皮膚は、体の外側をおおうだけでなく、保護・体温調節・感覚・分泌・吸収・免疫など、いくつものはたらきを担っています。この記事では、主な作用を一覧で整理し、とくに区別して覚えたい「体温調節」と「吸収(経皮吸収)」を確認します。(確認日:2026年11月3日)
このテーマのまとめ:皮膚の構造としくみまとめ|表皮・真皮・皮下組織と付属器官
皮膚というと「守る」イメージが強いですよね。でも、実際は守る以外のはたらきもたくさんあります。ここで一度、全体像をまとめておきましょう。
皮膚の主な作用
| 作用 | どんなはたらきか | 関わる部分 |
|---|---|---|
| 保護 | 外からの刺激・異物・微生物・紫外線を防ぎ、体内の水分が逃げるのも防ぐ | 角層、皮脂膜、メラニン、弱酸性の表面 |
| 体温調節 | 汗や血管の変化で熱を逃がしたり、保ったりする | エクリン腺、血管、立毛筋、皮下組織 |
| 感覚 | 触れる、圧力、痛み、温かさ、冷たさを感じる | 皮膚にある感覚の受容器、神経 |
| 分泌 | 汗や皮脂を出す | 汗腺、皮脂腺 |
| 吸収 | 外から一部の物質が皮膚を通って入る | 角層 |
| 免疫 | 異物を見つけて、免疫に伝える | ランゲルハンス細胞 |
| ビタミンDの合成 | 紫外線(UVB)を受けて、ビタミンDをつくる | 皮膚の細胞 |
| 貯蔵・クッション | 脂肪をたくわえ、外からの力をやわらげる | 皮下組織 |
作用の分け方や呼び方は、資料によって少しずつ異なります。ここでは、主な作用を日常の言葉で整理しています。
作用の名前は、「体を守る(保護)」「体温を保つ(体温調節)」「感じる(感覚)」のように、日常の言葉に置きかえると覚えやすくなります。
保護のしくみは、肌のバリア機能、紫外線への防御は紫外線と肌で詳しく扱います。
体温調節のしくみ
体温が上がると、皮膚は熱を逃がします。体温が下がると、熱を逃がさないようにします。
| 状況 | 皮膚の反応 | しくみ |
|---|---|---|
| 暑いとき・運動したとき | 汗を出す | エクリン腺から出た汗が蒸発するとき、まわりの熱を奪う(気化熱) |
| 暑いとき | 皮膚の血管が広がる | 血流が増えて、熱が体の外へ逃げやすくなる |
| 寒いとき | 皮膚の血管が縮む | 皮膚への血流が減り、熱が逃げにくくなる |
| 寒いとき | 立毛筋が縮む(鳥肌) | 毛が立つ |
| 常に | 皮下組織の脂肪が断熱材になる | 熱の出入りを小さくする |
体温調節に主役のはたらきをするのは、汗を出すエクリン腺です。アポクリン腺は、体温調節ではなく、においと関わる汗腺として区別します(皮膚の付属器官)。血管や汗の調節は自律神経が担当します(ストレスと肌)。
経皮吸収の考え方
皮膚は外からの物質を通しにくい構造ですが、まったく通さないわけではありません。物質が皮膚から入ることを経皮吸収と呼びます。
- 皮膚の物理的なバリアで最も寄与が大きいのは、最も外側の角層です。外から入る物質は通りにくい構造です
- 入りやすさは、成分の性質(分子の大きさ、水や油へのなじみやすさ)によって変わります
化粧品の場合、効能として表示できる範囲は、厚生労働省が示す56項目の範囲と決まっていて、肌の深いところへ作用するような書き方はできません。「浸透」という言葉を使うときも、「角層まで」と範囲を示すことが求められます。くわしくは1級の化粧品の効能の範囲と化粧品の広告ルールで確認できます。
試験での問われ方(取り違えやすい点)
混同しやすいので、次のポイントを押さえておきましょう。
- 保護だけではない:皮膚には、保護のほかにも体温調節、感覚、分泌、吸収、免疫などの作用があります。
- 体温調節の汗腺:エクリン腺です。アポクリン腺ではありません。
- 暑いときの血管:広がって熱を逃がします。寒いときは縮んで熱を逃がしにくくします。
- 汗で体温が下がる理由:汗が蒸発するときに熱を奪う(気化熱)ためです。汗の量そのものではありません。
- 皮下組織のはたらき:脂肪をたくわえるほか、クッションと断熱の役割があります。
- 化粧品と吸収:化粧品の表示は、効能の範囲(56項目)と、「角層まで」などの範囲を守って行います。
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