環境工学の5つのテーマ(断熱と結露・照度・遮音と吸音・換気・省エネ)から、4択のオリジナル問題を7問用意しました。まず自分で答えを考えてから、「答えと解説」を開いて確認しましょう。間違えた問題は、解説の復習先へ戻ると定着しやすくなります。
このテーマのまとめ:環境工学を整理する
問題の進め方
- 1問ずつ、選択肢を読んで答えを決めてから解説を開く
- 正解でも、「他の選択肢が違う理由」まで読む
- 間違えた問題は、復習先の記事を読み返してからもう一度解く
問1(断熱と結露)
壁の断熱性能が高いことを表す値の向きとして、正しい組み合わせはどれでしょう。
- ① 熱抵抗が小さく、熱貫流率も小さい
- ② 熱抵抗が大きく、熱貫流率が小さい
- ③ 熱抵抗が大きく、熱貫流率も大きい
- ④ 熱抵抗が小さく、熱貫流率が大きい
答えと解説
正解:②
正解の理由:熱抵抗は、厚さを含めた熱の伝わりにくさ(厚さ÷熱伝導率)なので、大きいほど断熱性能が高くなります。熱貫流率は、壁や窓全体で熱が通りやすいかどうかを表すので、小さいほど断熱性が高くなります。2つは、向きが逆の値です。
他の選択肢が違う理由
- ①:熱貫流率が小さいのは合っていますが、熱抵抗が小さいと、熱が伝わりやすい壁になります。
- ③:熱抵抗が大きいのは合っていますが、熱貫流率が大きいと、熱が通りやすい壁になります。
- ④:どちらも、断熱性能が低い向きです。
復習先:断熱と結露
問2(断熱と結露)
壁の中で、室内の湿気が冷やされて起こり、目に見えず気づきにくいうえに、木材が腐る原因にもなる結露は、どれでしょう。
- ① 表面結露
- ② 対流
- ③ 露点温度
- ④ 内部結露(壁体内結露)
答えと解説
正解:④
正解の理由:室内の湿気が壁の中へ入り、冷やされて起こる結露を、内部結露(壁体内結露)といいます。壁の中で起こるので、気づきにくいのが特徴です。
他の選択肢が違う理由
- ①:表面結露は、窓や壁などの、室内側の表面で起こる結露です。水滴が見えるので、気づきやすい結露です。
- ②:対流は、暖められた空気や液体が動いて熱が運ばれる、熱の伝わり方の一つです。結露の種類ではありません。
- ③:露点温度は、空気が水蒸気を保てなくなる温度のことです。結露の種類ではありません。
復習先:断熱と結露
問3(照度)
光る面や反射する面を、見る方向から見たときの明るさを表し、まぶしさ(グレア)に関係する量はどれでしょう。
- ① 輝度(単位:cd/m²)
- ② 照度(単位:lx)
- ③ 光束(単位:lm)
- ④ 光度(単位:cd)
答えと解説
正解:①
正解の理由:輝度は、見る方向から見たときの明るさで、単位はcd/m²です。周囲より輝度が著しく高いものが視野にあると、グレアが起こります。
他の選択肢が違う理由
- ②:照度は、光を受ける面の明るさです。「面がどれだけ照らされているか」を表します。
- ③:光束は、光源が出す光の量です。
- ④:光度は、光の強さを表す量です。
復習先:住宅の照度基準の一覧
問4(照度)
住宅の居間の照明についての説明として、正しいものはどれでしょう。
- ① 照度基準の数値は、法令が義務づけている最低値である
- ② 読書をするときに必要な照度は、部屋全体を照らす全般照明の照度と同じ値である
- ③ 読書のように作業をするときの推奨照度は、部屋全体を照らす全般照明より高く示され、手元を照らす照明で補う考え方につながる
- ④ 団らんをするときの推奨照度は、読書をするときの推奨照度より高い
答えと解説
正解:③
正解の理由:作業をするときの推奨照度は、部屋全体を照らす全般照明の照度より高く示されています。部屋全体の明るさだけでは足りない作業は、手元を照らす照明で補う、という考え方につながります。
他の選択肢が違う理由
- ①:住宅の照度基準の数値は、推奨照度です。法令が義務づけている最低値ではありません。
- ②:読書のような作業の推奨照度は、全般照明の照度より高く示されています。同じ値ではありません。
- ④:団らんの推奨照度は、読書の推奨照度より低く示されています。作業が細かいほど、高い照度が望ましいとされます。
復習先:住宅の照度基準の一覧
問5(遮音と吸音)
吸音材の種類と、得意な音域の組み合わせとして、正しいものはどれでしょう。
- ① 多孔質型:高音域 共鳴器型:低音域
- ② 多孔質型:低音域 共鳴器型:高音域
- ③ 多孔質型:高音域 共鳴器型:高音域
- ④ 多孔質型:低音域 共鳴器型:低音域
答えと解説
正解:①
正解の理由:多孔質型は、繊維や小さな孔の中で空気が摩擦して音を吸う吸音材で、高音域が得意です。共鳴器型は、孔のあいた空洞の中で空気が振動して音を吸う吸音材で、共振する低音域の近くが得意です。
他の選択肢が違う理由
- ②:音域が入れ替わっています。
- ③:共鳴器型は、高音域ではなく、低音域が得意です。
- ④:多孔質型は、低音域が苦手で、高音域が得意です。
吸音材の音域の整理は、資料によって表現が違います。この記事では、多孔質型は高音域、共鳴器型・板(膜)振動型は低音域として整理しています。
復習先:遮音と吸音
問6(空気:換気)
住宅の居室に設ける機械換気設備(24時間換気)で、換気回数が「0.5回/h以上」という意味として、正しいものはどれでしょう。
- ① 1時間に、部屋の空気が2回入れ替わる量
- ② 2時間で、部屋の空気がすべて入れ替わる量
- ③ 0.5回/hは上限で、これを超える換気は認められない
- ④ 1日に、部屋の空気が0.5回入れ替わる量
答えと解説
正解:②
正解の理由:0.5回/hは、1時間に部屋の空気の半分が入れ替わる量、つまり2時間ですべて入れ替わる量です。この値は、「以上」の換気回数として求められています。
他の選択肢が違う理由
- ①:「2回」と「0.5回」を取り違えています。1時間に2回では、入れ替わりが多すぎます。
- ③:0.5回/hは、「以上」と示される下限の値です。上限ではありません。
- ④:単位は「1時間あたり」の回数です。「1日あたり」ではありません。
問7(省エネ)
自然エネルギーの利用のうち、動力を使わずに、建物の工夫で日射や風を生かす「パッシブな利用」の例として、正しいものはどれでしょう。
- ① 屋根に設置した太陽光発電で、電気をつくる
- ② 換気扇を、高効率な機種に取り替える
- ③ 夏の夜に窓を開けて外気を取り入れ、通風で冷房の負担を減らす
- ④ エコキュートで、大気中の熱を利用してお湯をわかす
答えと解説
正解:③
正解の理由:パッシブな利用は、動力を使わずに、建物の工夫で、日射や風を生かすものです。通風、日射熱の利用、昼光の利用が例です。
他の選択肢が違う理由
- ①:太陽光発電は、パネルという装置で太陽のエネルギーを取り込む、アクティブな利用です。
- ②・④:高効率な換気扇や、エコキュートへの取り替えは、省エネの方向では「効率よく使う」にあたります。建物の工夫で日射や風を生かす利用ではありません。
復習先:住宅の省エネと自然エネルギー
次のステップ
- まとめに戻る:環境工学を整理する
- 分野の基本確認:構造・環境・設備の基本確認9問


コメント