ガラスは、割れたときの安全性と、断熱性の2つの視点で整理すると、種類の違いがつかめます。この記事では、フロート・型板・網入り・強化・合わせ・複層・Low-Eの構造と特徴を比べます(確認日:2026年11月1日)。
このテーマのまとめ:仕上げ材料を整理する
ガラスの種類を比べてみよう
まず、種類ごとの構造と特徴を表で比べます。
| 種類 | 構造 | 特徴 | 使う場所の例 |
|---|---|---|---|
| フロート板ガラス | 溶けたガラスを金属の上に浮かせて、平らにした透明な1枚板 | 最も一般的。ほかの多くのガラスの元(基材)になる | 住宅の窓 |
| 型板ガラス | 製造時に、片面に凹凸の模様をつけた1枚板 | 光を通しながら、視線を遮る | 浴室、洗面所、トイレ |
| 網入り板ガラス | ガラスの内部に、金属のワイヤー(網)を入れたもの | 割れても、破片が飛び散りにくい。防火の目的で使われることがある | 防火地域・準防火地域など、延焼のおそれのある窓 |
| 強化ガラス | フロートガラスを熱処理して、強度を高めたもの | 割れると、細かい粒状になり、大きなけがをしにくい | ドア、手すり、大きな開口 |
| 合わせガラス | 2枚以上のガラスの間に、樹脂の中間膜をはさんで貼り合わせたもの | 割れても、中間膜に破片が付いたままになり、飛散しにくい。防犯・防音にも使える | 道路側の窓、防犯や防音を高めたい窓 |
| 複層ガラス(ペアガラス) | 2枚のガラスの間に、乾燥した空気やガスの層(中空層)を設けたもの | 熱が伝わりにくく、断熱性が高い。結露も出にくい | 居室の窓全般 |
| Low-E複層ガラス | 複層ガラスの、ガラスの中空層側に、特殊な金属膜(Low-E膜)をつけたもの | 断熱性・遮熱性をさらに高める | 断熱や日射の調整をしたい窓 |
断面で見る複層ガラス
※図は、構造の考え方を示す模式図です。
安全の面から見たガラス
ガラスが割れたとき、破片がどうなるかで、安全性の考え方が違います。
| 種類 | 割れたときのようす |
|---|---|
| 強化ガラス | 細かい粒状に割れる。鋭い破片ができにくい |
| 合わせガラス | 中間膜に破片が付いたままになる。穴が開きにくい |
| 網入り板ガラス | ワイヤーで、破片が枠から脱落しにくい。ただし、ガラス自体の割れにくさは普通のガラスとほとんど変わらない |
強化ガラスは、割れにくさではなく、割れたあとの安全性に重点をおいたガラスです。また、強化ガラスは、つくったあとに切断や穴あけができないので、寸法を決めてから注文します。
網入りガラスは、温度差で割れる熱割れが起こることがあります。ワイヤーとガラスの膨張のしかたが違うためとされ、日射がたまりやすい使い方などには注意が必要です。
断熱の面から見たガラス
断熱は、ガラスの層を増やす、金属膜をつける、の2つの方法で高めます。
| 種類 | 断熱を高めるしくみ |
|---|---|
| 複層ガラス | 2枚のガラスの間の中空層で、熱を伝わりにくくする |
| Low-E複層ガラス | 中空層側の金属膜で、熱の出入りを調整する。膜の種類によって、日射を取り入れやすいタイプと、遮るタイプがある |
| 真空ガラス | 2枚のガラスの間を真空にして、熱の伝わりをさらに小さくする |
断熱の効果は、ガラスだけで決まりません。窓枠(サッシ)が熱を伝えやすい材質だと、ガラスだけ替えても、効果が限られることがあります。
断熱や結露の仕組みは、断熱と結露で整理しています。
試験での問われ方
ガラスは、協会の審査基準で、構造・構法と仕上げの分野(分野6)の「仕上げ材と仕上げ」、および環境の分野にかかわるテーマです。このテーマは、次のような形で知識を使います。
- ガラスの種類と、構造・特徴を結びつける
- 強化ガラス・合わせガラス・網入りガラスの、割れたときの違いを答える
- 複層ガラスとLow-E複層ガラスの違いを答える
取り違えやすい点は、次のとおりです。
- 強化ガラス(粒状に割れる)と、合わせガラス(中間膜で飛散を防ぐ)の入れ替え
- 網入りガラス(防火・飛散防止の目的で使われることがある)を、防犯に強いガラスと思い込むこと
- 複層ガラス(中空層で断熱)と、Low-E複層ガラス(中空層側の金属膜でさらに断熱・遮熱)の入れ替え
- 強化ガラスは、割れにくいガラスではなく、割れたあとの安全性を高めたガラスであること
独学では、種類の名前を暗記しがちですが、「割れたとき」と「熱の伝わり方」の2つの視点に分けて覚えると、区別しやすくなります。
次に読む
- 仕上げ材料の練習問題:このテーマの問題で、理解を確認します。
- 断熱と結露:ガラスの断熱が、窓まわりの結露にどうかかわるかを確認します。


コメント