においは、鼻腔の上部にある嗅上皮の嗅神経細胞の嗅覚受容体に、においの分子が結合することで感じます。ヒトの嗅覚受容体は約400種類で、その組み合わせでさまざまなにおいを区別します。香料は、由来で天然香料(動物性・植物性)と合成香料に分け、それらを組み合わせてつくる調合香料が別の軸にあります。(確認日:2026年11月3日)
このテーマのまとめ:香り・オーラルケア・サプリまとめ|しくみと製品
香りは、しくみ(嗅覚)と分類(香料)の2つに分けると、整理しやすくなります。
においを感じるしくみ
においが脳に伝わる流れは、次のとおりです。
- においの分子が鼻から入り、鼻腔の上部にある嗅上皮に届く
- 分子が粘液に溶け、嗅神経細胞の先端(嗅繊毛)にある嗅覚受容体に結合する
- 信号が嗅神経細胞から嗅球に伝わる
- 嗅球から、嗅皮質や、感情・記憶に関わる大脳辺縁系に伝わる
ヒトの嗅覚受容体は約400種類あります。1つの嗅神経細胞には1種類の受容体があり、1つのにおい物質が複数の受容体に結びつくため、受容体の組み合わせのパターンで多くのにおいを区別しています。
嗅覚の特徴は、他の感覚と伝わり方が違う点です。視覚・聴覚などの情報は、視床を通って大脳新皮質に送られます。一方、においの情報は、視床を介さずに、感情や記憶に関わる大脳辺縁系に直接つながります。そのため、においは情動や記憶と結びつきやすいとされます。
また、同じにおいを嗅ぎ続けると、数分のうちに感じにくくなります。これを順応(慣れ)といいます。香水の香りが自分では弱く感じられても、周囲には届いていることがあるのは、この性質のためです。
香料の分類(表)
香料は、由来による分類と、組み合わせてつくる調合香料の2つの軸で整理します。
| 分類 | 内容 | 例・特徴 |
|---|---|---|
| 天然香料:動物性 | 動物の分泌物などから得る | ムスク(麝香)、シベット(霊猫香)、カストリウム(海狸香)、アンバーグリス(竜涎香)の4種類 |
| 天然香料:植物性 | 花、葉、果皮、樹脂、木などから得る | 精油(エッセンシャルオイル)など |
| 合成香料 | 人工的に生成・精製された香料 | 石油系の原料から合成するものや、天然の精油から取り出した単離香料などがある |
| 調合香料 | 天然香料と合成香料などを組み合わせてつくった香料 | 調香師が多くの香料から選んで調合し、目的の香りをつくる |
天然香料は、由来が動物か植物かで分ける点と、調合香料は由来ではなく「組み合わせてつくる」ことで分ける別の軸である点を区別しましょう。
植物性の天然香料と精油の取り方
植物性の天然香料の代表が精油です。取り方は、原料によって異なります。
- 水蒸気蒸留法:水蒸気を通して揮発する香り成分を取り出す。精油の抽出で最も広く使われる
- 圧搾法:柑橘類の果皮を圧搾して精油を得る
- 溶剤抽出法:溶剤で香り成分を取り出す。得られる抽出物にアブソリュートなどがある
香りの系統
香りは、似た特徴ごとに「系統(ファミリー)」に分けられます。分け方は、資料によって7つのファミリーとする考え方や、4つのファミリーと14のサブファミリーとする考え方などがあります。代表的な系統の例は、次のとおりです。
| 系統 | 香りのイメージ |
|---|---|
| シトラス | レモンやオレンジなど、柑橘類の香り |
| グリーン | 草や芝生を思わせる、青々とした香り |
| フローラル | 花の香り |
| ウッディ | 樹木や樹脂を思わせる香り |
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試験での問われ方(取り違えやすい点)
混同しやすいので、次の違いを覚えておきましょう。
- 嗅覚受容体の場所:鼻腔上部の嗅上皮にある嗅神経細胞です。ヒトでは約400種類です
- においの情報の流れ:嗅神経細胞→嗅球→大脳辺縁系などの順です
- 嗅覚の特徴:視床を介さず大脳辺縁系に直接つながり、情動や記憶と結びつきやすい。同じにおいは順応して感じにくくなります
- 動物性の天然香料:ムスク、シベット、カストリウム、アンバーグリスの4種類です
- 調合香料:天然香料と合成香料などを組み合わせた香料で、動物性・植物性とは別の軸です
- 精油の抽出法:柑橘類の果皮は圧搾法、多くの精油は水蒸気蒸留法です

