毛髪は、主成分がたんぱく質のケラチンで、外側からキューティクル・コルテックス・メデュラの3層でできています。髪の大部分を占めるのはコルテックスで、形や強さは「4つの結合」が支えています。髪には「成長期→退行期→休止期」の毛周期があり、ダメージはキューティクルの損傷から進みます。(確認日:2026年11月3日)
このテーマのまとめ:ヘアケア・ネイル化粧品まとめ|毛と爪の構造から
シャンプーやカラー、パーマを学ぶ前に、髪そのものの構造を押さえておくと、後の内容がつながって見えてきます。まず図で全体像を確認しましょう。
毛髪と頭皮の構造(表)
毛髪の主成分はケラチンというたんぱく質で、髪の約8割がたんぱく質です。外側から3層に分けて覚えます。
| 層 | 位置 | 特徴・役割 |
|---|---|---|
| キューティクル(毛小皮・毛表皮) | いちばん外側 | うろこ状の細胞が何枚も重なり、内部を守る。髪のつややくし通りに関わる |
| コルテックス(毛皮質) | 中間 | 毛髪の約8〜9割を占める。ケラチンの繊維が詰まり、髪の強さや弾力のもとになる |
| メデュラ(毛髄質) | 中心 | 空洞のある部分。ヒトの髪ではその割合は少ない |
頭皮は、皮膚と同じ表皮・真皮・皮下組織の3層でできています。毛包(毛の根元の袋)の底にある毛乳頭から栄養を受け、毛母細胞が分裂して髪をつくります。頭皮は毛が多く、皮脂腺も多い部位です(身体の皮膚の特徴も参照)。
毛髪の4つの結合
ケラチンは、アミノ酸が鎖のようにつながった構造です。その鎖どうしを結びつける結合が、髪の形や強さを決めています。
| 結合 | 特徴 | 切れる条件・関連する処理 |
|---|---|---|
| 水素結合 | 比較的弱い。水や熱で一時的に切れ、乾くと新しい位置で再び結ばれる | ぬれた髪を乾かしてクセを整える(ブローなど) |
| イオン結合(塩結合) | 比較的弱い | 髪のpHの変化などで影響を受ける |
| シスチン結合(S-S結合) | 強い共有結合。水の影響を受けない | 還元剤で切れ、酸化剤で再び結ばれる(パーマ) |
| ペプチド結合 | アミノ酸どうしを鎖状につなぐ結合。髪の骨格になる | 日常のケアでは切れない |
シスチン結合が、パーマで「切って、形を整えて、再びつなぐ」ことができる理由です。反応の流れは、パーマのしくみで扱います。
毛周期
髪は、1本ずつ「生える→伸びる→抜ける」を繰り返しています。この周期が毛周期(ヘアサイクル)です。
| 時期 | 期間の目安 | 状態 |
|---|---|---|
| 成長期 | 約2〜6年 | 毛母細胞が活発に分裂し、髪が伸びる。頭髪の約85〜90%がこの時期 |
| 退行期 | 約2〜3週間 | 毛母細胞の分裂が止まり、毛根が縮む |
| 休止期 | 約3〜4か月 | 成長が止まった状態。やがて新しい毛が生え、古い毛が押し出される |
- 毛周期は、毛穴ごとにタイミングが違います。そのため、一度に大量の髪が抜けるわけではありません
- 1日に50〜100本ほどの髪が自然に抜けるとされます
- 髪は1か月に約1cm伸びるといわれます(個人差があります)
抜け毛が急に増えたり、髪が細くなったりして気になるときは、医療機関に相談してください。
髪のダメージのしくみ
髪の最も外側にあるキューティクルが、ダメージを最初に受けます。キューティクルがはがれたり、めくれ上がったりすると、つやが失われ、くし通りが悪くなります。
ダメージの主な原因は、次のとおりです。
- 物理的な刺激:ブラッシングやタオルの摩擦、ぬれた髪の放置
- 熱:ドライヤーやヘアアイロン
- 紫外線
- 化学的な処理:ヘアカラー、パーマなど
- 洗浄力が強すぎるシャンプー
髪は、弱酸性(pH4.5〜5.5付近)で安定しています。アルカリ性に傾くとキューティクルが開きやすくなり、きしみの原因になります。そのため、シャンプー後に弱酸性のコンディショナーなどで整えます。製品の種類と成分はヘアケア化粧品で、ヘアカラーのしくみはヘアカラーリング製品で確認できます。
試験での問われ方(取り違えやすい点)
混同しやすいので、次の違いを覚えておきましょう。
- 3層の順番:外側からキューティクル→コルテックス→メデュラです。髪の大部分を占めるのはコルテックスです
- 主成分:ケラチン(たんぱく質)です
- 結合の名前と条件:水素結合は水や熱、シスチン結合は還元剤と酸化剤が関わります
- 毛周期の順番と期間:成長期→退行期→休止期。最も長いのは成長期です。頭髪の約85〜90%が成長期にあります
- ダメージの入口:最初に傷むのはキューティクルです

