パース(透視図)は、消失点の数で、一点・二点・三点透視に分けられます。アイソメ図は、遠近を使わず、3つの軸の間を120°にして描く立体図です。この記事では、それぞれの違いと使い分け、CADとレンダリング(CG)の基本をまとめます(確認日:2026年11月1日)。
このテーマのまとめ:製図・表現技法を整理する
一点・二点・三点透視
パース(透視図)は、遠くのものほど小さく見えることを使って、立体を描く方法です。奥へ向かう平行な線が、一か所に集まって見える点を、消失点といいます。この消失点の数で、種類が分かれます。
※図は、作図の考え方を示す模式図です。
| 種類 | 消失点 | 特徴 | 向いている表現 |
|---|---|---|---|
| 一点透視 | 1つ | 奥行きの線が、水平線上の1点に集まる。正面から見た構図 | 室内など、正面を重視した表現 |
| 二点透視 | 2つ(水平線上) | 建物などを斜めから見た構図。立体感が強まる | 立体感を出したい表現 |
| 三点透視 | 3つ(水平線の上または下に3つ目) | 見上げる(あおり)、見下ろす(俯瞰)の構図。高さが強調される | 大きな対象物や、高さを強調する表現 |
一点透視と二点透視の見分け方
見分け方は、「壁や床の線が、いくつの点に向かって集まるか」です。
- 部屋の奥の壁を正面に見て、奥行きの線が1つの点に集まる → 一点透視
- 部屋の角を、斜めから見て、左右2つの点に向かう → 二点透視
- 二点透視の縦の線は、垂直のままです。縦の線も、上または下の点へ集まるなら、三点透視です
アイソメ図とアクソメ図
アイソメ図(等角投影図)は、立体の3つの軸(縦・横・奥行き)が、互いに120°に見えるように描く図です。消失点がないため、遠近法は使わず、平行な線を引いて作図します。
| 項目 | アイソメ図 | パース(透視図) |
|---|---|---|
| 消失点 | なし | あり |
| 平行な線 | 平行のまま描く | 消失点に集まる |
| 長さ | 各辺を実寸に近い形で描ける | 遠くのものほど小さくなる |
| 強み | 寸法を伝えやすい。納まりや配置がわかりやすい | 実際の見え方に近い。空間の雰囲気が伝わる |
アクソメ(軸測投影)との関係
「アクソメ」は、軸測投影の略として使われます。アイソメ図は、軸測投影の一種(等角図)とされます。ただし、資料によっては、アクソメを「平面図を傾けて、高さを立ち上げた図」の意味で使い、アイソメ図と区別することがあります。
CADとレンダリング(CG)
CAD
CADは、コンピュータで、図面を描いたり設計したりするソフトです。2次元の図面を描く2D CADと、立体(3Dモデル)をつくる3D CADがあります。
レンダリング
レンダリングは、ソフトで作った3Dモデルのデータを演算して、画像にする処理です。建築のレンダリングでは、たとえば、日照や影、反射なども取り入れて、完成後の見え方を示す画像(CG)をつくることがあります。
| 用語 | 何をするか |
|---|---|
| モデリング | 3Dのモデル(形)をつくる |
| レンダリング | モデルのデータを演算して、画像にする |
CADで描いた図面を読み込んで、3DCGをつくるソフトも使われています。
使い分けとプレゼンテーションへの活かし方
| 目的 | 向いている表現 |
|---|---|
| 部屋全体の雰囲気を見せる | パース(一点透視・二点透視) |
| 寸法や配置を正確に伝える | 平面図、展開図、アイソメ図 |
| 高さを強調する、大きな建物を見せる | 三点透視 |
| 完成後の見え方(質感・光)を事前に示す | レンダリング(CG) |
二次試験のプレゼンテーションでは、図面とあわせて、インテリアパースを描く年度があります。協会の2025年度の解説では、指定された断面位置から見えるものを表現し、平面図との整合性や、素材感・色の表現が、解答のポイントに挙げられています。どの表現が求められるかは、受験する年度の問題用紙で確認してください。
試験での問われ方
パース・アイソメ・CADは、次のような形で知識を使います。
- 一点・二点・三点透視を、消失点の数で区別する
- パースとアイソメ図の違い(遠近を使うか、使わないか)を答える
- レンダリングが「画像にする処理」であることと、モデリングとの区別を答える
取り違えやすい点は、次のとおりです。
- 一点透視と二点透視の入れ替え(消失点の数で区別する)
- 三点透視の3つ目の消失点は、水平線の上下にあること
- アイソメ図は、遠近法を使わないこと(遠くのものも小さくならない)
- 「モデリング」と「レンダリング」の入れ替え(形をつくる/画像にする)
独学では、用語を暗記しがちですが、「消失点はいくつか」「遠近を使うか」の2つで分けて覚えると、思い出しやすくなります。
次に読む
- 製図・表現技法の練習問題:このテーマの問題で、理解を確認します。
- 平面図・立・断面図・パースの描き方:二次試験で描く図面(平面図・立・断面図・パース)の手順を学びます。


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