皮膚の付属器官は、汗腺・皮脂腺・毛(毛包)です。汗腺には、全身にあって体温調節を担うエクリン腺と、わきなど限られた場所にあるアポクリン腺があり、皮脂腺は毛包に開いて皮脂を出します。この記事では、それぞれの「いる場所」と「出すもの」の違いを整理します。(確認日:2026年11月3日)
このテーマのまとめ:皮膚の構造としくみまとめ|表皮・真皮・皮下組織と付属器官
汗腺にはエクリン腺とアポクリン腺の2種類があり、「どこにあるか」「どこに開くか」「どんな汗か」の3点で区別できます。
付属器官の一覧
| 付属器官 | 場所 | 出すもの・はたらき |
|---|---|---|
| エクリン腺(汗腺) | 全身に広く分布 | 汗を出して体温を調節する |
| アポクリン腺(汗腺) | わきなど限られた場所 | 粘りのある汗を出す。においと関係する |
| 皮脂腺 | 毛包に開く。頭や顔に多い | 皮脂を出して皮膚や毛の表面をおおう |
| 毛・毛包・立毛筋 | 真皮の中に毛包がある | 毛をつくる。立毛筋が縮むと毛が立つ |
付属器官は、表皮が真皮の中へ入り込んでできた構造として説明されます。断面での位置は、皮膚の構造としくみまとめの図で確認できます。毛髪そのものの構造は、1級の毛髪の構造と機能で扱います。
エクリン腺とアポクリン腺の違い
| エクリン腺 | アポクリン腺 | |
|---|---|---|
| 分布 | 口唇などをのぞく全身。手のひら・足の裏・額に多い | わき・乳輪・外陰部・外耳道など限られた部位 |
| 開く場所 | 皮膚の表面に直接開く | 毛包に開く |
| 汗の性質 | ほとんどが水分で、無色透明。においはほとんどない | 水分のほかにたんぱく質や脂質などを含み、粘りがある |
| おもなはたらき | 体温調節(汗が蒸発するときに熱を奪う) | 汗そのものは無臭だが、皮膚表面の菌に分解されると特有のにおいになる |
| 働きはじめ | — | 思春期以降に目立つ |
覚え方のおすすめは、「エクリン=全身・表面・水っぽい」「アポクリン=限られた場所・毛包・粘りがある」という3点セットです。
精神的な緊張で出る汗(手のひら、足の裏、わきに出る汗)もエクリン腺から出ます。暑いときや運動のときの汗と同じく、エクリン腺は交感神経の支配を受けます。くわしくはストレスと肌で扱っています。体温調節のしくみは皮膚の作用で確認できます。
皮脂腺と皮脂
皮脂腺は、多くの場合、毛包の上のほうに開きます。つまり、皮脂は毛穴を通って皮膚の表面へ出てきます。
- 多い場所:頭、額、眉間、鼻のまわりなど(顔の中央から額にかけて多い)
- ない場所:手のひらと足の裏
- はたらき:皮脂が皮膚や毛の表面をおおい、乾燥を防ぎ、なめらかさを保つ
- 分泌量:性ホルモンの影響を受ける。思春期に多くなりやすい
皮脂は皮脂腺から出る油で、角質細胞のすき間をうめる細胞間脂質(セラミドなど)とは別のものです。皮脂と汗が混じり合って皮膚の表面に広がったものが皮脂膜で、これは肌のバリア機能の一部です。
皮脂が毛穴にたまるしくみは毛穴の悩み、ニキビとの関係はニキビの原因と段階で扱います。
毛と毛包
毛は、毛包という袋状のつくりの中でつくられ、皮膚の表面に出てきます。
| 名前 | 場所とはたらき |
|---|---|
| 毛包 | 真皮の中にある、毛を包む袋のような構造 |
| 毛母(毛母細胞) | 毛包の底にあり、細胞が増えて毛をつくる |
| 毛乳頭 | 毛母の細胞に働きかけて、毛の成長を支える部分 |
| 立毛筋 | 毛包に付く小さな筋肉。縮むと毛が立つ(いわゆる鳥肌) |
毛は一定の周期で、成長期、退行期、休止期の順に生えかわります(毛周期)。毛包は、ほぼ全身の皮膚にありますが、唇、手のひら、足の裏にはありません。
爪も、毛と同じ角化の仲間ですが、構造は1級の爪の構造と機能で扱います。
試験での問われ方(取り違えやすい点)
まずは次の違いを理解しましょう。
- エクリン腺とアポクリン腺の分布:エクリン腺は全身、アポクリン腺はわきなど限られた部位です。
- 汗の性質とにおい:エクリン腺の汗はほとんどが水分で、においはほとんどありません。アポクリン腺の汗が皮膚の菌に分解されると、においにつながります。
- 開く場所:エクリン腺は皮膚表面、アポクリン腺と皮脂腺は毛包です。
- 皮脂腺のない場所:手のひらと足の裏です。
- 皮脂と細胞間脂質:皮脂は皮脂腺から、細胞間脂質(セラミドなど)は角層のすき間にあるものです。
- 体温調節を担う汗腺:エクリン腺です。
次に読む
- 練習問題:皮膚の構造 練習問題|7問
- 続き:皮膚の作用|保護・体温調節・吸収など

