油性成分は、水に溶けず、油になじむ成分です。化学的なつくりの違いで、油脂・ロウ・炭化水素・高級脂肪酸・高級アルコール・エステル油・シリコーン油の7つに分けて整理できます。(確認日:2026年11月3日)
このテーマのまとめ:化粧品の原料まとめ|水性・油性・界面活性剤
油性成分は、「つくりで分ける」「常温での状態で見る」の2つの軸を使うと、整理しやすくなります。
油性成分の分類
| 分類 | つくり | 代表的な表示名称 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 油脂 | 高級脂肪酸とグリセリンのエステル | ヒマシ油、オリーブ果実油、シア脂 | 動植物由来。液体の油と、固まりやすい脂(シア脂など)がある |
| ロウ | 高級脂肪酸と高級アルコールのエステル | ミツロウ、カルナウバロウ、キャンデリラロウ | 常温で固体のものが多く、形を保つ・皮膜をつくる |
| 炭化水素 | 炭素と水素だけでできた油 | パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、スクワラン | 肌表面をおおい、水分の蒸発を抑える |
| 高級脂肪酸 | 炭素数の多い脂肪酸 | ステアリン酸、オレイン酸、ミリスチン酸 | 乳化の材料や、石けんの原料にもなる |
| 高級アルコール | 炭素数の多いアルコール | セタノール、ベヘニルアルコール | 感触の調整などに使われる。エタノールとは別 |
| エステル油 | 脂肪酸とアルコールのエステル | ミリスチン酸イソプロピル、トリエチルヘキサノイン | 種類が非常に多く、使用感の調整に幅広く使われる |
| シリコーン油 | ケイ素を骨格にした合成の油 | ジメチコン、シクロペンタシロキサン | さらっとした感触。髪や肌の表面をなめらかにおおう |
ここで気をつけたいのは、名前に「ワックス」が付いても、化学的にはロウではないものがあることです。マイクロクリスタリンワックスやパラフィンは石油由来の炭化水素の仲間で、ミツロウやカルナウバロウのような「ロウ」(エステル)とはつくりが違います。
常温での状態の違い
同じ油性成分でも、常温(約25℃)での状態で役割が変わります。
| 状態 | 例 | 役割 |
|---|---|---|
| 液体 | ヒマシ油、オリーブ果実油、スクワラン、エステル油、シリコーン油 | のび・なじみ、色材の分散 |
| 固体 | ミツロウ、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、パラフィン、シア脂(やわらかい固体で、肌の熱で溶ける) | 形を保つ、光沢や皮膜をつくる。シア脂はしっとり感や、口紅などのやわらかさの調整にも使われる |
たとえば口紅は、液体の油とロウを組み合わせて、スティックの形を保ちながらなめらかにのびる設計になっています(ポイントメイクアップ化粧品)。
使用感への影響
油性成分は、肌や髪の表面をおおって水分の蒸発を防ぎ、手ざわりを整えます。
- 液状の油:のびがよく、肌になじむ。感触がかるいものから、こっくりしたものまである
- 固形のロウ:形を保つ。口紅やクリームのかたさを決める
- シリコーン油:さらっとした感触で、髪の表面をコーティングして、くし通りや手ざわりを整える
乳液やクリームは、水性成分と油性成分を乳化させたものです。油性成分が多いほどこっくりとした使用感になります(スキンケア化粧品の種類)。
試験での問われ方(取り違えやすい点)
混同しやすいので、次の違いを覚えておきましょう。
- 油脂とロウ:油脂はグリセリンのエステル、ロウは高級アルコールのエステルです。
- 炭化水素:パラフィン、スクワランなど。「ワックス」と名前が付いても、ロウとは別です。
- 高級アルコール:セタノールなど。エタノールとは別の油性成分です。
- 常温の状態:液体は感触と分散、固体のロウは形の保持が主な役割です。
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