シミは、紫外線などの刺激でメラニンが過剰につくられ、肌に残ることでできます。メラニンをつくるのは、表皮の基底層にいるメラノサイトです。シミにはいくつかの種類があり、原因が違いますが、見た目だけで見分けるのは難しいため、気になるときは皮膚科に相談してください。(確認日:2026年11月3日)
このテーマのまとめ:肌悩みの原因とお手入れまとめ|8つの悩み
「シミはできてから消すもの」と思われがちですが、化粧品の世界では「できにくくする(予防)」が中心です。ここでは、まずメラニンができるしくみを押さえましょう。
メラニンができるしくみ
メラニンは、紫外線から肌を守るために、メラノサイトでつくられる色素です。つまり、メラニン自体は悪者ではなく、肌を守るはたらきをしています。流れは次のとおりです。
- 刺激を受ける:紫外線などの刺激で、メラノサイトが活発になる
- メラニンがつくられる:メラノサイトの中で、アミノ酸のチロシンが、酵素チロシナーゼのはたらきで酸化され、メラニンになる
- 角化細胞へ渡される:メラニンは袋に包まれたまま、まわりの角化細胞へ渡される
- 排出される:ターンオーバーとともに角層へ押し上げられ、垢としてはがれ落ちる
基底層のメラノサイトと表皮の層は、表皮の構造で、排出の流れは表皮のターンオーバーで確認できます。メラニンが正常に排出されず、残ってしまうとシミになります。
シミの種類
| 種類 | 特徴 | 主な背景 |
|---|---|---|
| 老人性色素斑(日光黒子) | 顔や手の甲など、日光を浴びやすい部位にできる。境界がはっきりした茶色の斑点 | 紫外線を長年浴びること(光老化) |
| そばかす(雀卵斑) | 頬や鼻に、小さな斑点が散らばる | 遺伝的な体質。紫外線で濃くなることがある |
| 肝斑 | 頬などに左右対称に現れる、もやっとした茶褐色の色むら | 女性ホルモンの影響、紫外線、摩擦など |
| 炎症後色素沈着 | ニキビ、傷、かぶれなどの炎症のあとに残る色素沈着 | 炎症によってメラニンが増える |
このほかに、盛り上がりのある脂漏性角化症など、医療機関での診断が必要なものもあります。見た目が似ていても原因が違うことがあるため、自己判断でシミの種類を決めないことが大切です。気になるシミ、急に濃くなる・大きくなる・形が変わるシミは、皮膚科に相談してください。
お手入れの考え方(予防が中心)
化粧品でのシミ対策は、「これ以上メラニンを増やさない」ことが基本です。
- 紫外線を防ぐ:日焼け止め、帽子、日傘などで、年間を通して紫外線から守る(UVケアの基本、紫外線と肌)
- 摩擦を避ける:こすり洗いや強いマッサージは、炎症やメラニン増加につながる
- 炎症を起こさない:ニキビや乾燥による肌荒れを放置しない(ニキビの原因と段階、肌荒れの原因とお手入れ)
- 保湿でバリア機能を守る:ターンオーバーを整え、メラニンの排出を妨げない
- 生活習慣を整える:睡眠や食事、ストレスの見直し
できてしまったシミが「消える」「なくなる」と言い切れる化粧品はありません。化粧品で言えるのは、後で説明する「日やけによるシミ、ソバカスを防ぐ」などの範囲です。
「美白」の表現のルール
「美白」は、化粧品でも自由に使える言葉ではありません。
- 厚生労働省が承認した美白の有効成分を、一定の量配合した医薬部外品(薬用化粧品)が、「メラニンの生成を抑え、シミ・そばかすを防ぐ」と表示できる
- 化粧品(医薬部外品ではないもの)の効能は、56項目の範囲。シミに関係するものは、「日やけによるシミ、ソバカスを防ぐ」など
- 「美白」とは、肌の色を白くすることではなく、メラニンの生成を抑えてシミ・そばかすを防ぐ、という意味で使われる
有効成分の種類は美容成分と有効成分、化粧品と医薬部外品の違いは医薬品・医薬部外品・化粧品の違い、効能の範囲は化粧品の効能の範囲で確認できます。
試験での問われ方(取り違えやすい点)
- メラニンをつくる細胞と場所:メラノサイトで、表皮の基底層にいます。
- メラニンをつくる酵素:チロシナーゼです。原料はアミノ酸のチロシンです。
- メラニンの役割:紫外線から肌を守るための色素です。
- シミの種類と背景:老人性色素斑は紫外線、肝斑は女性ホルモンなど、炎症後色素沈着は炎症が背景です。
- お手入れの中心:予防(紫外線対策、摩擦を避ける、炎症を防ぐ)です。
- 美白の意味:メラニンの生成を抑えて、シミ・そばかすを防ぐことです。肌を白くする意味ではありません。
次に読む
- 練習問題:肌悩みのお手入れ 練習問題|7問
- 続き:くすみの原因別ケア|血行・角層・糖化

