安全・バリアフリーを整理する:寸法・高齢者・家庭内事故

安全・バリアフリーは、バリアフリーの寸法・高齢者の住まい・家庭内事故の3テーマで整理すると、全体像がつかめます。このページでは、3つの要点、覚える順番、確認問題3問をまとめました。迷ったら、このページに戻ってきてくださいね。

分野の入口:インテリア計画でまず押さえること

安全・バリアフリーの3テーマを比べてみよう

まずは、3つのテーマを表で比べます。

テーマ何を整理するか試験での問われ方
バリアフリーの寸法手すり・段差・通路幅・出入口・車いすの回転スペースなどの寸法。基準ごとに数値が違う数値と、どの基準の数値かを結びつける
高齢者の住まい身体機能の変化と配慮、トイレ・浴室・寝室の計画、照明と色、関連する制度変化と配慮の対応、指針の基本・推奨の区別、制度の性質を答える
家庭内事故転倒・転落、溺水、ヒートショックなどの事故と、場所ごとの対策事故の種類と場所・対策の組み合わせを答える

3つは、「どんな寸法にするか」「誰のために配慮するか」「何を防ぐか」という流れでつながっています。

バリアフリー寸法・高齢者の住まい・家庭内事故の要点

バリアフリーの寸法の要点

  • 数値は、どの基準かで値が違う。国土交通省の住宅の指針(高齢者が居住する住宅の設計に係る指針)と、建築設計標準では、数値が別になる
  • 設計標準の車いすの寸法:80cm(通過できる)、90cm(通過しやすい)、120cm(横向きの人とすれ違える)、直径150cm以上の円(360°回転)、140cm角以上(180°回転)
  • 住宅の指針(基本レベル):出入口の幅は750mm以上(浴室は600mm以上)、通路の有効な幅は780mm以上

高齢者の住まいの要点

  • 見え方・動き・温度の感じ方の変化に合わせて、段差・手すり・広さ・明るさ・温度差を整える
  • 指針には、基本レベルと推奨レベルがある。たとえば、特定寝室の広さは、基本が9㎡以上、推奨が12㎡以上
  • 制度の性質を区別する:指針(設計上の配慮事項)、住宅性能表示の高齢者等配慮対策等級(等級1〜5)、バリアフリー法(多数の人が利用する建築物が中心)

家庭内事故の要点

  • 家庭内の不慮の事故死では、溺死・溺水、窒息、転倒・転落が多い。溺死・溺水の多くは浴槽内の事故
  • ヒートショックは、温度差による血圧の急な変動。居室・脱衣室・浴室の温度差を小さくするのが、設計での基本の対策
  • 場所ごとに対策が違う:浴室(温度差・手すり)、階段(手すり・照明)、居室・廊下・玄関(段差・床材)、台所(警報器)、窓・バルコニー(転落防止の手すり)

覚える順番は、この3ステップ

順番テーマこの順番にする理由
1バリアフリーの寸法数値と基準の組み合わせで、はっきりした答えがある。ほかの2テーマの土台になる
2高齢者の住まい寸法の意味(なぜその幅・高さが必要か)が、身体の変化から理解できる
3家庭内事故寸法と配慮の知識を、場所ごとの対策に当てはめて整理する

各テーマの記事への案内

詳しい説明は、テーマごとの記事にまとめています。

テーマ記事ひとこと紹介
バリアフリーの寸法バリアフリーの寸法一覧手すり・段差・通路幅・出入口・車いすの回転スペースを、基準ごとに一覧にしたもの
高齢者の住まい高齢者の住まい身体の変化と配慮、トイレ・浴室・寝室の計画、関連する制度
家庭内事故家庭内事故の防止転倒・溺水・ヒートショックなどの事故と、場所ごとの対策

試験での問われ方のポイント

安全・バリアフリーで、特に取り違えやすいのは次の3つです。

  • どの基準の数値か:住宅の指針の数値と、建築設計標準の数値の入れ替え。「基本レベル」と「推奨レベル」の入れ替え
  • 配慮事項と法定値の混同:指針は設計上の配慮事項で、建築基準法のような一律の最低基準ではない
  • ヒートショックの意味:温度差による血圧の変動。暑さそのものや、熱中症とは別

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確認問題3問

学んだ内容を、3問で確かめてみましょう。答えは折りたたんであります。

問1(バリアフリーの寸法)

建築設計標準で、車いすの人が360°回転するために必要な空間として、正しいものはどれでしょう。

  • ① 140cm角以上
  • ② 直径150cm以上の円
  • ③ 幅80cm
  • ④ 幅120cm
答えと解説

正解:②

正解の理由:車いすの人が360°回転できる寸法は、直径150cm以上の円です。

他の選択肢が違う理由

  • ①:140cm角以上は、車いすが180°回転できる寸法です。回転の角度の入れ替えに注意しましょう。
  • ③:80cmは、車いすで通過できる寸法です。
  • ④:120cmは、人が横向きになれば、車いすの人とすれ違える寸法です。

復習先:バリアフリーの寸法一覧

問2(高齢者の住まい)

国土交通省の「高齢者が居住する住宅の設計に係る指針」で、日常生活空間内の出入口の幅(浴室の出入口を除く)の、基本レベルの数値として、正しいものはどれでしょう。

  • ① 750mm以上
  • ② 800mm以上
  • ③ 600mm以上
  • ④ 780mm以上
答えと解説

正解:①

正解の理由:指針の基本レベルでは、日常生活空間内の出入口の幅は、750mm以上です。

他の選択肢が違う理由

  • ②:800mm以上は、推奨レベルの数値です。基本と推奨の入れ替えは、取り違えやすいところです。
  • ③:600mm以上は、浴室の出入口の幅(基本レベル)です。
  • ④:780mm以上は、通路の有効な幅員(基本レベル)の数値です。出入口の幅とは別の数値です。

復習先:高齢者の住まい、バリアフリーの寸法一覧

問3(家庭内事故)

ヒートショックの説明として、正しいものはどれでしょう。

  • ① 熱い湯に長くつかって、体温が上がりすぎること
  • ② 暑い室内で、体に熱がこもること
  • ③ 暖かい居室と寒い浴室などの温度差で、血圧が急に変動すること
  • ④ 濡れた浴室の床で、滑って転ぶこと
答えと解説

正解:③

正解の理由:ヒートショックは、温度差による、血圧の急な変動です。冬の入浴で、暖かい居室から、寒い脱衣室・浴室へ移るときなどに起こりやすくなります。

他の選択肢が違う理由

  • ①:熱い湯に長くつかることによる体温の上昇は、意識がもうろうとする別の原因として示されています。温度差による血圧の変動とは別です。
  • ②:暑い室内で体に熱がこもるのは、熱中症の説明です。
  • ④:滑って転ぶのは、転倒の事故の説明です。

復習先:家庭内事故の防止

練習問題へ

さらに問題を解きたい方は、7問の練習問題を用意しています。

このテーマの練習問題:安全・バリアフリーの練習問題

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