SNS・PRのルール|ステマ規制とインフルエンサー

化粧品のルール(1級)

ステルスマーケティング(ステマ)は、広告であることを隠して、第三者の感想のように見せる表示です。2023年10月1日から、景品表示法の告示により不当表示として禁止されています。化粧品のSNS・PRでは、ステマ規制に加えて、薬機法の広告ルールも同時に守る必要があります。(確認日:2026年11月3日)

このテーマのまとめ:化粧品の表示と広告まとめ|全成分表示と56の効能

美容はSNSの影響が大きい分野なので、ここは実生活でも役立つ知識ですよね。2つの法律に分けて見ていきます。

ステルスマーケティング規制(2023年10月施行の告示)

ステマ規制は、景品表示法第5条第3号に基づく告示で定められています。

項目内容
告示の名称「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示」(令和5年3月28日内閣府告示第19号)
施行日2023年(令和5年)10月1日
根拠景品表示法第5条第3号(指定告示による不当表示)
運用の考え方消費者庁の運用基準で示されている

ステマに当たるのは、次の2つの要件を満たす表示です。

  1. 事業者の表示であること:事業者が自己の供給する商品・サービスの取引について行う表示
  2. 判別困難であること:一般消費者が、事業者の表示であることを判別することが困難

第三者が投稿していても、事業者が表示内容の決定に関与していると認められれば、事業者の表示になります。たとえば、企業から依頼を受けたインフルエンサーの投稿、アフィリエイターに委託した紹介記事、依頼して書かせた口コミなどです。第三者が自主的な意思で書いた感想は、事業者の表示ではありません。

規制の対象は、判別しにくい表示を行った事業者(広告主)です。依頼を受けて投稿したインフルエンサーなどの第三者は、ステマ規制の対象ではありません(薬機法第66条は別に及びます)。違反すると消費者庁の措置命令の対象になりますが、課徴金の対象にはなりません。SNSだけでなく、テレビ・新聞・雑誌などの広告も対象です。

PR表記の考え方

ポイントは、一般消費者が見て、広告だと分かることです。

  • 「広告」「宣伝」「プロモーション」「PR」といった言葉で、はっきり示します。「企業から商品の提供を受けて投稿している」といった文章でも分かります
  • 読める大きさ・色で表示します。長文の途中、小さな文字、薄い色、大量のハッシュタグに紛れ込ませるのは、判別困難になりやすい例です
  • 動画では、一瞬だけ表示するのではなく、見る人が気づける形にします
  • 業界用語、外国語、暗号のような表現は避けます

なお、事業者が自社のウェブサイトやSNSアカウントで、自分の商品を紹介するのは、事業者の表示であることが明らかなので、ステマには当たりません。

インフルエンサーにも薬機法が及ぶ点

ステマ規制が問うのは「広告だと分かるか」であり、何を言っているかは別の問題です。化粧品の紹介では、中身についても薬機法の広告ルールが及びます。

  • 薬機法第66条は「何人も」とされ、メーカーだけでなく、SNSで紹介する個人も対象です
  • 体験談や口コミの形でも、第66条は「明示的であると暗示的であるとを問わず」とされているため、効能の誇大は同じように問題になりえます
  • 「PRと書いたから何を言ってもよい」わけではありません。PR表記は、ステマ規制への対応であって、薬機法の免除ではありません

効能の範囲は化粧品の効能の範囲、NG表現の考え方は化粧品の広告ルールで確認できます。

2つのルールの違い

ルール守ること規制の対象
ステマ規制(景品表示法の告示)広告であることを、見て分かるように示す広告主である事業者(依頼を受けたインフルエンサー等は対象外)
薬機法の広告規制(第66条)効能・安全性などを、虚偽・誇大にしない何人も(個人を含む)

試験での問われ方(取り違えやすい点)

混同しやすいので、次のポイントを押さえておきましょう。

  • 施行日と根拠:2023年10月1日。景品表示法第5条第3号に基づく告示です
  • 2つの要件:事業者の表示であること、判別が困難であること
  • PR表記:一般消費者が広告と分かる表示にします。PR表記があっても、薬機法の効能の誇大は許されません
  • 自主的な感想:第三者が自主的な意思で書いた感想は、事業者の表示ではありません
  • 対象の違い:ステマ告示が問うのは事業者の表示、薬機法第66条は「何人も」です。依頼を受けたインフルエンサーは、ステマ規制の対象外です

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