特商法とクーリング・オフ|訪問販売8日間・消費者契約法との違い

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クーリング・オフは、特定商取引法(特商法)の制度で、訪問販売などの契約を、一定の期間内なら、理由なしに解除できる制度です。通知は書面のほか、2022年6月1日から電磁的記録(電子メールなど)でもできます。訪問販売の期間は8日間です(確認日:2026年11月1日)。この記事では、特商法のクーリング・オフと、消費者契約法の取消しとの違い、リフォーム契約での注意を整理します。

このテーマのまとめ:その他の法規・規格を整理する

訪問販売とクーリング・オフ

クーリング・オフの期間

特商法のクーリング・オフは、取引の種類ごとに、期間と条文が決まっています。次の表は主なものです。

取引の種類期間条文
訪問販売(キャッチセールスなどを含む)8日間特商法 第9条
電話勧誘販売8日間特商法 第24条
特定継続的役務提供(エステティック、語学教室、学習塾など)8日間特商法 第48条
訪問購入8日間特商法 第58条の14
連鎖販売取引(いわゆるマルチ商法)20日間特商法 第40条
業務提供誘引販売取引20日間特商法 第58条

※期間の性質:法律で定められた期間(法定の期間)です。

起算日と通知の方法

  • 起算日:申込書面または契約書面のいずれか早いほうを受け取った日から数える(国民生活センター)
  • 書面を受け取っていない場合や、必要な記載がない場合は、期間が始まらない
  • 事業者の請求:クーリング・オフをした場合、事業者は、損害賠償や違約金を請求できません(特商法第9条第3項)
  • 通知の方法:書面(はがき可)のほか、2022年6月1日から電磁的記録(電子メール、事業者のウェブサイトの専用フォーム、FAXなど)でもできる
  • 通知は、期間内に発信すればよい。期間後に届いてもよい

令和3年の特商法改正(書面の電子化)

  • 2022年6月1日:クーリング・オフの通知が、書面に加えて電磁的記録でもできるようになった
  • 2023年6月1日:契約書面等を、電磁的方法で交付できるようになった。ただし、消費者の承諾が必要で、電磁的方法で交付されたときは、消費者に到達した時から数える(経済産業省近畿経済産業局の資料)

事業者がうそを言ったり、おどしたりして、期間内に解除できなかったときは、あらためて、解除できる旨の書面を受け取った日から、8日間数えます。

クーリング・オフの対象にならない取引

訪問販売の例外として、目黒区の案内ページは、次のような取引を挙げています。

  • 店舗に、自分から出向いて契約した場合
  • 通信販売
  • 事業のための契約
  • 3,000円未満の現金払い(その場で全額払う場合)
  • 自分から、自宅での契約・申込みを請求した場合の訪問販売(特商法第26条第6項第1号。クーリング・オフの規定(第4〜10条)が適用されない)

消費者契約法との違い

消費者契約法は、事業者と消費者の間の契約全般に使える法律です。クーリング・オフとは、仕組みが違います。

特商法のクーリング・オフ消費者契約法の取消し
対象訪問販売など、特商法で決まった取引消費者契約全般
解除・取消しの理由理由はいらない事業者の不実告知や、不安をあおる告知などで、誤認・困惑して契約したこと(第4条)
期間訪問販売は8日間など追認できる時から1年間、契約の時から5年(第7条第1項)

消費者契約法の取消しの理由は、不実告知、断定的判断の提供、不利益な事実を告げないこと(誤認)や、不退去、退去の妨害、不安をあおる告知(困惑)などです。霊感などを使った告知のときは、期間が、追認できる時から3年、契約の時から10年になります。

リフォーム契約での注意

リフォームの契約には、訪問販売で結ばれるものがあります。業者が訪問して勧誘した契約は、クーリング・オフの対象になり得ます。ただし、自分から自宅での契約・申込みを請求した場合は、訪問販売でもクーリング・オフが適用されません(特商法第26条第6項第1号)。どちらにあたるか迷ったときは、消費生活センターに相談します。

  • 申込書面または契約書面のいずれか早いほうを受け取った日から8日間は、解除できる(訪問販売の場合)
  • 「点検に来た」と不安をあおる、長時間居座るなどの勧誘には注意する
  • 工事の追加や変更は、書面に残す
  • 迷ったら、消費生活センターなど、公的な窓口に相談する

契約の進め方は、リフォームの進め方で整理しています。

試験での問われ方

特商法・消費者契約法は、協会の審査基準で、法規の分野(関連法規・規格・制度)にあたります。このテーマは、次のような形で知識を使います。

  • クーリング・オフの期間(訪問販売8日間、連鎖販売取引20日間)を答える
  • 起算日(申込書面または契約書面のいずれか早いほうを受け取った日)と、通知の方法(書面・電磁的記録)を答える
  • クーリング・オフと、消費者契約法の取消しを区別する

取り違えやすい点は、次のとおりです。

  • 8日(訪問販売・電話勧誘販売)と20日(連鎖販売取引・業務提供誘引販売取引)の入れ替え
  • クーリング・オフは理由がいらない。消費者契約法の取消しは、誤認・困惑という理由が必要
  • 訪問販売でも、自分から自宅での契約・申込みを請求した場合は、クーリング・オフの規定が適用されない
  • 起算日は「契約した日」ではなく、申込書面または契約書面のいずれか早いほうを受け取った日

独学では、「特商法=取引の種類で期間が決まる」「消費者契約法=誤認・困惑で取り消す」と、仕組みで整理すると、区別しやすくなります。

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