リフォームの前には、今の住宅の状態を調べます。確認する点は、構造・劣化・設備の3つです。戸建てとマンションでは、見る場所と、調べる相手が違います。この記事では、3つの確認点、戸建てとマンションの違い、図面がないときの調べ方を整理します(確認日:2026年11月1日)。
このテーマのまとめ:リフォーム計画を整理する
調査の考え方
既存住宅の調査は、目視や計測を中心に、壊さずに調べるのが基本です。国土交通省の既存住宅状況調査(インスペクション)の基準では、次の方法が挙げられています。
| 方法 | 内容 |
|---|---|
| 目視 | 外観や内部の劣化、雨漏りの跡などを見る |
| 計測 | ひび割れの幅、傾きなどを測る |
| 打診・触診 | 仕上材の浮きや、コンクリートの劣化などを確かめる |
| 操作 | 建具の開閉の状態を確かめる |
点検口がなく見られない部分や、動かせない家具に隠れた部分は、「調べられなかった」部分として扱われます。調査は、見られる範囲の状態を知るものです。
構造・劣化・設備の確認点
| 確認の分類 | 確認点 |
|---|---|
| 構造 | 基礎のひび割れ、土台・柱・梁などの傷み、床の傾きやたわみ、壁の大きな亀裂 |
| 劣化 | 雨漏りの跡(屋根・外壁・天井・内壁)、外壁や屋根の欠け・大きなひび割れ、木造の腐朽やシロアリ被害、鉄骨の腐食 |
| 設備 | 給排水の水漏れ、換気の不調、給湯器や水まわり設備の古さ、電気やガスの容量 |
国の調査方法の基準では、構造耐力上主要な部分と、雨水の浸入を防止する部分が調査の中心です。給排水などの設備は、あわせて調べることがあります。
耐震性の見方
建築確認を受けた時期は、耐震性の目安になります。昭和56年(1981年)6月以降に確認済証が交付された住宅は、新耐震基準の考え方で建てられています。昭和56年(1981年)5月以前に建築確認を受けた住宅は、旧耐震基準で建てられている可能性が高く、現行の耐震基準を満たしていないものがあるため、耐震診断が勧められています。
設備の交換の目安
設備は、古くなると交換が必要になります。給湯器の交換は、10〜15年前後が目安とされています。年数は、使い方や環境で変わります。
戸建てとマンションの違い
| 項目 | 戸建て | マンション |
|---|---|---|
| 調べる範囲 | 建物全体(基礎、屋根、外壁、床下、小屋裏など) | 自分の住戸の内側が中心。共用部分は、管理組合や管理会社の資料で確認する |
| 構造 | 木造が多い(木造の特徴は木造軸組工法と枠組壁工法) | 鉄筋コンクリート造などが多い(RC造・S造・SRC造の違い) |
| 工事の制約 | 構造上、壁や柱を撤去できない場合がある。増築では、建築確認が必要になることがある | 管理規約、床材の遮音規定、電気容量・給湯器の号数の制限、配管の位置 |
| 確認するもの | 図面、確認済証、検査済証、過去の修繕の記録 | 管理規約、使用細則、大規模修繕の予定 |
マンションの専有部分と共用部分の考え方、工事の申請と承認は、リフォームの進め方で整理しています。
図面がないときの調査
建築時の書類が手元にないときは、次の方法で記録を調べます。
| 書類 | 内容 | ポイント |
|---|---|---|
| 確認済証・検査済証 | 建築確認、完了検査に関する書類 | 再発行はできない。紛失したら、下の書類で代わりに確認する |
| 建築計画概要書 | 確認申請のときの計画の概要(建築主、敷地、配置図など) | 役所で閲覧できる。多くの自治体で、昭和46年(1971年)1月より前の確認には、ない |
| 台帳記載事項証明書 | 建築確認台帳の記載内容を転記した証明書 | 申請して交付を受ける。確認当時の内容で、現在の状況を示すものではない |
民間の指定確認検査機関で確認を受けた場合は、その機関に記録が残っていないか問い合わせます。閲覧や交付の方法は、役所ごとに違います。
これらの書類で分かるのは、建築確認の記録です。今の間取りや劣化の状態は、現地で調べる必要があります。リフォームでは、現状の図面を用意することが勧められています。
試験での問われ方
既存住宅の調査は、協会の審査基準で、計画の分野(分野4)の「リフォームの計画」にあたります。このテーマは、次のような形で知識を使います。
- 調査で確認する項目(構造、劣化、設備)を分類する
- 戸建てとマンションで、確認することの違いを答える
- 図面や書類がないときに、何で調べるかを答える
取り違えやすい点は、次のとおりです。
- 確認済証や検査済証を、紛失したときに再発行してもらえると考えてしまう(再発行はできない)
- 台帳記載事項証明書や建築計画概要書を、現在の状況を示す書類と考えてしまう(確認当時の記録)
- マンションで、窓のサッシや玄関ドアを、専有部分として扱ってしまう(共用部分。管理規約で確認する)
独学では、確認点を暗記しがちですが、「構造は傷み、劣化は水と虫、設備は水まわりと容量」と大づかみにして、あとで細部を足すと覚えやすくなります。
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