防腐剤・酸化防止剤|品質を守る成分

化粧品の中身(1級)

防腐剤は微生物(細菌やカビ)の増殖を抑える成分、酸化防止剤は油分などが酸素で変質するのを防ぐ成分です。どちらも、化粧品を最後まで安全に使える状態で保つために配合されます。(確認日:2026年11月3日)

このテーマのまとめ:化粧品の原料まとめ|水性・油性・界面活性剤

「防腐剤」と聞くと、身構えてしまう方もいますよね。まず、なぜ必要なのかから整理しましょう。

なぜ防腐剤が必要か

化粧品は、水と油、栄養になりやすい成分を含みます。さらに、開封後は常温で保管して、何度も手や空気に触れます。この環境は、細菌やカビが育ちやすい環境でもあります。

  • 微生物が増えた化粧品を使うと、肌のトラブルにつながる
  • 防腐剤は、そうした増殖を抑えて、品質を保つ
  • 水を多く含む化粧水や乳液ほど、防腐の工夫が重要になる

代表的な防腐剤(表)

表示名称(例)特徴
メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベンパラオキシ安息香酸エステル類の総称がパラベン。古くから使われ、微生物に広く効く。単独でも、他の防腐剤と組み合わせても使われる
フェノキシエタノール抗菌性があり、パラベンと併用されることが多い
安息香酸Na防腐剤として使われる。食品添加物にも使われる

防腐剤は、複数を組み合わせると効果が高まり、1つあたりの量を減らせます。そのため、1つの製品に複数の防腐剤が入っていることも多くあります。

また、BG・DPGなどの多価アルコールは、保湿剤であると同時に、菌が育ちにくい環境をつくって防腐剤のはたらきを助けます。ただし、菌を殺す成分ではありません(水性成分)。

配合できる防腐剤と上限

どの防腐剤を、どれだけ配合できるかは、化粧品基準(厚生労働省の告示)で定められています。基準のしくみ(別表と、化粧品の使い方による区分)は化粧品基準の記事で整理しています。基準は改正されるので、成分ごとの具体的な上限は、厚生労働省が公開している最新の化粧品基準で確認してください。

酸化防止剤

化粧品に含まれる油分は、空気中の酸素や光で変質(酸化)して、においや色が変わることがあります。これを防ぐのが酸化防止剤です。

表示名称(例)特徴
トコフェロールビタミンEの仲間。油に溶ける。酸化防止剤として広く使われる
アスコルビン酸ビタミンC。酸化防止剤として使われる
BHT酸化防止剤。口紅などの油性の製品で使われる

「防腐剤無添加」表示の考え方

「防腐剤無添加」「パラベンフリー」などの表示は、「防腐剤として使う特定の成分を配合していない」ことを示す表現です。次の点を押さえましょう。

  • 「無添加」には、業界で統一された定義がありません。何が入っていないのかを確認することが大切です。
  • 防腐剤を使わない製品は、BG・DPGなどの多価アルコールで菌が育ちにくい環境にする、小さな容器で早く使い切れるようにする、容器の構造を工夫する、といった方法で品質を保つ設計になっています。
  • 「無添加」だから肌に合う、刺激がない、とは限りません。防腐の力が弱い設計の製品ほど、使用期限と保管に気をつける必要があります(化粧品の品質と使用期限)。

表示のルールは、化粧品の広告ルールで扱います。肌に赤みやかゆみが続くときは、使用をやめて医療機関に相談してください。

試験での問われ方(取り違えやすい点)

区別して覚えたいのは、次の点です。

  • 防腐剤と酸化防止剤:防腐剤は微生物の増殖を抑える、酸化防止剤は油の変質を防ぐ。目的が違います。
  • パラベンは1つの成分ではなく、総称:メチル、エチル、プロピル、ブチルなど。
  • BG・DPGは保湿剤:菌を殺す成分ではないが、防腐を助ける働きもあります。
  • 配合の上限:化粧品基準で定められる。しくみは基準の記事で、成分ごとの最新の数値は厚生労働省の化粧品基準で確認します。
  • 「無添加」:統一基準はなく、何が入っていないのかを見ます。

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