全成分表示の読み方|配合量の順番と1%以下

化粧品のルール(1級)

化粧品の全成分表示は、製品に配合した成分を、原則すべて表示するルールで、2001年(平成13年)4月に始まりました。表示は配合量の多い順ですが、1%以下の成分と着色剤は順不同でよいため、後ろの成分の順番から量は読み取れません。(確認日:2026年11月3日)

このテーマのまとめ:化粧品の表示と広告まとめ|全成分表示と56の効能

成分表示を見て「前のほうが多いんだな」と何となく読んでいる人は多いと思います。その読み方がどこまで正しいのか、決まりと一緒に確認していきましょう。

全成分表示の始まり(2001年)

全成分表示が始まる前は、アレルギーなどを起こすおそれがあるとして国が指定した表示指定成分(102種類)だけが表示されていました。

2001年(平成13年)4月、化粧品の規制が大きく見直されました。

  • 種別ごとの許可・承認制を廃止し、企業の責任で安全性を確かめる仕組みへ(化粧品基準)
  • 代わりに、配合した成分をすべて表示する全成分表示を実施し、消費者が成分を確認して選べるようにした

具体的な表示方法は、平成13年3月6日の通知(医薬審発第163号・医薬監麻発第220号「化粧品の全成分表示の表示方法等について」)で示されています。

全成分表示を義務づける根拠は、薬機法第61条第4号(制定時は薬事法)に基づいて成分を指定した、平成12年厚生省告示第332号です。

表示のルール(表:順番・1%以下・着色剤・キャリーオーバー)

通知に示されている主な表示方法です。

ルール内容
成分名邦文名(日本語)で書く。日本化粧品工業会の「化粧品の成分表示名称リスト」などを使い、消費者の混乱を防ぐ
記載の順番製品中の分量の多い順
1%以下の成分互いに順不同で書いてよい
着色剤量にかかわらず、互いに順不同で書いてよい(実際は最後にまとめて書かれることが多い)
キャリーオーバー成分配合した成分に付随する成分(不純物を含む)で、製品中では効果が発揮されない少ない量のものは、表示不要
混合原料(プレミックス)混ざっている成分ごとに書く
抽出物抽出された物質と、抽出溶媒や希釈溶媒を分けて書く。最終製品に溶媒が残らない場合を除く
香料着香のために使う場合は、成分名を「香料」と書いてよい

表示の場所は、法定表示と同じく直接の容器・被包が基本です(表示事項)。小さな容器の特例などで、添付文書や外箱に書く場合は、容器にその旨を示します。

表示名称(日本化粧品工業会の成分表示名称)

表示に使う成分名は、「化粧品の成分表示名称リスト」など、業界で整理された名称を使います。同じ成分でも、メーカーごとに呼び方が違うと、消費者が比べられなくなるためです。

  • 例:「BG」「グリセリン」「ジメチコン」「トコフェロール」のように、日本語の表示名称で書きます
  • 個々の成分の働きは、化粧品成分の一覧や、水性成分・油性成分の記事で確認できます

実際の読み方の手順(架空の製品例)

架空の乳液の全成分表示を例にした図。水、BG、グリセリン、ジメチコン、ステアリン酸、トコフェロール、フェノキシエタノール、香料、酸化チタン、黄酸化鉄と並ぶ。下に4つの読み方の箱がある。原則は量の多い順、1%以下は順不同でよく境目は表示から分からない、着色剤は順不同でよい、香料は香料とまとめてよい。最後に、配合量そのものは表示されず、順番は目安にとどまると書かれている。

読む順番は、次の手順がおすすめです。

  1. 先頭の成分を見る:先頭は、その製品に最も多く含まれる成分です
  2. 原則は「量の多い順」と読む:水、保湿剤、油分など、製品の土台になる成分が先に並びます
  3. 1%以下の成分と着色剤は例外と心得る:この2つは互いに順不同でよく、どこから1%以下が始まるかも表示されません。「後ろにあるから少ない・前にあるから効く」とは決められません
  4. 着色剤と香料の位置を確認する:色材は最後にまとめて書かれることが多く、香料は「香料」と1語で書かれます
  5. 配合量は表示されない:何%入っているかは、全成分表示からは分かりません

上の図の例のフェノキシエタノールは、化粧品基準で配合の上限が1%(100gあたり1.0g)と決められているので、基準に合う化粧品なら1%以下だと分かります。ただし、正確な配合量や、表示のどこから1%以下の成分が始まるかまでは分かりません。ほかの成分も、表示の順番だけから配合率を特定することはできません。「境目が分からない」ことを知っておくだけでも、成分表示を見る目が変わります。

肌に合わなかったときは、使った製品の全成分表示を控えておくと、次に化粧品を選ぶときの参考になります。症状が続くときは、化粧品の使用をやめて医療機関に相談してください。

試験での問われ方(取り違えやすい点)

次の違いを押さえておきましょう。

  • 始まった時期:2001年(平成13年)4月です。それ以前は、表示指定成分(102種類)だけが表示されていました
  • 記載の順番:製品中の分量の多い順です
  • 1%以下の成分:互いに順不同でよいので、順番から量は読み取れません
  • 着色剤:配合量にかかわらず順不同でよいとされます
  • キャリーオーバー:製品中で効果が出ない少量の付随成分は、表示不要です
  • 香料:着香のための香料は「香料」と書いてよい(個々の香料成分を書かなくてもよい)です
  • 表示名称:邦文名で、業界の表示名称リストなどを使います

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