景品表示法・特商法と化粧品|誇大広告と通信販売

化粧品のルール(1級)

化粧品の広告・販売には、薬機法のほかに景品表示法(表示の中身が実際より良く見えないか)と特定商取引法(通信販売で必要な表示が足りているか)が関わります。守る対象が違うので、3つの法律を並べて区別するのがコツです。(確認日:2026年11月3日)

このテーマのまとめ:化粧品の表示と広告まとめ|全成分表示と56の効能

化粧品の広告に関わる法律を、何を守る法律なのか一言ずつ押さえていきます。

景品表示法(優良誤認・有利誤認)

景品表示法(不当景品類及び不当表示防止法)の第5条は、消費者に誤認される不当な表示を3つに分けて禁止しています。

条文名称内容
第5条第1号優良誤認表示品質・規格などの内容について、実際のものや競争事業者のものより著しく優良と誤認される表示
第5条第2号有利誤認表示価格その他の取引条件について、実際のものや競争事業者のものより著しく有利と誤認される表示
第5条第3号指定告示による不当表示内閣総理大臣が指定する表示。ステルスマーケティングの告示もこれにあたる(SNS・PRのルール)

化粧品でいえば、優良誤認は「実際より効果がありそうに見せる」ような品質・効能の表示、有利誤認は「実際は違うのに今だけ半額に見せる」「初回無料のように見せて条件を隠す」といった価格・条件の表示が当てはまります。

  • 効果や性能をうたう表示には、合理的な根拠が必要です。根拠を示す資料の提出を求められる制度(不実証広告規制)があります
  • 違反すると、措置命令(消費者庁)の対象になり、課徴金納付命令が出ることもあります。景品表示法の課徴金は、原則として対象商品の売上額の3%です。ただし、第5条第3号(ステマ告示など)の表示は課徴金の対象外で、額が150万円未満のときも命じられません(第8条)

特定商取引法(通信販売の表示)

特定商取引法は、訪問販売や通信販売など、トラブルが起きやすい取引を対象にしたルールです。化粧品のネット販売は通信販売にあたります。通信販売とは、事業者が新聞、雑誌、インターネットなどで広告し、郵便、電話、インターネットなどで申込みを受ける取引のことです。

条文内容
第11条広告に表示すべき事項:販売価格、支払いの時期・方法、商品の引渡時期、申込期間の定めがあるときはその内容、申込みの撤回・解除(返品)に関する事項など。省令で、事業者の氏名・住所・電話番号なども定められている
第12条誇大広告等の禁止
第12条の6申込みの最終確認画面などでの表示。定期購入では、分量、金額、期間などを誤認させない
第15条の4最終確認画面などで誤認させる表示があったとき、消費者は申込みを取り消せる

定期購入の「いつでも解約OK」のような表示で、解約条件を分かりにくくしていると、特商法でも景品表示法でも問題になりえます。

医師法・あはき法との関係(施術の表現)

美容の広告では、マッサージや施術の表現が問題になることがあります。

  • 医業は医師でなければ行えません(医師法第17条)。また、あん摩マッサージ指圧、はり、きゅうは、医師のほか、免許を受けた人が業として行うことができます(あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律)
  • 医師・あん摩マッサージ指圧師による施術が行われていない施設が「マッサージ」「指圧」と広告すると、免許が必要な施術が行われているかのように誤認されるおそれがあります
  • 無資格の人が、実際にはない効果・効能を広告で表示すれば、景品表示法に触れるおそれもあります
  • 化粧品の広告で「施術で治る」「治療のようなマッサージ」と書くと、医療的な表現として問題になるうえ、薬機法の効能の範囲も超えます

美容のマッサージそのものは、リンパとマッサージで扱っています。ここでは、広告で医療的な施術を思わせる書き方をしないという点を押さえましょう。

3つの法律の比べ方

法律主に見る点主な執行機関
薬機法(第66条)医薬品等の名称、製造方法、効能、効果、性能の虚偽・誇大(化粧品の広告ルール)厚生労働省・都道府県
景品表示法(第5条)品質・取引条件が実際より著しく優良・有利に見えないか消費者庁
特定商取引法(第11条・第12条など)通信販売の広告・申込み画面に必要な表示があるか消費者庁など

同じ広告が、複数の法律に問題になることもあります。どの法律が何を見ているのか、守る対象の違いで区別しておきましょう。

試験での問われ方(取り違えやすい点)

  • 優良か有利か:品質・効能の誇張は優良誤認、価格・条件の誇張は有利誤認です
  • 条文の位置:優良誤認は第5条第1号、有利誤認は第2号、ステマ告示は第3号に基づきます
  • 通信販売の表示:特商法の広告表示は第11条、申込みの最終確認画面は第12条の6です
  • 課徴金の率:景品表示法は原則3%(優良誤認・有利誤認。ステマ告示は対象外)、薬機法の虚偽・誇大広告は4.5%です
  • 施術の表現:免許が必要な施術や医療的な表現は、広告でそう受け取られないよう注意します

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