歯は、歯ぐきから出ている歯冠と、歯ぐきの中にある歯根に分かれます。歯冠の表面は人体で最も硬いエナメル質で覆われ、その内側に象牙質、中心に神経や血管が通る歯髄があります。むし歯は「歯そのもの」が溶ける現象、歯周病は「歯を支える組織」が壊れていく病気です。(確認日:2026年11月3日)
このテーマのまとめ:香り・オーラルケア・サプリまとめ|しくみと製品
歯の勉強は、構造→むし歯→歯周病の順に進めると整理しやすくなります。製品の話に入る前に、まず歯がどうできているかを押さえましょう。
歯の構造(図)
| 部位 | 位置 | 特徴・役割 |
|---|---|---|
| 歯冠 | 歯ぐきから出ている部分 | かむ・食べ物を砕く部分 |
| 歯根 | 歯ぐきの中に隠れている部分 | あごの骨に支えられる |
| エナメル質 | 歯冠の表面 | 人体で最も硬い組織。大部分(約95%前後)がハイドロキシアパタイト(リン酸カルシウムの一種)でできている |
| 象牙質 | エナメル質・セメント質の内側 | 歯の構造上の主体をつくる組織 |
| セメント質 | 歯根の表面 | 骨に似た薄い組織。歯根膜の線維がつながる |
| 歯髄(神経) | 歯の中心 | 血管と神経が通る |
| 歯根膜 | 歯根と歯槽骨のあいだ | 歯を歯槽骨に結びつけ、かむ力のクッションや、かんだ感覚のセンサーになる |
| 歯槽骨 | 歯根を支えるあごの骨 | 歯をしっかり支える |
| 歯肉(歯ぐき) | 歯の根元を囲む | 歯を支える組織を保護する |
歯の本数は、乳歯が20本、永久歯が32本(親知らずを含む)です。親知らずの生え方には個人差があります。
むし歯と歯周病のしくみ
むし歯(う蝕)
むし歯は、次のように進みます。
- 口の中の細菌(ミュータンス菌など)が、プラーク(歯垢)の中で、糖を栄養にして酸をつくる
- 酸によって、歯の表面のミネラルが溶け出す。これを脱灰という
- 食後に唾液がはたらくと、溶けた部分が修復される。これを再石灰化という
- 脱灰が再石灰化を上回る状態が続くと、歯に穴があく
歯垢のpHが約5.5以下になると、歯が溶け始めるとされます。食事のたびに口の中は酸性に傾き、だらだらと食べ続けると、酸性の時間が長くなります。むし歯の初期は、歯の表面が白く濁ります。この段階であれば、穴があく前に修復できる可能性があります。
歯の表面が白く濁っていたり、しみたりするなど、気になる症状があるときは、歯科医院で相談してください。
歯周病
歯周病は、歯と歯ぐきの境目にプラーク(歯垢)がたまることから始まります。
| 段階 | 状態 | ポイント |
|---|---|---|
| 歯肉炎 | 歯ぐきが赤く腫れ、出血することがある | 正しいケアで、健康な状態に戻せる |
| 歯周炎 | 炎症が歯を支える組織に広がり、歯槽骨が溶ける | 元の健康な状態に戻すのが難しくなる |
歯周病は、歯肉・歯槽骨・歯根膜・セメント質といった歯を支える組織に起こる病気の総称です。プラークが固まったものが歯石で、歯みがきでは取れません。
むし歯と歯周病の違いは、壊れる場所です。むし歯は歯そのもの、歯周病は歯を支える組織です。
再石灰化
唾液には、溶けた部分を修復する働きがあります。唾液に含まれるカルシウムとリンが、溶け出した部分に再び沈着します。フッ化物は、この再石灰化を助け、歯の質を強くする働きがあります。
フッ化物を配合した歯みがき剤の区分や成分は、オーラルケア製品で扱います。毎日の歯みがきや補助用具の使い方は、準2級・3級のデンタルケアの基本にまとめています。
試験での問われ方(取り違えやすい点)
まずは次の違いを理解しましょう。
- 歯の層の順番:外側からエナメル質→象牙質→歯髄です。神経と血管は歯髄にあります
- エナメル質の特徴:人体で最も硬い組織で、主成分はハイドロキシアパタイトです
- 脱灰と再石灰化:脱灰は酸でミネラルが溶け出すこと、再石灰化は唾液の働きで修復されることです
- むし歯と歯周病の違い:むし歯は歯そのもの、歯周病は歯を支える組織が壊れます
- 歯肉炎と歯周炎:歯肉炎は戻せますが、歯周炎は元に戻すのが難しくなります

