床材は、木質系(フローリング)・畳・シートやタイルの3つに分けて、「使う場所に合うか」で選びます。この記事では、種類の違いと、使う場所ごとの選び方をまとめます(確認日:2026年11月1日)。カーペットは、別の記事で扱います。
このテーマのまとめ:床と壁を整理する
単層フローリングと複合フローリング
フローリングは、日本農林規格(JAS)で、単層フローリングと複合フローリングに分けられています。
| 種類 | 内容 | 特徴 |
|---|---|---|
| 単層フローリング | ひき板(挽いた板)を基材にして、厚さの方向が1層のもの。いわゆる無垢材 | 天然木の質感や温かみがある。反りや傷に注意が必要で、複合より高価なものが多い |
| 複合フローリング | 単層フローリング以外のもの。合板などの基材の表面に、天然木の薄板(突板)や、化粧シートをはったものが多い | 品質が安定し、変形や伸縮が少ない。コストが安く、住宅では主流とされる |
複合フローリングの表面は、突板(天然木を薄くスライスしたもの)か、化粧シート(木目などを印刷したシート)です。突板は天然木の風合いがあり、化粧シートは、価格を抑えやすい傾向があります。
フローリングの選び方
- 床暖房:床暖房を使う場合は、床暖房に対応した製品を選ぶ(対応の有無は、製品ごとに確認する)
- 遮音:集合住宅では、下の階に伝わる音(床衝撃音)への配慮が必要になる。後述
床衝撃音と遮音等級(L値)
床衝撃音は、2種類に分けます。
| 種類 | 音の例 | 記号 |
|---|---|---|
| 軽量床衝撃音 | スリッパの音や、物を落とした音など、軽くて硬い音 | LL |
| 重量床衝撃音 | 子どもが飛び跳ねる音など、重くて鈍い音 | LH |
遮音等級は「LL-45」「LH-50」のように、軽量はLL、重量はLHに数字を添えて示し、数字が小さいほど遮音性能が高いとされます。マンションでは、目安として、軽量床衝撃音でLL-45以下が使われることが多いとされます。ただし、建物ごとの管理規約で、床材の基準が決められている場合があります。
遮音の仕組みと等級の詳しい内容は、音環境・遮音で扱います。
畳の種類とサイズ
畳は、畳床(芯)、畳表(表面)、畳縁(へり)でできています。
| 部分 | 内容 |
|---|---|
| 畳表(たたみおもて) | 表面に張る織物。い草を緯糸に、麻や綿の糸を経糸にして織るのが一般的 |
| 畳床(たたみどこ) | 畳の芯になる部分。弾力やかさを出す |
| 畳縁(たたみべり) | 畳表の端をおさえて、畳床に縫いつける布。ない畳は「縁なし(坊主畳)」ともいう |
畳床の種類
畳床には、次の種類があります。
| 種類 | 内容 | 特徴 |
|---|---|---|
| 稲わら床(わら床) | 稲わらを圧縮して縫い合わせたもの。昔ながらの畳床 | 重いが、湿気を吸ったり吐いたりする力にすぐれる |
| 建材畳床(ボード床) | 木材チップなどから作ったボードを使うもの(インシュレーションボードなど) | 断熱性にすぐれ、近年の気密性の高い住宅に使われることが多い |
| ポリスチレンフォームを使った畳床 | ポリスチレンフォームを、ほかの材料ではさんだもの | 軽くて断熱性にすぐれる。湿気を吸う力は劣るとされる |
畳のサイズ
畳の大きさは、全国で同じではありません。主な規格は、京間(本間・関西間)・中京間(三六間)・江戸間(関東間・田舎間)・団地間(公団間)の4つです。寸法と、柱割・畳割の違いは、モデュールと尺貫法で確認できます。
「畳の枚数が同じなら、広さも同じ」ではない点に注意しましょう。
床タイル・シート
水や汚れに強い床材として、シートやタイルがあります。
| 種類 | 内容 | 特徴 | 使う場所の例 |
|---|---|---|---|
| クッションフロア(CF) | 塩化ビニルの長尺シート状の床材。表面のビニルの裏に、クッション材がある | 耐水性があり、掃除しやすい。安価で、シートなので切って貼りやすい。重い物で凹み、熱に弱い | キッチン、洗面所、トイレなどの水まわり |
| フロアタイル(塩ビタイル) | 塩化ビニルを主成分にした、硬いタイル状の床材 | 傷や凹みに強く、一部だけ張り替えられる。クッション性はなく、硬い。価格は高めの傾向 | 玄関、リビング、廊下、店舗など |
| 床タイル(陶磁器質など) | 焼いて作ったタイル | 耐久性・耐水性が高く、掃除しやすい。硬く、冬は冷たい。割れや、すべりやすさに注意 | 玄関、浴室、キッチン、洗面所など |
床タイルの種類(磁器質・せっ器質など)と、材料としての特性は、石材・タイルで扱います。
使う場所ごとの選び方
| 場所 | 向く床材の例 | 選ぶときの注意 |
|---|---|---|
| リビング・居室 | フローリング、カーペット、畳、フロアタイル | 床暖房を使うか、集合住宅なら遮音の基準を確認する |
| 和室 | 畳 | 畳床の種類と、畳のサイズ(規格)を確認する |
| キッチン・洗面所・トイレ | クッションフロア、フロアタイル、床タイル、耐水性のあるフローリング | 水に強いこと、掃除のしやすさ |
| 玄関 | 床タイル、フロアタイル | 土足で使うため、傷に強く、すべりにくいこと |
| 浴室 | 防滑性のある床タイル | すべりにくさ、防カビ性 |
試験での問われ方
床材は、協会の審査基準で、インテリアエレメント分野(分野5)にかかわるテーマです。このテーマは、次のような形で知識を使います。
- 単層フローリングと複合フローリングを、構成の違いで区別する
- 畳の構成(畳表・畳床・畳縁)と、畳床の種類を答える
- クッションフロア・フロアタイル・床タイルを、特徴と使う場所から区別する
- 軽量床衝撃音(LL)と重量床衝撃音(LH)を、音の例から区別する
取り違えやすい点は、次のとおりです。
- 「単層=無垢、複合=合板などの基材に薄い表面材」の入れ替え
- クッションフロア(軟らかいシート)とフロアタイル(硬いタイル)の入れ替え
- 遮音等級(L値)で、数字が小さいほど性能が高いこと
- 畳のサイズ(規格)が、地域によって違うこと
独学では、用語を暗記しがちですが、「場所に合うか」を軸にして、水まわりならシート、玄関ならタイル、と使う場所とセットで覚えると、区別しやすくなります。
次に読む
- 床と壁の練習問題:このテーマの問題で、理解を確認します。
- 壁紙(クロス)の種類:床材の次は、壁紙の種類と機能を整理します。
- モデュールと尺貫法:畳の寸法と、京間・江戸間などの違いを確認します。


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