表情筋は、顔の皮膚につく筋肉の総称で、顔面神経に支配されています。喜怒哀楽の表情をつくるほか、目や口の開け閉めにも関わります。主な筋肉は、前頭筋・皺眉筋・眼輪筋・大頬骨筋・口輪筋・頬筋・オトガイ筋です。噛むときに使う咬筋は、表情筋ではなく咀嚼筋に分類されます。(確認日:2026年11月3日)
このテーマのまとめ:筋肉・ツボ・リンパまとめ|マッサージの基本
表情筋の名前は、字に注目すると、位置と働きが結びつきます。
表情筋の一覧
| 名前 | 位置 | 働き |
|---|---|---|
| 前頭筋(ぜんとうきん) | 額 | 眉を上げる。額に横じわをつくる |
| 皺眉筋(しゅうびきん) | 眉頭の奥(眉の内側の深いところ) | 眉を内側に寄せる。眉間に縦じわをつくる |
| 眼輪筋(がんりんきん) | 目の周りを囲む | まぶたを閉じる、まばたきをする |
| 大頬骨筋(だいきょうこつきん) | 頬骨から口角 | 口角を引き上げる。笑顔をつくる |
| 口輪筋(こうりんきん) | 口の周りを囲む | 唇を閉じる、すぼめる |
| 頬筋(きょうきん) | 頬の深いところ | 飲む・食べるときの頬の動きに働く |
| オトガイ筋(頤筋) | 下唇からあご | 下唇を押し上げる。あごにしわをつくる |
名前に「輪」がつく眼輪筋・口輪筋は、目や口の周りをぐるりと囲む筋肉です。要するに、字のとおりの形と位置だと覚えると整理しやすくなります。
このほかにも、小頬骨筋・笑筋・口角挙筋・口角下制筋などがあります。表情筋の数は、二十数種とする説明と、約30種とする説明があり、数え方で異なります。
咬筋との違い
エラの部分にある咬筋は、奥歯を噛みしめたときに盛り上がる筋肉です。顔にある筋肉ですが、ものを噛むための咀嚼筋に分類され、表情筋とは区別されます。
| 表情筋 | 咀嚼筋(咬筋など) | |
|---|---|---|
| 働き | 表情をつくる、目や口を動かす | 下顎を動かして、ものを噛む |
| 付き方 | 骨と皮膚、または皮膚と皮膚をつなぐ | 下顎の骨に付き、あごを動かす |
| 神経 | 顔面神経 | 下顎神経 |
| 例 | 前頭筋、眼輪筋、口輪筋 | 咬筋、側頭筋 |
食いしばりのクセがあると、咬筋が硬くなり、エラが張って見えることがあります。
たるみと筋肉の関係
表情筋は皮膚につくため、動きによって皮膚の見え方にも影響する、と説明されます。たとえば、皺眉筋は、眉を寄せるクセで強く収縮すると、眉間に縦じわができやすくなります。たるみは、表情筋などの筋肉の衰えも要因の一つとして整理されます。
ただし、筋肉を鍛えればたるみが治る、恒久的に引き上がる、とは言えません。しわやたるみは、真皮の線維の変化など複数の要因が重なって起こります(くわしくはシワ・たるみの原因で整理しています)。化粧品やマッサージで、筋肉への効果を約束する表現はできません。
試験での問われ方(取り違えやすい点)
- 名前と働きの対応:前頭筋=眉を上げる、皺眉筋=眉を寄せる、眼輪筋=目の周り・まぶたを閉じる、大頬骨筋=口角を引き上げる、口輪筋=口の周り・唇を閉じる。
- 「輪」のつく筋肉:眼輪筋は目の周り、口輪筋は口の周りです。入れ替えないようにします。
- 表情筋と咀嚼筋:咬筋は噛む筋肉(咀嚼筋)。表情筋は皮膚につき、顔面神経に支配されます。
- 表情筋の数:二十数種〜約30種と、数え方で幅があります。

