住宅の省エネは、使うエネルギーを減らす(断熱・日射・通風)、効率よく使う(高効率の設備)、自然エネルギーでつくるの3つの方向で考えます。この記事では、考え方と主な手法、自然エネルギー、ZEHの概要を整理します(確認日:2026年11月1日)。法規・制度の内容は、別の記事で扱います。
このテーマのまとめ:環境工学を整理する
住宅の省エネの考え方
| 方向 | 内容 | 主な手法 |
|---|---|---|
| 使うエネルギーを減らす(負荷を小さくする) | 冷暖房や照明に必要なエネルギーそのものを小さくする | 断熱、日射の調整、通風、昼光の利用 |
| 効率よく使う | 同じ快適さを、少ないエネルギーで得る | 冷暖房・換気・給湯・照明の、高効率な設備 |
| 自然エネルギーでつくる | 太陽などのエネルギーで、使うエネルギーをまかなう | 太陽光発電、太陽熱利用 |
省エネの主な手法(断熱・日射・通風・昼光)
| 手法 | 考え方 |
|---|---|
| 断熱 | 断熱の水準を高めると、外気と室温の差、暖房する部屋としない部屋の温度差が小さくなり、快適で省エネになる(断熱と結露) |
| 日射遮蔽 | 夏や中間期に、窓から入る日射を抑え、冷房のエネルギーを減らす。庇や遮蔽部材、日射を通しにくいガラスなどで検討する |
| 日射取得 | 冬に、日射の熱を取り入れて、暖房の負担を減らす |
| 通風 | 夏の夜や中間期に、外気を取り入れて、冷房の負担を減らす。建物の形、プラン、窓の開け方で工夫する |
| 昼光利用 | 昼の自然光で、照明を減らす。ただし、夏は日射遮蔽との両立が必要 |
日射は、夏は遮り、冬は取り入れるという、季節で逆の働きが求められます。窓の位置や庇の出で、両立を図ります。
設備の省エネ
設備は、冷暖房・換気・給湯・照明などを、高効率なものにします。給湯器では、次のような種類があります。
| 設備 | 内容 |
|---|---|
| エコキュート | 大気の熱を利用して、お湯をわかす(ヒートポンプ給湯機) |
| エコジョーズ | 排気の熱を回収して、ガスの使用量を減らす(潜熱回収型ガス給湯器) |
| エネファーム | ガスから取り出した水素で発電し、そのときの熱でお湯をつくる(家庭用燃料電池) |
エアコンの省エネ性能は、APF(通年エネルギー消費効率)で表し、値が大きいほど省エネです。製品の省エネ性能は、統一省エネラベルの星の数でも比べられます。
自然エネルギーの利用
自然エネルギーには、装置を使うものと、建物の工夫で取り入れるものがあります。
| 分け方 | 内容 | 例 |
|---|---|---|
| アクティブな利用 | 動力や機器(パネル、ポンプなど)を使って、太陽のエネルギーを取り込む | 太陽光発電など |
| パッシブな利用 | 動力を使わずに、建物の工夫で、日射や風を生かす | 通風、日射熱の利用、昼光の利用 |
- 太陽光発電:屋根などで、太陽の光から電気をつくる。「つくる」エネルギーの代表です。
- 太陽熱利用:太陽の熱で、お湯をわかす。給湯は、住宅のエネルギー消費に占める割合が大きいため、有効な手段とされます。
- パッシブソーラー:日射の熱を集め(集熱)、ためて(蓄熱)、逃がさない(断熱)ことを組み合わせて、暖房の負担を減らす。
自然エネルギーが使えるかどうかは、敷地の条件に大きく左右されます。
ZEHの概要
ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)は、年間の一次エネルギー消費量の収支をゼロにすることを目指した住宅です。次の3つの要素で考えます。
| 要素 | 内容 |
|---|---|
| 断熱 | 壁・床・屋根・窓を高断熱にして、熱の出入りを減らす |
| 省エネ | 空調・換気・給湯・照明などを、高効率な設備にする |
| 創エネ | 太陽光発電などで、エネルギーをつくる |
基準となる省エネルギー基準の住宅より、2割以上の省エネが求められます。ただし、創エネを含めた定義の全体は、国の資料で確認してください。
学習上の注意:協会の審査基準には、「ZEH」という語は書かれていないため、深追いは不要です。省エネの考え方(上の3つの方向)を理解する例として、概要だけを紹介しています。ZEHの区分や定義は、見直されることがあります。最新の内容は、国の資料で確認してください。
法規・制度は別の記事で
省エネに関する法律や制度(基準への適合義務、表示制度など)は、省エネ・環境・リサイクルの法規と制度で整理します。
試験での問われ方
省エネと自然エネルギーは、協会の審査基準で、「環境と設備」の分野(分野7)の、環境工学にあたります。このテーマは、次のような形で知識を使います。
- 省エネの手法(断熱、日射遮蔽、通風、昼光利用)を、目的と結びつける
- 夏と冬で、日射の扱いが逆になることを答える
- 太陽光発電と太陽熱利用の違い、アクティブとパッシブの違いを答える
- 給湯器などの設備の名前と、しくみを結びつける
取り違えやすい点は、次のとおりです。
- 太陽光発電(電気をつくる)と、太陽熱利用(お湯をわかす)の入れ替え
- アクティブ(装置を使う)とパッシブ(建物の工夫)の入れ替え
- 日射を、夏も冬も同じように「遮る」と考える(冬は取り入れる)
- ZEHを試験範囲だと思い込む(審査基準に語がない)
独学では、手法の名前を暗記しがちですが、「減らす・効率よく使う・つくる」の3つに分けて整理すると、どの手法がどの目的かを思い出しやすくなります。


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