二次試験のプレゼンテーション(課題Ⅰ)は、課題の条件を読み取り、図面と着彩で提案を伝える課題です。この記事では、課題の読み取り方、要求される図面の描き分け、図面のOK例・NG例、着彩の手順を整理します。図と練習課題は、このサイトで作ったオリジナルです(確認日:2026年11月1日)。
二次試験の全体像:インテリアコーディネーター二次試験とは
描く順番と線の使い分けは平面図・立・断面図・パースの描き方、記号の一覧は製図記号の一覧で整理しています。この記事では、それらを課題に合わせて使う考え方を中心に書きます。
協会が示している審査の観点
協会の審査基準は、プレゼンテーションについて、与えられた課題の与条件を理解したうえでインテリア計画を行い、図面作成や着彩によって必要な情報をわかりやすく表現し、伝える能力があることとしています。
2025年度の解説では、解答ごとに次の観点が「ポイント」として示されています。これは採点基準そのものではありません(二次試験の全体像の記事と同じ内容です)。
| 解答 | 解説が示すポイント |
|---|---|
| 平面図 | 与条件の理解、図面による表現、着彩による表現、インテリアの計画 |
| 仕上げ表 | インテリアの計画 |
| インテリアパース | 図面による表現、着彩による表現、インテリアの計画 |
この表から、どの解答でも「インテリアの計画」が意識されていそうで、図面と着彩の「表現」は図面の解答で意識されていそうだと読めます。解答する図面の種類は、年度によって変わります。
課題の読み取り方
問題用紙には、条件がまとまって書かれています。協会の2023年度の問題用紙では、条件が次のような種類に分けて示されていました。
| 条件の種類 | 内容の例(種類のみ) |
|---|---|
| 空間の条件 | 建物の種類と階、既存の間取り(変更しない部分)、造り付けの家具、床の仕上げ、内装制限の有無 |
| 依頼者の要望 | 部屋やスペースごとの、使い方への要望 |
| そのほかの要望 | 照明の配置、植物、窓まわり(ウィンドートリートメント)など |
| 表記の指定 | 照明の表し方、室名の記入、寸法や仕上げの記入、描かなくてよいもの |
年度によって、条件の種類や数は変わります。読み取りの手順は、次のとおりです(サイトの提案)。
- 提出するものを先に確認する。 どの図面を、何枚、どの縮尺で、どこに着彩するか。年度によって着彩の範囲が違います(2022年度は平面図の全体、2023年度は寝室と収納間仕切りのみ)
- 条件に線を引いて、分類する。 「変更できないもの」「依頼者の要望」「表記の指定」に分ける
- 要望を、図面の上の判断に置き換える。 たとえば「集中できる机まわり」なら、机の位置、窓との関係、照明の位置、通路を決める
- 条件の抜けを、見直しの表にする。 各条件に、どこで応えたかを書き込む
練習課題(オリジナル)
読み取りの練習用に、このサイトで作った課題です。協会の過去の課題とは関係ありません。
| 項目 | 条件 |
|---|---|
| 空間 | 洋室、幅4,000×奥行き3,000(天井高2,400)。出入口は南側の西寄り、窓は北側。床はフローリング |
| 置く家具 | ベッド(1,000×2,000)1台、机(1,200×600)と椅子、収納(1,800×450) |
| 依頼者の要望 | 単身で暮らし、在宅で仕事をする時間が長い。机まわりで集中したい。収納は、出入口から離したくない |
| 提出する図面 | 平面図(縮尺1/100)、着彩は床と家具 |
※縮尺は、協会の問題用紙(2022・2023・2025年度)で現況平面図が1/100で示されていることに合わせた練習用の設定です。本番の解答の縮尺は、年度の問題で確認してください。
この課題の読み取りの例は、次のとおりです。
| 条件 | 図面の上の判断(例) |
|---|---|
| 窓は北側 | 机を窓の近くに置き、手元に影が落ちにくい位置を考える |
| 集中したい | 机の背後を人が通らない位置に置く。照明の位置を机の近くに決める |
| 収納は出入口から離したくない | 収納を、出入口に近い南の壁に寄せる。収納の扉の振れ幅と、出入口の戸の振れ幅が重ならないか、通路の幅が残るかを確認する |
| 平面図で着彩は床と家具 | 壁や建具には着彩しない。18色(本)以内の色鉛筆で足りる配色を決める |
要求図面の描き分け
図面ごとに、何を伝える図面かが違います。描く前に、課題が求める図面の役割を確認しておくと、記入の優先順位が決まります(図面の種類は平面図・展開図・矩計図の違いで整理しています)。
| 図面 | 伝えること | 描くときの視点 |
|---|---|---|
| 平面図 | 家具の配置、動線、通路、建具の開き方 | 与条件に応えているかを、上から読み取れるように。名称・寸法・開閉記号を記入する |
| 仕上げ表 | 各部分の仕上げ材料の計画 | 指定された材料を写すだけでなく、具体的な材料名などを書く(協会の2025年度の講評) |
