インテリアの学習で押さえる建築基準法は、居室(採光・換気・天井高)・階段・シックハウス規制・内装制限の4テーマで整理すると、全体像がつかめます。このページでは、4つの要点、覚える順番、確認問題3問をまとめました(確認日:2026年11月1日)。迷ったら、このページに戻ってきてくださいね。
分野の入口:製図・表現と法規でまず押さえること
建築基準法の4テーマを比べてみよう
まずは、4つのテーマを表で比べます。
| テーマ | 何を整理するか | 試験での問われ方 |
|---|---|---|
| 居室の採光・換気・天井高 | 居室とは何か、採光・換気に必要な開口部の割合、天井の高さ | 数値と条項を結びつけ、採光と換気の入れ替えに注意して答える |
| 階段の規定 | 住宅の階段の蹴上げ・踏面・幅、踊場、手すり、用途による違い | 「以下」「以上」の向きと、住宅とその他の数値の違いを答える |
| シックハウス規制 | クロルピリホス、ホルムアルデヒド、F☆☆☆☆、換気設備 | 禁止と制限の区別、F☆の星の数と発散量の関係を答える |
| 内装制限 | 火気使用室の壁・天井、不燃・準不燃・難燃の区分 | 燃えにくい順と、加熱時間の数値、使える材料の区分を答える |
建築基準法の数値は、どの条文の、何の数値かをセットで覚えます。また、法令の数値は最低値や上限値で、使いやすさの目安(P2の記事で説明)とは区別します。
4テーマの要点
居室の採光・換気・天井高
- 居室は、「居住、執務、作業、集会、娯楽その他これらに類する目的のために継続的に使用する室」(法第2条第4号。玄関・廊下・浴室・収納などは含まない)
- 採光に有効な開口部は、住宅の居室で床面積の1/7以上(法第28条第1項、割合は施行令第19条第3項)。一定の措置で1/10まで緩和できる(令和5年4月施行)
- 換気に有効な開口部は、床面積の1/20以上(法第28条第2項)
- 天井の高さは2.1m以上。一室で高さが違うときは平均の高さ(施行令第21条第1項・第2項)
階段の規定
- 住宅の階段は、蹴上げ23cm以下、踏面15cm以上、幅75cm以上(施行令第23条)。その他の階段は、蹴上げ22cm以下、踏面21cm以上
- 踊場は、住宅など一般の階段で高さ4m以内ごと(施行令第24条)
- 階段には手すりを設け、手すりのない側には側壁などを設ける(施行令第25条第1項・第2項)
シックハウス規制
- クロルピリホスは使用禁止、ホルムアルデヒドは発散の程度で使用を制限(法第28条の2、施行令第20条の5〜第20条の9)
- F☆☆☆☆は、制限なしに使える。星の数が多いほど、発散が少ない
- 居室を有する建築物には、原則として機械換気設備が必要。換気回数は、住宅などの居室で0.5回/h以上、その他の居室で0.3回/h以上
内装制限
- 住宅では、火気使用室の壁・天井が対象になる(法第35条の2、施行令第128条の4第4項)。対象は、階数が2以上の住宅(特定主要構造部を耐火構造としたものを除く)の最上階以外の階の調理室などです。仕上げは準不燃材料でするのが基本です(大臣が定める組合せも認められます。詳しくは内装制限の記事)
- 防火材料は、燃えにくい順に不燃(加熱20分)→準不燃(10分)→難燃(5分)
近年の改正について
居室の採光規定は、令和4年の法改正(令和4年法律第69号)で見直され、令和5年(2023年)4月1日に施行されました。この法律は、令和7年(2025年)4月1日に全面施行されました。このページの確認日時点で、4テーマの基準の変更は確認していません。改正の内容は、受験する年度の公式教材と、最新の条文(e-Gov法令検索)や国土交通省の公式ページで必ず確認してください。
覚える順番はこの4ステップ
独学では、次の順番で進めると迷いにくくなります。
| 順番 | テーマ | この順番にする理由 |
|---|---|---|
| 1 | 居室の採光・換気・天井高 | 「居室」の意味を最初に押さえると、ほかの規定の対象がわかる。数値も少ない |
| 2 | 階段の規定 | 数値が多いが、「蹴上げは低く、踏面は広く」のイメージで覚えられる |
| 3 | シックハウス規制 | F☆の等級と、禁止・制限の区別を、表で整理する |
| 4 | 内装制限 | 防火材料の区分(不燃・準不燃・難燃)と、住宅の火気使用室を結びつける |
各テーマの記事への案内
