床・壁・天井の構法は、「骨組みの上に、どう仕上げの下地をつくるか」の違いです。この記事では、木造とマンションの床、大壁と真壁、直天井と二重天井の違いを整理します(確認日:2026年11月1日)。
このテーマのまとめ:構造・構法を整理する
床の構法
※図は、考え方を示す模式図です。実際の寸法・納まりとは異なります。
木造:束立て床
木造の1階の床は、束立て床がよく使われます。構成は、次のとおりです。
| 部材 | 位置・はたらき |
|---|---|
| 床束 | 床の下に立てる短い柱。大引と根太を支える |
| 大引 | 床束の上に渡す横材。根太を受ける |
| 根太 | 大引(や床束)の上に渡す横材。床板を受ける |
| 床板 | 根太の上に張る板。床板は根太と直角の向きに張る |
マンション:直床と二重床
鉄筋コンクリートのマンションでは、床スラブ(コンクリートの床)の上に、床をどうつくるかで、2つに分けて説明されます。
| 構法 | つくり方 | 特徴 |
|---|---|---|
| 直床(直貼り) | 床スラブの上に、仕上材を直接張る | 施工の手間やコストを抑えやすい。床下に空間がなく、配管・配線の変更に制約が出やすい。水回りだけスラブを下げて、段差が生じる場合もある |
| 二重床 | 床スラブの上に支持脚を立て、その上に床板を張る(置き床ともいう。乾式二重床と呼ぶ資料もある)。スラブとの間に空間ができる | 床下の空間に配管・配線を通せ、点検・交換がしやすい。段差をなくしやすく、将来の間取り変更に対応しやすい。手間・費用がかかり、天井高が低くなる場合がある |
二重床と遮音の関係
二重床は、床下に空間ができるため、遮音性に優れるとされる資料があります。一方で、遮音を主な目的にした構法ではない、とする資料もあり、見解は分かれます。床の遮音性は、床の仕上材・スラブの厚さ・梁の配置・施工の精度などでも決まります。二重床にすれば遮音性が高くなる、と言い切れない、とされています。
二重床と似た言葉に浮き床があります。浮き床は、床板を弾力性のある防振材で支え、構造体から絶縁する構法で、遮音の説明では二重床(置き床)と区別して書かれます(遮音と吸音と同じ整理です)。遮音のしくみは、遮音と吸音で整理します。
壁の構法:大壁と真壁
壁の構法は、柱が見えるかどうかで、2つに分けます。
| 構法 | 内容 | 向く空間・特徴 |
|---|---|---|
| 大壁 | 柱が見えないように、柱を壁で覆って仕上げる | 柱が壁の内側に隠れ、壁面が平らになる |
| 真壁 | 柱と柱の間に壁を収め、柱を外に見せる | 伝統的な木造の構法で、和風の建築に多く用いられる |
壁の下地には、木造では、柱の間に入れる間柱(木造軸組工法と枠組壁工法(2×4)の違い)や、仕上材を留める水平の下地材(胴縁)が使われます。
天井の構法:直天井と二重天井
マンションの天井にも、床と同じように、2つの考え方があります。
| 構法 | つくり方 | 特徴 |
|---|---|---|
| 直天井 | 天井スラブに、直接仕上げる | 手間やコストを抑えやすい。梁やダクトの下がりが出て、天井面がでこぼこすることがある |
| 二重天井 | 天井スラブの下に空間をつくり、その下に天井仕上材を張る(吊木などで吊る) | 空間に、照明の配線や換気のダクト、設備配管を納められる。天井がすっきりする。手間・費用・工期がかかる |
二重の床・天井にするには、その分の高さ(階高)が必要です。階高が低いと、直床・直天井になる場合があります。
試験での問われ方
床・壁・天井の構法は、協会の審査基準で、一次試験の分野6「構造・構法と仕上げ」にあたります。このテーマは、次のような形で知識を使います。
- 束立て床の部材(根太・大引・床束)の名前と位置を結びつける
- 直床と二重床の、つくり方と特徴を区別する
- 大壁と真壁を、柱が見えるかどうかで区別する
取り違えやすい点は、次のとおりです。
- 大壁は柱が見えない、真壁は柱が見える。入れ替えない
- 根太は床板を受ける材、大引は根太を受ける材、床束は大引を支える短い柱。上下の順番を取り違えない
- 二重床は、床スラブの上に空間をつくる(支持脚を使う)。直床は、床スラブの上に直接張る
- 二重床は、床下に空間があるために遮音性に優れるとされる資料がある一方、見解が分かれる。仕上材やスラブの厚さなども関係するため、「必ず高い」とは言い切れない
独学では、断面の図と一緒に、下から順に(床束→大引→根太→床板)覚えると、混ざりにくくなります。
次に読む
- 構造・構法の練習問題:このテーマの問題で、理解を確認します。
- 階段の寸法と構法:階段の形式と、部位の名称を整理します。
- 遮音と吸音:遮音のしくみを整理します。


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