乳化のしくみ|O/W型とW/O型の違い

化粧品の中身(1級)

乳化は、水と油の一方を、細かい粒にして、もう一方の中に散らすことです。油の粒が水の中に散るのがO/W型、水の粒が油の中に散るのがW/O型で、どちらが外側(連続している側)かで区別します。(確認日:2026年11月3日)

このテーマのまとめ:化粧品の原料まとめ|水性・油性・界面活性剤

「O/W」「W/O」は、外側(連続している側)が水か油かを表す記号です。まず記号の意味を押さえます。

乳化とは

水と油は、そのままでは混ざりません。そこに界面活性剤を加えて混ぜると、一方が細かい粒(液滴)になって、もう一方の中に散らばります。この状態をエマルションといいます。要するに「水と油がなじんだ状態」です。

エマルションは熱力学的には不安定な状態なので、時間がたつと分離しようとします。長く安定させるために、乳化剤の選び方や、増粘剤による粘度の調整が大切になります(高分子・増粘剤)。

乳化に似た言葉が、あと2つあります。

言葉状態見た目
乳化水と油の一方を、粒にして他方に散らす白く濁る
可溶化ミセルの中に油を取り込んで、水に溶けたようにする透明
分散粉体(顔料など)を、液の中に散らす粉の色や濁りがある

O/W型とW/O型(表:見分け方・製品例)

左にO/W型、右にW/O型を並べた模式図。O/W型は、水(外側)の中に油の粒(黄色の円)が散らばっている。W/O型は、油(外側)の中に水の粒(青色の円)が散らばっている。それぞれ、連続している外側の相に印を付けて示している。
O/W型(水中油型)W/O型(油中水型)
構造水の中に、油の粒が散っている油の中に、水の粒が散っている
外側(連続相)水油
感触みずみずしく、軽い、べたつきにくいこっくりして、油分を感じやすい
水を加えたとき水となじみ、広がりやすい水を加えても混ざりにくい
使われる製品の例乳液、多くのクリームなどの保湿用スキンケアウォータープルーフタイプの日焼け止めの一部、油分の多いクリーム、メイクアップ製品の一部

製品の見た目や感触だけでは、完全には判断できません。水と混ぜたときのふるまいなど、試験的な方法を組み合わせて判断します。

また、さらに複雑な多相エマルション(W/O/W型、O/W/O型)もあります。W/O/W型は、水の粒を含んだ油の粒が、さらに水の中に散っている構造です。

HLB(乳化剤を選ぶ目安)

HLBは、界面活性剤が水と油のどちらになじみやすいかを0〜20の数値で表した目安です。

  • HLBが低いほど、油になじみやすい(親油性が強い)
  • HLBが高いほど、水になじみやすい(親水性が強い)
  • 一般に、W/O型には低いHLB、O/W型には高いHLBの乳化剤が向く

ただし、HLBだけで型が決まるとは限りません。乳化剤が水を吸って性質が変わったり、温度の変化で型が入れかわったり(転相)することがあります。

試験での問われ方(取り違えやすい点)

混同しやすいので、次のポイントを押さえておきましょう。

  • 記号の読み方:O/Wは「Oil in Water」で、水の中に油の粒です。W/Oは「Water in Oil」で、油の中に水の粒です。
  • 外側はどちらか:O/Wの外側は水、W/Oの外側は油です。
  • 感触:O/Wは軽くみずみずしい、W/Oは油分を感じる傾向です。
  • 乳化と可溶化:乳化は白濁、可溶化は透明です。
  • HLBの向き:低いほど油になじむ、高いほど水になじむ。

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