詳しい説明は、テーマごとの記事にまとめています。
| テーマ | 記事 | ひとこと紹介 |
|---|---|---|
| 居室 | 居室の採光・換気・天井高 | 採光1/7、換気1/20、天井高2.1mと、条項・数値の性質 |
| 階段 | 階段の規定 | 住宅の階段の数値、踊場、手すり、用途による違い |
| シックハウス | シックハウス規制 | クロルピリホス、ホルムアルデヒド、F☆☆☆☆、換気設備 |
| 内装制限 | 内装制限 | 火気使用室、不燃・準不燃・難燃と加熱時間 |
試験での問われ方のポイント
建築基準法で、特に取り違えやすいのは次の3つです。
- 数値の入れ替え:採光(1/7)と換気(1/20)、住宅(23・15)とその他の階段(22・21)、不燃(20分)と準不燃(10分)
- 不等号の向き:階段の蹴上げは「以下」、踏面と幅は「以上」
- 禁止と制限の区別:クロルピリホスは禁止、ホルムアルデヒドは使用面積の制限
次に読む
- 居室の採光・換気・天井高:まず、「居室」の意味と、採光・換気・天井高の数値から始めましょう。
- 法規の数値まとめ:建築基準法まわりの数値を、条項・性質つきの一覧で確認します。
確認問題3問
学んだ内容を、3問で確かめてみましょう。答えは折りたたんであります。
問1(居室)
住宅の居室について、建築基準法で定められた、採光に有効な開口部の割合と、換気に有効な開口部の割合の組み合わせとして、正しいものはどれでしょう。
- ① 採光は床面積の1/7以上、換気は床面積の1/20以上
- ② 採光は床面積の1/20以上、換気は床面積の1/7以上
- ③ 採光は床面積の1/10以上、換気は床面積の1/20以上
- ④ 採光は床面積の1/7以上、換気は床面積の1/10以上
答えと解説
正解:①
正解の理由:住宅の居室は、採光が床面積の1/7以上(法第28条第1項、割合は施行令第19条第3項)、換気が床面積の1/20以上(法第28条第2項)です。採光のほうが、大きい割合を求められます。
他の選択肢が違う理由
- ②:採光と換気の数値が入れ替わっています。取り違えやすいところです。
- ③:1/10は、一定の措置をとった場合に採光を緩和できる限度の数値で、原則の数値ではありません。
- ④:換気の割合は1/20です。1/10ではありません。
復習先:居室の採光・換気・天井高
問2(シックハウス)
建築基準法のシックハウス規制の説明として、正しいものはどれでしょう。
- ① クロルピリホスは使用面積が制限され、ホルムアルデヒドは使用が禁止されている
- ② F☆☆☆☆の建築材料は、使用面積が制限される
- ③ クロルピリホスを添加した建築材料は使用が禁止され、ホルムアルデヒドを発散する建築材料は発散の程度に応じて使用が制限される
- ④ 内装にF☆☆☆☆の材料だけを使えば、換気設備の設置は不要である
答えと解説
正解:③
正解の理由:クロルピリホスを添加した建築材料は、居室を有する建築物で使用が禁止されます。ホルムアルデヒドを発散する建築材料は、発散の程度に応じて、使用面積が制限されたり、使用が禁止されたりします。
他の選択肢が違う理由
- ①:禁止と制限が入れ替わっています。禁止はクロルピリホス、制限はホルムアルデヒドです。
- ②:F☆☆☆☆は、制限なしに使える等級です。使用面積が制限されるのは、F☆☆☆とF☆☆です。
- ④:家具などからもホルムアルデヒドが発散するため、F☆☆☆☆の材料だけを使っても、換気設備は原則として必要です。
復習先:シックハウス規制
問3(内装制限)
内装制限を受ける住宅の火気使用室で、壁・天井の仕上げに使える材料の区分として、正しいものはどれでしょう。
- ① 難燃材料以上
- ② 準不燃材料以上
- ③ 不燃材料のみ
- ④ 材料の区分に制限はない
答えと解説
正解:②
正解の理由:内装制限を受ける火気使用室の壁・天井は、準不燃材料以上(準不燃材料または不燃材料)で仕上げます。難燃材料だけでは足りません。
他の選択肢が違う理由
- ①:難燃材料は、3つの防火材料のうち最も性能が低く、火気使用室の仕上げとしては足りません。
- ③:不燃材料に限られるわけではありません。準不燃材料も使えます。
- ④:内装制限の対象の部屋では、材料の区分が決まっています。
復習先:内装制限
練習問題へ
さらに問題を解きたい方は、練習問題で確かめましょう。
このテーマの練習問題:建築基準法の練習問題