内装制限とは、火災のときに、壁や天井から火が広がるのを抑えるために、内装の仕上げ材料を制限する建築基準法の規制です(法第35条の2)。住宅では、火を使う部屋(火気使用室)の壁・天井が関係します。この記事では、内装制限の考え方、住宅で関係する場面、不燃・準不燃・難燃の違いを整理します(確認日:2026年11月1日)。法令は改正されることがあるので、受験する年度の公式教材と、最新の条文(e-Gov法令検索)でも確認してください。
このテーマのまとめ:建築基準法を整理する
内装制限の考え方
内装制限は、建物の用途・規模・階数などに応じて、壁と天井の室内に面する部分を、燃えにくい材料で仕上げることを求める規定です。対象になるのは、不特定多数の人が使う特殊建築物、規模の大きな建築物、そして火を使う設備のある室(火気使用室)などです。
どの建物の、どの部屋に、どの材料が必要かは、条件によって細かく決まります。ここでは、インテリアの学習で関係の深い、住宅の火気使用室を中心に整理します。
住宅で関係する場面:火気使用室
住宅では、火を使う設備のある調理室など(火気使用室)の壁・天井が、内装制限の対象になります(法第35条の2、施行令第128条の4第4項)。
施行令第128条の4第4項では、対象は、階数が2以上の住宅(特定主要構造部を耐火構造としたものを除く)の最上階以外の階にある調理室などです。平屋や、2階建ての2階(最上階)にある調理室は、この規定の対象となりません。住宅以外の建築物(特定主要構造部を耐火構造としたものを除く)では、階を問わず、火気使用室が対象になります。
対象の火気使用室では、壁と天井の仕上げを、準不燃材料でしたものにします(施行令第128条の5第1項第2号イ、第6項)。国土交通大臣が定める材料の組合せによる仕上げも認められます(同号ロ)。難燃材料だけでは足りません。
| 項目 | 内容 | 条項 |
|---|---|---|
| 対象 | 火を使う設備のある調理室など(火気使用室)。住宅では、階数が2以上の住宅(特定主要構造部を耐火構造としたものを除く)の最上階以外の階の調理室など | 法第35条の2、施行令第128条の4第4項 |
| 壁・天井の仕上げ | 準不燃材料でしたもの(難燃材料だけでは不足) | 施行令第128条の5第1項第2号イ、第6項 |
壁紙のキッチン周りの防火性能は、壁紙(クロス)の種類で、防火材料の壁紙として説明しています。
防火材料の区分:不燃・準不燃・難燃
内装制限で使う防火材料は、燃えにくい順に、不燃材料、準不燃材料、難燃材料の3つです。火災による火で加熱されたときに、一定の時間、次の性能を満たす材料です。
| 区分 | 加熱の時間 | 条項 | 燃えにくさ |
|---|---|---|---|
| 不燃材料 | 20分 | 施行令第108条の2 | 最も燃えにくい |
| 準不燃材料 | 10分 | 施行令第1条第5号 | 次に燃えにくい |
| 難燃材料 | 5分 | 施行令第1条第6号 | 3つの中では、燃えやすい |
加熱の間、次の3つの要件を満たすことが求められます。
- 燃焼しないこと
- 防火上有害な変形、溶融、き裂などの損傷を生じないこと
- 避難上有害な煙やガスを発生しないこと
防火材料は、国土交通大臣が定めた構造方法を使うか、国土交通大臣の認定を受けたものです。壁紙などは、下地との組み合わせで認定を受けているため、認定どおりの下地・工法で施工することが必要です。
※数値の性質:加熱の時間(20分・10分・5分)は、材料の区分を決める規定の数値です。
数値の一覧と性質
| 項目 | 数値・内容 | 条項 | 数値の性質 |
|---|---|---|---|
| 不燃材料の加熱時間 | 20分 | 施行令第108条の2 | 規定の数値 |
| 準不燃材料の加熱時間 | 10分 | 施行令第1条第5号 | 規定の数値 |
| 難燃材料の加熱時間 | 5分 | 施行令第1条第6号 | 規定の数値 |
| 住宅の火気使用室の壁・天井 | 準不燃材料でしたもの | 施行令第128条の5第1項第2号イ、第6項 | 規定(仕上げの区分) |
試験での問われ方
内装制限は、協会の審査基準で、関連法規の「建築基準法」にあたります。このテーマは、次のような形で知識を使います。
- 不燃・準不燃・難燃を、燃えにくい順に並べる
- 住宅で、内装制限を受ける部屋(火気使用室)を答える
- 火気使用室の壁・天井に使える材料の区分を答える
取り違えやすい点は、次のとおりです。
- 燃えにくい順は、不燃→準不燃→難燃(順番の入れ替え)
- 加熱の時間は、不燃20分、準不燃10分、難燃5分(数値の入れ替え)
- 火気使用室の仕上げは、難燃材料だけでは足りず、準不燃材料が必要
- 防火材料の壁紙の性能は、下地との組み合わせで認定されること(壁紙だけで決まるとは限らない)
独学では、「20・10・5分の順に、不燃・準不燃・難燃」と、数字と順番を一緒に覚えると、入れ替えを防げます。
次に読む
- 建築基準法の練習問題:このテーマの問題で、理解を確認します。
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