| 立・断面図 | 壁面の構成、高さ方向の寸法 | 指定の断面位置から見えるものを描く |
| 家具の正面図 | 家具の外観と、高さ・幅の寸法 | 内部の引き出し・棚は破線で示し、主要な寸法と仕上げ材を記入する(協会の2022・2023年度の問題用紙で、間仕切り家具・収納間仕切りの正面図が出題されている) |
| インテリアパース | 空間の見え方、素材の質感 | 指定の位置から見えるものを描き、平面図と家具・建具の寸法・個数をそろえる |
どの図面を解答するかは、年度の問題で決まります。過去の年度に出た図面だけを練習するのではなく、5種類の役割を、どれも一度は描いておくと、年度が変わっても対応しやすくなります(サイトの提案)。
図面のOK例・NG例
練習課題の平面図で、同じ内容を、NG例とOK例で描き比べた図です。ここでは平面図の例だけを示します。OK例も、記入項目の一部の例です(室名や照明器具の図示など、年度の問題用紙が求める記入項目は、問題用紙で確認してください)。協会の講評で留意点として示されている点(壁や断面線、開閉記号、名称・寸法、床の目地、家具の描き方)を、例として示しています。個々の描き方は平面図・立・断面図・パースの描き方にまとめています。
NG例
NG例では、次の点で、課題の読み取りと表現が伝わりません。
- 壁の輪郭が弱く、どこまでが壁かがわかりにくい
- 戸や家具の開き方がわからず、通路が確保できているか判断できない
- 家具に名称と寸法がなく、置いた家具が何か、課題の条件を満たしているか確認できない
- 椅子が机に入ったままで、机を使う広さが読み取れない
OK例
OK例では、次の点を押さえています。
- 壁は太線で描き、輪郭をはっきりさせる
- 戸と収納に、開閉記号を描く
- 家具に、名称と寸法を書く
- 床の目地を描き、床の仕上げ材の名称を書く
- 椅子は、机から引き出した状態で描く
※図は、練習課題のためのオリジナルの模式図です。記入の内容や線の太さは、本番の問題用紙の指定に従ってください。
着彩の手順
着彩は、下地の色、質感(柄)、影の順に重ねていきます(協会の講座資料の手順)。
| 手順 | すること | 気をつけること |
|---|---|---|
| 1 下地の色 | 床や家具の面を、一色で塗る | 色は、課題で指定された着彩の範囲だけに塗る |
| 2 質感(柄) | 木目や布目など、素材らしい線を足す | 家具や床の質感がわかるように |
| 3 影 | 家具の脇など、影になる部分を濃く塗る | 影は、平面図の中で、方向をそろえる(サイトの提案) |
着彩で押さえておきたい点は、次のとおりです。
- 着彩の範囲は、年度で違う。 平面図の全体か、一部の部屋と家具のみかは、問題用紙で確認する
- 色鉛筆は、18色(本)以内。 使う色は、練習のうちに、18色(本)以内でそろえておく(二次試験の製図道具)
- 線を描いたあとに塗る。 先に塗ると、線の上に色がつき、図面が汚れやすくなる(サイトの提案)
- 時間を決めて塗る。 着彩に時間をかけ過ぎて、ほかの解答が間に合わなくならないようにする(配分は二次試験180分の時間配分と手順)
練習の進め方
- 練習課題を読み取る。 上の表のように、条件を分類して、図面の上の判断に置き換える
- 下書き用紙で、スケッチする。 家具の概略の寸法、空き寸法、動線を確かめる
- 本番と同じ道具で、描く。 道具は二次試験の製図道具で確認する
- 見直しの表で、確認する。 下の表で、記入もれを探す
- 時間を計って、描き直す。 時間内に収まるかを確認する
| 見直しの項目 | 確認すること |
|---|---|
| 提出物 | 求められた図面が、すべてそろっているか。着彩の範囲は合っているか |
| 条件への応え | 依頼者の要望に、どこで応えたか、言えるか |
| 記入 | 名称、寸法、開閉記号、床の目地に、もれがないか |
| 動線・通路 | 家具を置いて、通れる幅が残っているか |
| 着彩 | 指定の範囲に塗れているか。質感と影が加わっているか |
試験での使い方と取り違えやすい点
- 課題を読む前に、描き始めない。 提出物と条件の分類を先に行う
- 着彩の範囲は、年度で違う。 前の年度と同じと思い込まない
- OK例の形を、そのまま暗記しない。 条件に応じて、家具の種類や配置が変わる
- 記号の意味を、図面ごとに取り違えない。 記号の一覧は製図記号の一覧で確認する
- すべての解答欄を埋める。 1つの図面に時間をかけ過ぎず、ほかの解答欄を残さない
次に読む
- 二次試験のテーマの事前公表:2026年度から公表されるプレゼンテーションのテーマの使い方と、備え方を確認します。
- 平面図・立・断面図・パースの描き方:描く順番と線の使い分けを確認します。
- 製図記号の一覧:建具の記号や、線の種類を確認します。

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