住宅の階段の建築基準法の基準は、蹴上げ23cm以下、踏面15cm以上、幅75cm以上です(施行令第23条)。踊場は高さ4m以内ごと(第24条)、手すりは第25条で決まります。この記事では、用途による違い、数値の性質、取り違えやすい点を整理します(確認日:2026年11月1日)。法令は改正されることがあるので、受験する年度の公式教材と、最新の条文(e-Gov法令検索)でも確認してください。
このテーマのまとめ:建築基準法を整理する
階段の構造や部位の名称は、階段の寸法と構法で扱います。この記事は、法令の規定と、どの階段に適用されるかに絞ります。
階段の寸法は、用途で基準が変わる
階段の幅、蹴上げ、踏面の基準は、どんな建物の、どんな階段かによって変わります(施行令第23条第1項)。代表的な区分を表にします。
| 階段の区分 | 蹴上げ | 踏面 | 階段・踊場の幅 |
|---|---|---|---|
| 小学校の児童用 | 16cm以下 | 26cm以上 | 140cm以上 |
| 直上階の居室の床面積の合計が200㎡を超える地上階用、居室の床面積の合計が100㎡を超える地階・地下工作物内用 | 20cm以下 | 24cm以上 | 120cm以上 |
| 住宅の階段(共同住宅の共用の階段を除く) | 23cm以下 | 15cm以上 | 75cm以上 |
| 上記以外(共同住宅の共用の階段を含む) | 22cm以下 | 21cm以上 | 75cm以上 |
| 屋外階段 | ― | ― | 直通階段は90cm以上、その他は60cm以上(施行令第23条第1項ただし書) |
※数値の性質:蹴上げは法定の上限値、踏面と幅は法定の最低値です。表は代表的な区分で、このほかにも、中学校・高等学校、物品販売店、劇場などの区分があります。屋外階段の幅は、直通階段(施行令第120条)かどうかで分かれます。この区分は施行令第23条第1項ただし書に基づきます。
住宅の階段は、「その他」の階段より、蹴上げが高く、踏面が狭くてもよいことになっています(施行令第23条第1項ただし書)。
幅と踏面の測り方
階段の幅や踏面は、どこから測るかも決まっています。
- 階段の幅:高さ50cm以下の手すりなどは、幅10cmまでを、ないものとみなして幅を測ります(施行令第23条第3項)。10cmを超えて突き出している場合は、10cmを超える部分が幅から除かれます。
- 回り階段の踏面:踏面の狭い方の端から30cmの位置で測ります(施行令第23条第2項)。
踊場の規定
階段の途中には、踊場を設けます。
| 項目 | 規定 | 条項 | 数値の性質 |
|---|---|---|---|
| 踊場を設ける間隔(住宅など一般の階段) | 高さ4m以内ごと | 施行令第24条第1項 | 法定の上限値 |
| 踊場を設ける間隔(小学校・中学校・高等学校などの階段) | 高さ3m以内ごと | 施行令第24条第1項 | 法定の上限値 |
| 直階段の踊場の踏幅 | 1.2m以上 | 施行令第24条第2項 | 法定の最低値 |
踊場は、階段の途中で、方向を変えたり、足を休めたりする平らな部分です。直階段(まっすぐな階段)の踊場は、踏幅を1.2m以上にします。
手すりの規定
手すりは、施行令第25条で決まります。
- 階段には、手すりを設けます(第1項)。手すりを設けない側には、側壁などを設けます(第2項)。
- 階段の幅が3mを超える場合は、階段の中間にも手すりを設けます(第3項)。ただし、蹴上げが15cm以下で、かつ踏面が30cm以上の階段は除かれます(第3項ただし書)。
- 高さが1m以下の階段の部分には、これらの手すりの規定は適用されません。
法令の手すりと、指針の手すりは別
家庭内事故の防止や、バリアフリーの寸法一覧で出てくる手すりの数値は、国の指針や設計標準で示された配慮事項で、法令とは別のものです。たとえば、指針では、基本レベルでは勾配が45度以下の階段なら少なくとも片側、推奨レベルでは両側に手すりを設けることを示しています。法令(施行令第25条)は、手すりを設けること(第1項)と、手すりのない側に側壁などを設けること(第2項)を求め、両側の手すりを義務づけてはいません。法定の最低値と、指針の推奨・目安を区別して覚えます。
試験での問われ方
階段の規定は、協会の審査基準で、関連法規の「建築基準法」にあたります。このテーマは、次のような形で知識を使います。
- 住宅の階段の数値(蹴上げ23cm以下、踏面15cm以上、幅75cm以上)を、「以下」「以上」の向きまで含めて答える
- 住宅と、その他の階段の数値の違いを区別する
- 踊場の間隔(4m)や、手すりの規定を、条項の名前と結びつける
取り違えやすい点は、次のとおりです。
- 蹴上げは以下、踏面と幅は以上。不等号の向きの入れ替え
- 住宅(23・15)と、その他の階段(22・21)の数値の入れ替え
- 共同住宅の共用の階段は、「住宅の階段」に含まれず、「その他」の数値になること
- 法令の手すり(階段には手すりを設ける)と、指針の手すり(基本レベルは勾配45度以下で少なくとも片側、推奨レベルは両側)の混同
独学では、「蹴上げは低く、踏面は広く」と、安全な階段のイメージと結びつけると、不等号の向きを間違えにくくなります。
次に読む
- 建築基準法の練習問題:このテーマの問題で、理解を確認します。
- シックハウス規制:建材の使用制限と換気設備の義務を整理します。
- 階段の寸法と構法:階段の構造と、各部の名称を確認します。


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