収納家具は、形(引き出し・扉・棚)で名前が分かれ、使い勝手は金物(スライドレール・丁番)で決まります。この記事では、収納家具の種類、金物の種類、置き家具と造作家具の違いを整理します(確認日:2026年11月1日)。
このテーマのまとめ:家具を整理する
収納家具の種類
収納家具は、引き出し、扉、棚のどれが中心かで、呼び名が変わります。
| 名称 | 特徴 | 見分けるポイント |
|---|---|---|
| キャビネット | 箱型の収納家具の総称。扉や引き出しの有無などで、多くの種類に分かれる | 箱型。扉や引き出しがある |
| チェスト | 引き出しを縦に何段も重ねた収納家具。日本では衣類をしまう整理だんすを指すことが多い | 引き出しが中心 |
| サイドボード | キャビネットのうち、背の低い(横長の)もの。食器や飾りものを収める | 横に長く、背が低い |
| シェルフ | 棚板が中心の、棚状の収納家具。引き出しや扉が少ない | 棚が中心 |
| ワードローブ | 衣類をしまう、大型の収納家具 | 衣類向け、大型 |
扉・引き出しの形式
収納家具は、扉の形式でも分けて説明されます。
| 形式 | 特徴 |
|---|---|
| オープン(扉なし) | 出し入れがしやすく、飾る収納に向く。ホコリがたまりやすい |
| 観音開き(両開き扉) | 左右に開く。中身を隠せて、見た目がすっきりする |
| 引き戸 | 扉を横にスライドさせる。開閉のスペースが不要 |
| フラップ(跳ね上げ)扉 | 扉を上に跳ね上げて開閉する |
| 引き出し | 小物や細かいものを整理して収納できる |
金物(スライドレール・丁番)
収納家具の扉や引き出しの動きは、金物が支えています。ここでは、引き出しのスライドレールと、扉の丁番(ヒンジ)を整理します。
丁番(ヒンジ)の種類
丁番は、扉の開閉の軸になる金物です。扉の納まり方によって、使い分けます。
| 種類 | 特徴 | 使い分け |
|---|---|---|
| 平丁番 | 同じ形の2枚の羽根が、芯棒でつながった基本形。最も一般的 | 扉や蓋など、幅広く使う |
| スライド丁番 | 取付座金と本体でできている。扉の位置を、前後・左右・上下に調整できる | キャビネットの扉に多い |
| 隠し丁番 | 扉を閉じると、外から見えなくなる | 見た目をすっきり見せたいとき |
| ドロップ丁番 | 下向きに開く扉に使う。開いたとき、扉が90度で止まり、天板と面がそろう | テレビボードなど、下に開く扉 |
| 長丁番(ピアノ丁番) | 扉の全長にわたる細長い丁番 | 折りたたみテーブルや、下に開く扉 |
スライド丁番と隠し丁番は、見る観点が違います。スライド丁番は「扉の位置を調整できる構造」、隠し丁番は「扉を閉じると外から見えない」という特徴で呼び分けています。同じ丁番が、両方にあたる場合もあります(資料により呼び方が異なる)。
スライドレールの種類
スライドレールは、引き出しをなめらかに出し入れする金物です。取り付け位置と、引き出せる長さで分けて説明されます。
| 分け方 | 種類 | 特徴 |
|---|---|---|
| 取り付け位置(資料により呼び方が異なる) | サイドマウント(横付け) | 引き出しの側板に付ける。最も一般的 |
| 取り付け位置(資料により呼び方が異なる) | アンダーマウント(底引き) | 引き出しの底の裏に付ける。側板を広く使えるが、耐荷重を守る必要がある |
| 引き出せる長さ | 全引き(フルスライド) | 全開にしたとき、引き出しをレールの全長ぶん引き出せる。奥まで使える |
| 引き出せる長さ | 途中まで引き出せるタイプ | 全開にしても、引き出しの奥までは出ない。全引きと、引き出せる長さが違う |
| 付加機能 | ソフトクロージング(セルフクロージング) | 引き出しを、静かにゆっくり閉じる |
※段数(2段引き、3段引きなど)が多いほど、引き出しを奥まで引き出せます。
置き家具と造作家具の違い
収納家具は、置き家具(床に置いて移動できる)と造作家具(造り付け家具。壁や床に固定して、建物と一体にする)に分けて考えます。置き家具は既製品から選べて模様替えがしやすく、造作家具は空間に合わせて寸法を調整できる反面、移動や撤去に工事が必要です。両者の比較表は、造作収納にまとめています。
造作家具の種類(クローゼット・壁面収納など)や、扉の種類は、造作収納で整理します。収納の高さや、手の届く範囲の考え方は、ダイニングの寸法と収納の考え方にまとめています。
試験での問われ方
収納家具は、協会の審査基準で、インテリアエレメント(分野5)の「住宅家具」「造作部品」にあたります。このテーマは、次のような形で知識を使います。
- 収納家具の名称と特徴を結びつける(チェスト=引き出し中心、サイドボード=横長で背が低い、など)
- 丁番、スライドレールの種類と特徴を結びつける
- 置き家具と造作家具の違いを、設置・移動・費用の面から区別する
取り違えやすい点は、次のとおりです。
- チェスト(引き出し中心)とシェルフ(棚中心)の入れ替え
- スライド丁番(扉の位置を調整できる)と平丁番(基本形)の入れ替え
- 全引き(奥まで引き出せる)と、途中まで引き出せるタイプの入れ替え
- 置き家具と造作家具の、移動のしやすさの入れ替え
独学では、用語を暗記しがちですが、「何が動くか(引き出しか扉か)」とセットで覚えると、金物の名前を思い出しやすくなります。


コメント