品確法と住宅性能表示|10年の責任・3つの柱・10分野

製図・表現/法規

品確法は、①住宅性能表示制度、②新築住宅の10年の責任(条文の語は「瑕疵」。責任の中身は、民法の契約不適合責任の規定による)、③住宅の紛争処理体制の3つで、新築住宅の品質と買主・注文者を守る法律です(確認日:2026年11月1日)。この記事では、3つの柱、10年の責任の対象部分、10分野の性能表示を整理します。

このテーマのまとめ:その他の法規・規格を整理する

品確法の3つの柱

品確法の正式名称は、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」です。国土交通省の資料では、次の3つが柱とされています。

柱内容
① 住宅性能表示制度住宅の性能を、共通のものさしで評価・表示して、比べやすくする。利用は任意
② 新築住宅の10年の責任新築住宅の基本構造部分などの不具合について、売主・請負人が、引渡しから10年間責任を負う
③ 住宅の紛争処理体制住宅会社とのトラブルを、裁判によらず、あっせん・調停・仲裁で解決する仕組み

新築住宅の10年の責任

何について、何年か

新築住宅の売買や請負では、引渡しから10年間、次の2つの部分の瑕疵(不具合)について、売主や請負人が責任を負います(品確法第94条・第95条)。

部分例
構造耐力上主要な部分基礎、土台、壁、柱、筋かい、床版、屋根版など、建物を支える部分
雨水の浸入を防止する部分屋根、外壁、サッシなどの建具、排水管の一部

10年の責任は、これらの部分だけが対象です。内装や設備など、そのほかの部分は、民法の契約不適合責任などの決まりで扱われます。

民法の契約不適合責任との関係

2020年4月の民法改正で、民法の用語は「瑕疵担保責任」から「契約不適合責任」に変わりました。一方、品確法の条文は今も「瑕疵」(構造耐力又は雨水の浸入に影響のないものを除く)という語を使っています。責任の中身(追完、代金減額、損害賠償、解除)は、民法の契約不適合責任の規定によります。品確法の10年の責任は、民法より手厚く定めた特例です。

  • 民法の責任は、特約で制限できる場合がある。品確法の10年の責任は、特約で免れることができない(強行規定)
  • 10年は、売主・請負人が責任を負う期間です。この期間は、特約で、引渡しから20年以内に延ばせます(品確法第97条)
  • 注文者・買主は、瑕疵を知った時から1年以内に、その旨を売主・請負人に通知する必要があります(民法の規定を読み替えて適用。品確法第94条第3項・第95条第3項)

住宅性能表示制度の10分野

住宅性能表示制度は、住宅の性能を10の分野に分け、等級などの共通のものさしで表示します。評価を受けるかどうかは任意です。評価を受ける新築住宅では、次の4分野の評価が必須です。

分野必須
構造の安定必須
火災時の安全
劣化の軽減必須
維持管理・更新への配慮必須
温熱環境・エネルギー消費量必須
空気環境
光・視環境
音環境
高齢者等への配慮
防犯

各分野が何に関わる性能かは、性能計画と維持管理で整理しています。高齢者等への配慮の寸法は、バリアフリーの寸法一覧で確認できます。

評価を受けた住宅には、建設住宅性能評価書が交付されます。評価書がある住宅の紛争は、指定住宅紛争処理機関のあっせん・調停・仲裁を利用できます。

試験での問われ方

品確法は、協会の審査基準で、法規の分野(関連法規・規格・制度)にあたります。このテーマは、次のような形で知識を使います。

  • 品確法の3つの柱を答える
  • 10年の責任の期間と、対象の部分(構造耐力上主要な部分、雨水の浸入を防止する部分)を答える
  • 住宅性能表示の10分野と、必須の4分野を区別する

取り違えやすい点は、次のとおりです。

  • 10年の責任は、住宅全体ではなく、構造耐力上主要な部分と雨水の浸入を防止する部分が対象
  • 性能表示を受けるかは任意。評価を受ける新築住宅では、10分野のうち4分野が必須
  • 民法の用語は「瑕疵担保責任」から「契約不適合責任」に変わったが、品確法の条文は今も「瑕疵」の語を使う

独学では、10分野の名前を暗記しがちですが、必須の4分野(構造・劣化・維持管理・温熱)を先に覚え、残りを「安全・環境・配慮」の分野として整理すると、区別しやすくなります。

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