日本酒検定 3級模擬試験 酒母

このページは、日本酒検定3級「酒母(酛)」分野(全15問)の無料模擬試験です。酒母づくりの種類や役割について、本番と同じ四肢択一形式で確認できます。

「酒母」分野で問われること

酒母(酛)は、優良な酵母を大量に培養するための土台で、日本酒の品質を左右する重要な工程です。出題の中心は、生酛(きもと)・山廃酛・速醸酛という三つの造り方の違いと、それぞれで乳酸がどのように得られるか(自然の乳酸菌によるものか、添加によるものか)です。雑菌を抑えて酵母を健全に育てるという酒母の目的や、生酛系と速醸系で手間や所要日数が異なる点もポイントになります。

勉強のポイント

三つの酒母を「乳酸をどう確保するか」という軸で並べて比較すると、違いが一気に整理できます。生酛・山廃は天然の乳酸菌の力を借り、速醸は醸造用乳酸を添加する、という対比をまず押さえましょう。あわせて、酒母が次の醪(もろみ)づくりにどうつながるかという前後の工程との関係も意識しておくと理解が深まります。

3種類の酒母を1枚の表で見比べる

この分野の出題は、生酛・山廃酛・速醸酛の3つをどう区別するかにほぼ集約されます。先にこの表を頭に入れてから問題に進んでください。

酒母の種類乳酸の入手方法山卸し育成期間
生酛(きもと)自然の乳酸菌あり最も長い
山廃酛(やまはいもと)自然の乳酸菌なし(省略)長い
速醸酛(そくじょうもと)醸造用乳酸を添加なし短い

見分ける軸は乳酸をどう手に入れるかの1点です。自然の乳酸菌に任せるのが生酛系(生酛・山廃酛)、最初から醸造用乳酸を加えるのが速醸酛。生酛と山廃酛の違いは、蒸米をすり潰す「山卸し」をするかしないかだけです。

日本酒検定3級 練習問題

ジャンル:酒母

答え合わせと解説(全15問)

ここから下は答えです。先に問題を解いてから読んでください。

間違えた問題は、正解を覚えるだけで終わらせず、なぜ他の選択肢が違うのかまで確認しておくと、本番で似た問われ方をされたときに迷いません。

Q1 酒母の役割
正解は「醪の発酵を健全に進めるための、優良な酵母を大量に増やすこと」。酒母は酵母の種を育てる工程です。麹を造る製麹とは扱う微生物が違うので、混同しないでください。

Q2 酵母をあらかじめ培養する理由
正解は「酵母以外の雑菌を数で圧倒し、安全に発酵を進めるため」。少数から始めると雑菌に負けます。先に酵母を圧倒的多数にしておくことが、発酵を安全に進める前提になります。

Q3 乳酸を入れる目的
正解は「雑菌の繁殖を防ぎ、酵母が活動しやすい環境を造るため」。乳酸で酸性に傾けると、酸に弱い雑菌が生きられなくなります。酵母は酸性でも平気なので、結果として酵母だけが残ります。

Q4 乳酸と酵母の関係
正解は「乳酸は酵母の増殖を助けるわけではないが、雑菌を抑えることで結果的に酵母が優位になる」。乳酸が酵母の栄養になるわけではない、という点がポイントです。あくまで環境を整える役割です。

Q5 乳酸の役割として誤っているもの
誤っているのは「酒の旨味成分であるアミノ酸を生成する」。アミノ酸は主に麹の酵素が米のタンパク質を分解して生まれます。乳酸の仕事は雑菌を抑えることであって、旨味を造ることではありません。

Q6 速醸酛と生酛の最大の違い
正解は「乳酸の確保方法(添加するか、自然に生成させるか)」。上の表のとおり、ここが3種類を分ける唯一の軸です。

Q7 生酛と山廃酛
正解は「山廃酛は、生酛で行われる山卸しを省略したものである」。山卸しは蒸米をすり潰す重労働でした。省いても酒質は保てるとわかり、「山卸廃止酛」略して山廃と呼ばれます。

Q8 製造期間の長い順
正解は「生酛 → 山廃酛 → 速醸酛」。自然の乳酸菌を待つほど時間がかかります。乳酸を最初から加える速醸酛がいちばん短い、と押さえてください。

Q9 速醸酛が短い理由
正解は「乳酸菌が乳酸を生成するのを待たず、醸造用の乳酸を直接添加するため」。待ち時間そのものをなくしたのが速醸酛です。Q8とセットで理解できます。

Q10 自然の乳酸菌を使う酒母
正解は「生酛と山廃酛」。この2つをまとめて生酛系と呼びます。速醸酛だけが仲間外れ、という整理です。

Q11 酒質の傾向として誤っているもの
誤っているのは「速醸酛は、生酛や山廃酛より常に甘口の酒になる」。「常に」と言い切っている点が誤りです。酒母の種類は味わいの傾向に影響しますが、甘辛を一律に決めるものではありません。

Q12 山卸しを行う製法
正解は「生酛」。山卸しをするのが生酛、省くのが山廃酛。名前の由来そのものが答えになっています。

Q13 酒母に関する記述として誤っているもの
誤っているのは「酒母を造らずに、直接醪を仕込むのが一般的である」。酒母は日本酒造りに欠かせない工程です。「一麹、二酛、三造り」と言われるほど重視されています。

Q14 生酛系が複雑な味わいになる理由
正解は「乳酸菌や様々な微生物が関与し、多様な成分が生成されるため」。自然に任せるぶん、関わる微生物の種類が増えます。それが味の奥行きにつながります。

Q15 力強い純米酒に選ばれる酒母
正解は「山廃酛」。生酛系の複雑さを持ちながら、山卸しを省いて造りやすい。この組み合わせが力強い純米酒によく選ばれる理由です。

酒母は、乳酸をどう手に入れるかという1つの軸で3種類が整理できます。ここさえ押さえれば、問われ方が変わっても対応できる分野です。