはダウンライトを足す
キッチン安全と作業性を優先し、手元の影を防ぐ全般照明に、棚下などの手元灯を加える
寝室眩しさを抑え、落ち着いた明るさにする間接照明、調光できる照明。読書や化粧の場所には局部照明
書斎・子ども部屋勉強や読書、パソコン作業に、高い照度が必要全般照明に、手元を照らすスタンドなどの局部照明を併用する
廊下・階段・玄関歩行の安全を最優先にする足元を照らす足元灯、人感センサー。階段は昇り始めと降り始めが見えるようにする

試験での問われ方

照明方式は、名前と内容を結びつける形で知識を使います。

  • 全般照明・局部照明・タスクアンビエント照明の内容を区別する
  • 配光の5分類を、上向き・下向きの光の割合から並べる
  • 部屋の使い方(作業、くつろぎ、移動)に合った、照明の組み合わせを選ぶ

取り違えやすい点は、次のとおりです。

  • 照明方式(範囲の分け方)と、配光(光の向きの分け方)の混同
  • 配光の「間接照明形」と、建築化照明の混同
  • 半直接と半間接の入れ替え(下向きが多い=半直接、上向きが多い=半間接)
  • タスク・アンビエントを、「作業面も周辺も同じ明るさにする方式」と思ってしまうこと(役割を分けて、周辺は必要な明るさにとどめる)

独学では、「方式は範囲、配光は向き」と、軸ごとに覚えると、混同しにくくなります。

次に読む

コメント

タイトルとURLをコピーしました