家具様式の一覧|フランス・英国の脚と背もたれの特徴

仕事と歴史

家具の様式は、脚と背もたれの形に注目すると、見分けやすくなります。猫脚(曲線の脚)は、ルイ15世様式やクイーン・アン様式、直線で先細りの脚は、ルイ16世様式やヘップルホワイト様式です。この記事では、フランスと英国の家具様式を一覧表で整理します(確認日:2026年11月1日)。

このテーマのまとめ:西洋のインテリア様式を整理する

家具様式の一覧表

家具様式を見分ける4つの形を線画で示した図。猫脚は膝から足先へ曲線を描く脚、直線の脚は縦溝のある先細りの脚。背もたれは、盾形と、透かし彫りのある形。

※図は、一般的な特徴を示す模式図です。実在の家具を写したものではありません。

フランスの家具様式

様式時代の目安特徴(脚・装飾)
ルイ14世様式ルイ14世の治世は1643〜1715年。様式の盛期は17世紀後半(バロック)渦巻・マスク・貝殻などの装飾。鍍金(ときん)した木彫や黒檀を使い、椅子の脚や座枠に金を塗った
ルイ15世様式1730年ころから約30年間(ロココ)重い脚から、細く軽やかな曲線の脚へ。曲がった脚(ガブリオル)は、日本では猫脚と呼ぶ。渦巻・貝殻(ロカイユ)・唐草の装飾
ルイ16世様式ルイ16世の治世は1774〜92年。様式の始まりは治世より前とされ、時期は資料により異なる(18世紀後半。新古典主義)直線が主になり、貝殻の装飾は退いた。椅子の脚に、古代建築の柱を模した縦溝を彫った

英国の家具様式

様式・人物時代の目安特徴(脚・背・装飾)
クイーン・アン様式18世紀前半ごろ(資料により異なる)。アン女王の在位は1702〜1714年左右対称で曲線的。細かい彫刻や金色の塗装などの華美な装飾は省く。猫脚(カブリオール脚)が特徴
チッペンデール様式18世紀中ごろ(ジョージ王朝期)。トーマス・チッペンデール(1718〜1779年)。1754年に家具のデザイン書を出版ルイ15世様式(ロココ)を基調に、ゴシックや中国風を取り入れた。マホガニーを使った。背にリボン模様の透かし彫り。脚は猫脚で、足先に球をつかむ爪の形をつけることがある
ヘップルホワイト様式18世紀末(1788年にデザイン書が出版された)椅子の背は盾形・ハート形・楕円形。脚は直線で先細り

英国の家具様式の流れ

英国の様式は、曲線の猫脚から、直線の脚へという流れでつかむと、順番が混ざりにくくなります。

  1. クイーン・アン様式:曲線的で、猫脚が特徴。華美な装飾は省く
  2. チッペンデール様式:ルイ15世様式を基調に、ゴシックや中国風を取り入れた。猫脚で、背に透かし彫り
  3. ヘップルホワイト様式:18世紀末の、直線で先細りの脚と、盾形の背

フランスでは、ルイ15世様式(曲線)のあとに、ルイ16世様式(直線)が現れました。英国でも、猫脚のクイーン・アン様式・チッペンデール様式のあとに、直線の脚のヘップルホワイト様式が現れます。

見分け方

脚と背もたれ、装飾の3か所を見ると、様式を絞り込めます。

見る場所形あてはまる様式
脚S字に曲がる猫脚(カブリオール脚)ルイ15世様式、クイーン・アン様式、チッペンデール様式
脚直線で先細り(縦溝を彫ることもある)ルイ16世様式、ヘップルホワイト様式
背もたれ盾形ヘップルホワイト様式
背もたれリボン模様などの透かし彫りチッペンデール様式
装飾貝殻・曲線・唐草ルイ15世様式(ロココ)
装飾古代風の直線的な装飾ルイ16世様式(新古典主義)

※猫脚は複数の様式にあります。脚だけで様式を決めず、背や装飾、国・時代と組み合わせて考えます。

試験での問われ方

家具様式は、協会の審査基準で、西洋のインテリアの歴史の分野にあたります。次のような形で知識を使います。

  • 様式名と、国・時代・特徴を結びつける
  • 猫脚や直線の脚など、脚の形から様式を答える
  • 様式の時代の順番や、前後の様式との違いを答える

取り違えやすい点は、次のとおりです。

取り違えやすい点整理
ルイ15世様式とルイ16世様式15世は曲線の猫脚(ロココ)、16世は直線で縦溝のある脚(新古典主義)
ルイ14世様式とルイ15世様式14世は豪華で重い(バロック)、15世は細く軽やか(ロココ)
猫脚の様式ルイ15世様式だけでなく、クイーン・アン様式、チッペンデール様式にもある
チッペンデールとヘップルホワイトチッペンデールは透かし彫りの背・猫脚、ヘップルホワイトは盾形の背・直線の脚

独学では、様式名と形を別々に覚えがちです。「国・時代・脚の形」の3点を、表の行ごとにセットで言えるようにしておきましょう。

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